81)ゴイシツバメシジミ   チョウの図鑑に戻る 
 ゴイシツバメシジミ(碁石燕小灰蝶・Shijimia moorei)は、チョウ目シジミチョウ科のチョウの一種。1973年に熊本県の市房山で発見され、1975年には、
日本国の天然記念物(種指定、地域定めず)に指定された。また、1996年には、国内希少野生動植物種(種の保存法)にも指定されている。羽の表面
は黒褐色、裏面はツバメシジミの翅にゴイシシジミの斑紋を乗せたような模様のチョウである。ただ、ゴイシシジミはカニアシシジミ亜科に属するので近
縁種ではない。本種にもっとも近縁な種はツバメシジミやタイワンツバメシジミである。生態であるが、幼虫の食草はシシンラン(イワタバコ科)。ただし、
葉ではなく花を食べる。成虫はアカメガシ、ノリウツギ、キツネノボタンなどの花の蜜を吸う。初夏から夏にかけて発生。越冬態は幼虫。主に森林に生息
するが、これは食草の制約であって本種の生態はゼフィルスではない。日本国内では熊本県、宮崎県と奈良県にのみ生息する。天然記念物なのでもち
ろん採集はできない。国外では中国や台湾、インドのアッサム地方などにも生息している。(ウイキペディアより)
 市房観光ホテルの主人Nさんに案内をお願いした。市房キャンプ場周辺に向かう。この時期は、下に下りてくる機会が多く、シシンランが咲き始める中
旬以降は、木の先端で飛んでいてなかなか降りてこないそうだ。シシンランは寄生植物であるため、このようなことになる。時期的には、7月10日前後が
良いそうだが、梅雨時のこと、なかなか難しい。今日も、曇り空、果たしてゴイシツバメシジミが観察できるか心配だった。事務所付近や、施設近くでも見
られるそうだが、少し先にチョウの吸水する場所がある。1973年に初めて確認され、それにかかわった九州大学の先生が先に来ておられ、このタイミン
グで吸水に訪れたゴイシツバメシジミを確認できた。何とも運よく、絶好なチャンスに出会えた。曇り空では、吸水に夢中になり、1時間以上も離れないと
か。実際この時も、1時間半にわたって観察できた。先生の手に乗ったり、工事用のダンプが来るたびに、捕獲、放蝶してもまた止まり動かないなどであ
った。私も許しを得て、そっと触ることができた。何とも貴重な体験だった。

   
    2014年7月12日 九州市房                  同左                             同左
   
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作成日: 2017年6月25日