Post Scriptum


まず、この草稿版のような駄文を、最後まで読んで下さった皆様に、
御礼申し上げます。

い・如何でしたでしょうか・・・?(ドキドキ)

色々と、思うことはあるかもしれませんが、
これが私なりの結末の形なのです。
確かにバットエンドではありますが、読み終わった後、
そこには一縷の救いがある――――
そんな終わり方を目指して書いたつもりです。

人の一生には、限りがあります。
何か大きなことをしたくても、限界があって、最後を見届けられないことは、
誰にでもあると思います。
所詮、一人の人間の力で、国を動かすことなど叶いません。
しかし、同じような考えを持った人々が動き始めた時、
初めて成し遂げられることってあるのではないでしょうか。
少なくとも私はそう思います。

成し遂げることの出来なかったはとりの夢。
二十世紀は戦争と暴力の世紀でもあります。
その後、愚かな人間は、慰安婦問題に留まらず、
戦後各地で何度も同じ過ちを繰り返し続けるけれども・・・・・・
最終的に、人を救うことができるのは、人だけであると私は思っております。

紫呉を救ったのが、はとりならば、また、はとりを救ったのも、紫呉でしょう。
しかし、その行為は決して単なる傷の嘗め合いではなく、
前向きに生きていくための行為であって欲しいと思います。

作者が未熟なために、まだまだ未完成で破綻した話ではありましたが、
この話を読んで、少しでも何かを感じていただけたら、幸いです。



2002.5.14   綾瀬みのる 拝








これより下は、敢えて公開することを止めた裏設定であります。
読まれた方は、ひっそりと胸に仕舞っておいて下さい。

<裏設定>


紫呉はその後、五年程生きて、病死。
微笑みながら、眠るように逝ったそうです。
享年二十七歳。
奇しくも、彼が死んだ歳は、はとりと同じ歳でありました。

伏羽琉ふ ば る 遊郭の楼主・慊人は間もなく、
悪事が露見してお縄に。
その後、綾女が廓を受け継ぎ、新たな楼主になります。
ただ、彼の場合は、慊人と異なり評判が良かったとか。

はとりが助けたしぐれという少女は、二十歳で天神になり、
後に、綾女とともに、廓を守っていくことになります。