試合前 |
ウクライナ難民支援チャリティー活動を繰り広げられている膳道会の小沢隆師範がウクライナ市民とともにリングイン。
現在の活動と、会場内の募金箱への寄付を呼び掛けられた。

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オープニング |
まずは、試合に先立ち、ダリス&ステファニー・バッケルが入場。
この日から発売されたCMLLレディースリングTシャツを着て登場した。
あいさつでは次のように語った。
ダリス
「私はダリスです。CMLL日本女子王者です。また日本に来れてうれしいです。私は日本が大好きです」
バッケル
「CMLL・ステファニーバッケルです。日本の文化をたくさん勉強してメキシコに持ち帰りたいと思います。よろしくお願いします」

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フィエスタメヒカーナ発表 |
ダリス、バッケルはリングへ残り、ミステルカカオ、佐々木貴、朝陽が続けて登場。9月23日から25日までお台場デッキにて行われるフィエスタ・メヒカーナでのルチャリブレ大会の開催が発表された。

日程は
23日=覆面MANIA、
24日=フリーダムズ、
25日=アイスリボン&CMLLレディースとなる。
主催者であるエル・ハラペーニョ氏の詳細発表の後、各団体の主催者代表がコメントした。
ミステルカカオ
「このフィエスタメヒカーナ、過去、私たちも4、5度参加してまして、毎回メキシコの選手とルチャリブレをやっています。うちは23日前半・後半二つ試合あるんですが、ダリスさん、バッケルさんにも参加していただこうと思っています。女子の試合と男子の試合で。うちはメキシコ式で3本勝負にしようかと思っております。3本勝負は長いですよ、30分、40分戦うこともあるので23日、楽しみにしていてください」
佐々木貴
「このフィエスタメヒカーナは初参加になるんですが、アイスリボン佐藤社長にお誘い受けまして、参加させていただくことになりました。フリーダムズとルチャ、あまりピンと来ないかもしれないですが、自分も含め、フリーダムズ所属選手、何人もメキシコに行ってまして、メキシコの選手も何人も日本に呼んでますし、メキシコとはつながりの深い団体です。自分も最近でも4年前にメキシコ遠征をしまして、メキシコ人とたくさん対戦して日本に帰ってきました。ルチャというか、メキシコではバリバリデスマッチを戦ってきたんですけど、お台場ではフリーダムズがお見せするルチャリブレ、佐々木貴がお見せするルチャリブレを楽しんでいただきたいと思います」
朝陽
「25日、アイスリボンも参戦させていただきます。アイスリボンはCMLLさんの女子部と提携させていただいていて一番かかわりが深いんじゃないかなと思っていて、イベントに参加できることを光栄に思っています。ここでハッピーなルチャリブレをお見せしたいと思います!」
ダリス
「フィエスタメヒカーナに参加できることがうれしく思います。ここでは本場メキシコのルチャリブレをお見せしたいと思います」
バッケル
「CMLLの代表として、本場のルチャリブレをお見せしたいと思います。行くぞ!!」
と、各選手がコメントをしたところで再び佐々木がマイク。
佐々木貴
「25日の最終日は夕方から今回主催である覆面MANIA、アイスリボン、CMLLレディース、フリーダムズ4団体合同の大会を行いたいと思います。コロナ渦とかあって海外の行き来が難しかったり、人と人の付き合いが難しくなったりそういう世の中だったからこそ、こういう場を大事にして国を股にかけての交流をしていきたいと思います!」
各日にちのカードなどは主催団体からそれぞれ発表される

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ルチャ練習 |
フィエスタメヒカーナ発表後は、カカオのみリングに残り、守部宣孝、群馬キャット、HAMATANIらを呼び込み、覆面MANIA提供によるルチャリブレの公開練習。
カカオらは、10年以上にわたり、ルチャのワークショップを行なっており、それを観客の前で披露することとなった。

ミステルカカオはマイクを持ち、
「ルチャリブレにはいろんなクラスがあり、小学生・中学生のクラスから選手のクラスまであります。前転後転からはじまり、どんどん上のクラスにあると投げ技や関節技を教わるんですけど、自分がやっているのは、初球のクラス、そして投げからやってんですけど、今日は投げのレパートリーをお見せします」と説明。日本とメキシコのスタイルの違い、受け身の違いを分かりやすく実践を交えながら解説した。

さらには。ラティゴという右腕を取ってのメキシコ式の投げ、さらにはルチャのムーブを次々披露。選手だけによる公開練習はなかなか見る機会がないだけに、貴重な技術披露となった。

