112)ミドリシジミ  チョウの図鑑に戻る 
 ミドリシジミ(緑小灰蝶、学名:Neozephyrus japonicus)は、チョウ目(鱗翅目)アゲハチョウ上科シジミチョウ科に属するチョウの一種。成虫の前翅長は
2cm前後。雄成虫の翅は、表面全体が金属的な光沢をもった鮮やかな金緑色の鱗粉で覆われ、その周囲は黒い色で縁取られる。一方、雌の翅には遺
伝的多型があることが知られ、表面全体がこげ茶色で斑がないO型、橙色の小さな斑点があるA型、紫色の帯(青色の斑)のあるB型、それらの両方が
あるAB型である。雌雄とも、翅の裏面は薄い茶色で、細い白い帯がある。成虫は、年1回だけ6月-8月初旬に発生する。雄は樹頂でテリトリーを張り、域
内に入ってきた他者を追い払う。普段は食樹付近を飛び発生地から離れることはあまりないが、クリの花などに吸蜜に来ることもある。雌は雄と比べる
と不活発で、日中はクリの花やクワの果実などで吸汁を行う。幼虫はカバノキ科のハンノキ、ヤマハンノキ、ミヤマハンノキなどを食草とする。卵はハンノ
キの幹や枝に産み付けられ、そのまま越冬する。翌春4月初旬-5月中旬ごろに孵化した幼虫は、新芽の中に入り込んで若葉を食べ、大きくなると葉を
巻いて中に隠れる。葉が硬くなる前の5月中旬-6月中旬の時期には蛹になる。幼虫の飼育は比較的容易である。ハンノキは湿地に生える木で、田の畦
などによく植えられた。そのため、かつては水田地帯でミドリシジミが多く見られた。分布は、ロシア極東地域、中国(東北部)、朝鮮半島、日本に分布す
る。日本では主要四島に分布するが、山口県西部・紀伊半島にはいない。九州では九重高原など内陸に限定される。湿地のハンノキ林に多くが生息し
ている。渓流沿いや林道脇のヤマハンノキが生育する山地にも生育している。1991年(平成3年)11月14日に埼玉県の「県の蝶」に指定されている。

 
現地に着くや、どんどんと林内に入って行く。少しひらけたところの古木にたくさんのミドリシジミが止まっている。オスはよく動き、飛び立つたびに日の
光でキラキラ輝く。足元にも下りてきて止まってくれ、マクロでも撮影できる。足場が悪く、思い通りにはいかないが、少し輝いた写真も撮ることもできた。
2018年にも3年ぶりに訪問、緑色に輝く個体を撮影できた。

   
      2015年6月23日高島市マキノ                       同左             

  
   2018年6月22日高島市マキノ                         同左

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作成日: 2017年7月11日