最後に「こういった練習をだいたい2時間くらい、真琴選手やメキシコから来た選手を7、8人でワークショップを毎週やっています。興味がわいた人は一般練習の時にぜひ参加してください。またみなさんと一緒にルチャリブレの基礎練習をやりたいと思います」と練習を締めくくった。


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第1試合:メキシコ遠征者決定トーナメント準決勝15分1本勝負 |
○清水ひかり |
8分35秒 キューティー スペシャル |
朝陽● |

朝陽応援の青い紙テープが舞い、それをキャッチするかのように受け止める。
まずはグラウンドの展開から朝陽がフライングネックブリーカー。
619からトップロープからのミサイルキックへ。そしてワキ固めにつなぐ。
そして全体重を乗せた形でのアームブリーカーを決めるなど、朝陽に有利な展開は続く。
しかし清水もレッグラリアットで反撃。そして両者のエルボー合戦へ。

清水はローキック、朝陽はエルボーの打ち合いが続くも、清水がアームロックに捕らえ、そのままキャメルクラッチへ。
ここで清水はPKF。スリーパーからグラウンド式に移行してスタミナを消費させていく。
なんとかロープに逃れた朝陽は清水のキックをキャッチするとアキレス腱固めで反撃。

さらに裏拳の連発からダブルリストアームサルト。
その後、丸め込み技の応酬となるが、最後は清水がキューティースペシャルで粘る朝陽を破り、決勝へ進んだ。



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第2試合:メキシコ遠征者決定トーナメント準決勝15分1本勝負 |
○本間多恵 |
10分17秒 T-control |
柳川澄樺● |

すでに8・13成増大会で1回戦を突破していた柳川と、この日の昼大会で1回戦を突破した本間が準決勝で激突。両者は初対決となる。
本間の握手を柳川は拒否。いきなりの丸め込みから試合はスタート。
柳川は本間の背中を攻め立てると、本間とのエルボー合戦へ。
コーナー際で本間は柳川の突進を交わすとぶら下がり式の腕ひしぎへ。
さらにミサイルキックから腕ひしぎへつなぐ。
柳川は鎌固めでお返し。本間は必死にロープへ逃れる。

柳川は本間を起こそうとするがこれはフェイントで腕を取りに行く。
柳川はなんとかロープへ逃れる。
本間はここでアームブリーカーと攻めの手を緩めない。

そして再びリング中央での腕ひしぎへ。一度はロープに逃れたが、またも本間は腕ひしぎ決める。
なんとかロープに逃れた柳川だが、本間はすかさずミサイルキックへ。
本間はタイガースープレックスでとどめを刺そうとするが、これを柳川は耐えると、コンテンポラリーキックから1010へ。

これに対して本間はワキ固めで腕を取り返し、さらにアームロックへとつないでついにギブアップを奪った。

最後は涙を見せる柳川に本間が抱擁してエールを送った。
柳川の新たな一面が見られた好勝負だった。


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第3試合:日墨友好親善タッグマッチ20分1本勝負 |
○ステファニー・バッケル 松下楓歩 |
9分49秒 バッケル スペシャル |
神姫楽ミサ 石川奈青● |

まずは「お願いします」とキスプリが挨拶。
これにバッケルは握手で答えるも楓歩は拒否。
バッケルは石川へタックルからアームホイップ。
これに石川もアームホイップでお返し。
ならばとバッケルは首四の字の体制から石川の顔面をマットに打ち付ける。

続いて楓歩が背中への集中攻撃。石川はボディスラムで返すと、キスプリの連携へ。
まずは石川がラリアット、これにミサも続く。
ミサはエルボーからセントーンへ。
これに対して、楓歩は正面、背中からの蹴りを見舞う。

ミサはドロップキックで反撃すると、そのままセントーンを決める。
そしてミサは逆エビへ。これに楓歩はサイドバスターでお返し。

ここでバッケルにスイッチ。すかさずSTFを決める。

ミサは何とか、ラリアットで返すと石川にタッチ。
石川がボディアタックの3連発から石川&ミサのダブルでのワープレス。

その後、バッケルと石川のバックドロップの取り合いとなるが、バッケルが投げ勝つ。
さらにDDTからのカサドーラへ。

ここでミサのアシストから石川が流れを変えるダブルアームへ。

これにバッケルもトラースキックで切り返すと、コーナーに倒れた石川へランニングニーへ。

ここで柔術とアマレス、プロレスの技術をミックスしたバッケルスペシャルを決めてギブアップを奪った。

バッケルは試合後、「アリバ、メヒコ!」と高々と叫んだ。

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セミファイナル:日墨友好親善6人タッグマッチ30分1本勝負 |
○ダリス 真琴 星いぶき |
13分52秒 セカンドロープからの ダイビングセントーン →片エビ固め |
雪妃真矢 山下りな あーみん● |

まず、山下&雪妃&あーみん組の入場。
山下とあーみんは2ショットでポーズを取るも、雪妃は困惑して距離を縮めず。
アマプリの距離感はばっちりだが、レネプリとはまだ一体化していないようだ。
続いて、ダリス&真琴&いぶきの登場。
ダリスはレフェリーがソフト今井だと知ると懐かしのVENENO様ポーズ。
かつて今井レフェリーはSMASH時代、ダリスの兄であるVENENOから術をかけられVENENO信者と化していた。
そのVENENOポーズを二人で取ると、当時をよく知る真琴や、全く知らないいぶきまでもVENENOポーズを取る。
いっぽう、マイペースのあーみんは、「おねがいしまーす」とダリスに手を差し伸べるが困惑の表情。
ダリスは山下とはがっちり握手を交わしたものの、昼のアイスリボンでも絡んでいるためか、実力者と悟っており、なかなか握った手を話さず、互いに力を込めた。

試合はメキシコ流のノータッチルールを採用。
先発はダリスと雪妃。両者は8・13成増で対戦経験がある。
互いにルチャのムーブを互角に出し合い、一歩も引かず。
そして次は6人が入り乱れての流れからいぶきへとノータッチスイッチ。
いぶきは雪妃へボディアタックの3連発。
これに対し、雪妃もいぶきの腕を攻め立てチョップ封じの作戦へ。
様々なバリエーションでダメージを与える。
続いては山下といぶき。
山下は「今日は一発もチョップを食らわないぞ!」と宣言し、すかさずいぶきがチョップを狙うもこれは空振り。
そして山下が逆にチョップを打ち込んだが、二発目を狙うところでいぶチョップの洗礼。
早くも宣言が敗れる。
ならばと山下はエルボーを打ち込んだがいぶきはまたもチョップ。
山下の胸板が赤く染まる。山下はエルボーで返すが、息吹もチョップ。
両者のエルボーとチョップ合戦がヒートアップする。
ここで真琴へスイッチ。
真琴は山下をコーナーに追い込み、小刻み式のチョップ。
さらにはグラウンドでのブレイジングチョップを決め、山下は思わず悶絶。
ここでいぶきも入り、真琴が羽交い絞め。
いぶきがチョップを叩き込もうとするも、これは真琴に誤爆。
ここで山下もダブルチョップで真琴へお返し。
さらにトラースキックを決めてあーみんにスイッチ。

あーみんは真琴をコーナーへのボディアタック。
しかしワ―プレスは足で防がれ、ボディプレスに切り替える。

真琴は低空キックで流れを変えるも、あーみんはブレンバスターで反撃。
あーみんは山下、雪妃を呼び込み、ワ―プレス。
山下は一緒に決めたが、雪妃は戸惑いの表情を見せ、その場で立ち止まる。

アマプリは連携成功したが、レネプリ連携はまだ決まらずのようだ。
これに対して真琴もスピアーでやり返しダリスにタッチ。
ダリスはあーみんをコーナーに追い込み、背後へのキック。
さらにラリアット。

これにあーみんもローリング式のチョップからラリアットで返すと、ここで山下&雪妃もダブルのトラースキックで追撃し、あーみんもサマーソルト。

さらにはサイドスープレックスで投げ飛ばす。
しかしダリスがあーみんをとらえると、真琴、いぶきのアシストを経て、背後へのドロップキック。

真琴もWWニーで続ける。
ダリスはあーみんを持ち上げるとブロックバスター。
そしてセカンドロープからのセントーンで3カウントを奪った。

試合後、テーマ曲に乗って腰を振るダリスに雪妃も腰振りで対抗。
これにダリスも徹底抗戦し、思わぬダンス合戦での終了となった。

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メインイベント:メキシコ遠征者決定トーナメント決勝戦時間無制限1本勝負 |
○本間多恵 |
18分08秒 メジャモ☆タエ |
清水ひかり● |
※本間多恵がトーナメント優勝&メキシコ遠征権獲得。 |

トーナメント決勝に残ったのは清水と本間。
アクトレス時代の二人の関係性や、J@stという団体を背負ってきた背景を考えると、運命的なものを感じる。
ともに3試合目となる両者だが、清水の目には感極まったのか、涙も見える。
また、本間が入場する際には1回戦で戦った石川、準決勝で戦った柳川がそれぞれロープ上げを務めた。

決勝は時間無制限とあり、序盤は静かな立ち上がり。
ともに手の内を知りつくしているだけに、互いに慎重な闘いの中にも緊張感があふれ出る。
本間はロープブレイクをうまく利用して清水のヒザを巻きつける。
これで清水の足にダメージが残るのを確認すると、次から次へ右ヒザへの一点攻めを見せていく。
執拗な攻めに清水も防戦の展開に。
本間はアキレス腱固めからの首と足を決める複合技へと移行。

その後も足への攻撃は続き、清水は場外エスケープ。
本間はプランチャを狙うが、清水も立ち上がりコーナー上での攻防が続く。
清水は蹴りで体を入れ替えると、場外へ落ちた本間へエプロンからのフットスタンプ。

すかさず清水は場外でのスリーパーで締め落としにかかる。
レフェリーが止めに入るが清水は「触るな!」と一喝。
さらにヒップドロップと畳みかけ、背中へのキックもお見舞い。
本間は完全に場外ダウンの状態に。清水の殺気に静まり返る場内。

ここでようやく清水が本間を場内へ連れ戻すと、トップロープからのボディアタック。
本間は丸め込みで流れを変えるとヒザを掴んで決めにかかる。
これで再び清水のヒザが破壊される。

ここで本間はトップロープに上るも、ダメージの蓄積で上がり切れず。
清水はこのスキにデッドリードライブ。
それでも本間は気迫で即座に立ち上がる。
ならばとキューティースペシャル気味に後方へ投げると両者ダウン。
消耗戦の展開に突入していく。
両者は座った状態でのエルボー合戦。

ならばと本間は両腕を後ろに束ねてあえて攻撃を受ける。
再びスタンディング。
エルボーの打ち合いとなり、今度は清水が両腕を広げて打ってこいのポーズ。
そして今度は清水が打ち込むと本間も「来いやー!」と気持ちを込める。
本間は打ち返すと、ダウンする清水に「もっと来いよ!」とあえて檄を飛ばす。
両者の信頼関係と絆による打ち合いが続いた後、本間は勝負を賭けに行く。
低空のキックで清水をグラウンドへ持ち込むと裏アキレス腱で再びヒザ攻め。
そしてトップロープにのぼり、「ひかりー!」と叫んでのミサイルキックへ。

清水も延髄蹴りからレッグラリアット。
本間の横入り式エビをつぶしてカウントを入れて2で返されると3のアピール。

本間は清水の足を取ると、少しずつ、技を完成形へと持っていき、メジャモ☆タエがパーフェクトに決まる。
ついに清水もギブアップするしかなく、両者3試合目、18分に及ぶ攻防に決着が着いた。

本間がマイクを掴む。
「CMLL、メキシコ遠征への切符、この本間多恵が勝ち取りました。ありがとうございました。ひかりは古巣が一緒で、かつて一緒にメキシコ目指しててそのときは私だけが行くことになり、でも、その架け橋を私がしっかりかけていればひかりやトーナメントに参戦したほかの選手たちも一緒に連れていくことができたはずなんです。2019年の私はそのその力量が足りなかった。だから今回は何が何でもまず自分が行くという結果を残してメキシコでハポネサのいいところをもっともっと素敵な選手がたくさんいるんだということを照明していろんな人たちの橋を架けたいと思ってこのトーナメントで優勝を目指して頑張っていたというのが参加した半分の理由です。ひかり今日は決勝まで来てくれてありがとう。私を超えるといったその日が来るのを、もっともっと遠い日になるように私も自分自身をあきらめないし、ひかりがあきらめないのを楽しみにしています。今日はありがとうございました」


このことがを受け、清水もここでマイクを握る。
「今の気持ちはあなたを超えたときに話します」
こうして両者の絆と信頼による18分の攻防は幕を閉じた。

そしてメキシコ遠征を手にした本間が再びマイクを取り、
「私がトーナメントに参戦すると決めていた時から、優勝する、またその先のことしか考えていたのでそれを今日、このリングで証明したいと思います」と、トーナメントへ参戦したもう半分の理由を明かす。ここでダリスを呼び込んだ本間はCMLL日本女子王座への挑戦をアピール。

ダリスは「あなたの実力はこのトーナメントで優勝したことでよくわかった。あなたがメキシコへ行く前、挑戦を受けよう!」という受諾の構え。

協議の結果、9月25日、アイスリボン&CMLLレディースにおけるお台場大会でのタイトル戦が決定した。その後、両者がにらみ合いながらも最後は拳を突き出し合い、25日へ向けて互いに闘志を燃やした。


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