北の道22 Cadabedo − Luaruca
6月7日(火) Cadabedoの私営アルベルゲ。簡単な朝食を食べさせてもらう。いつものようにパンとカステラ、コーヒーにミルク程度とあっさり。肉とは言わないけど、たまにはサラダを食べたい。
小さなアルベルゲだけど部屋はふた部屋あったので、昨日は手首を怪我したドイツのおばさん、ウツゥラと二人だけの部屋だった。年は69か70らしい。痛めた手首がはれ上がっているので、きっと骨折してるんだと思うが本人は大して痛がっていないようだ。今朝もボルタレンを塗るかと進めたら、さっさと薬局で買ってきたらしい。ウツゥラから名前を書いてと言ってきたので、こちらの日記帳にも名前を書いてもらい、一緒に写真を撮る。
7:50と遅めの出発だ。私より遅いのはカタリナとドイツのウツゥラだけだった。二人とも母国語がドイツ語なので気が合うのだろう。二人はペースも鈍くて道連れには丁度いいかも知れない。
歩き始めて40分ほどで南米のサンダルおばちゃんを一言声を掛けながら抜かす。このおばちゃんは歩くのが凄く鈍い。それを自覚しているようで出発を早くしているから、後から出発した私が必ず抜かしてしまうパターンが続いている。だが、結局どこかのアルベルゲで一緒になることが何度もあるので、私なんかよりずーっと長い時間を黙々と歩いて次のアルベルゲに到達しているのだろう。私みたいな遊び半分のペリグリノよりもずっと本物の巡礼者だと思う。
しばらく歩いた分岐点に、目印のホタテマークが分岐点の真ん中を指しているのがあり、矢印の先は勿論道ではない。ここで4人のペリグリノが協議中だった。私は言葉が不自由なので協議に加われないからじっと結論を待つことにする。そこへ通りがかった車を止めて、やっと結論が出たようで歩き始めたので付いていく。またすぐ不明瞭な分岐にでたので協議を始める。更に2名加わって、総勢7人の大所帯になった。うち一人が分岐の角にあった家のドアをノックして教えを請いだした。ま、これが一番なんだけど、ここんちは毎日こんなことがあるんじゃないのかね?二階の窓が開いてカミーを教えてくれる。毎日尋ねられてうんざり?
7人の大所帯もその後はバラけた形で歩き続ける。村の中にあった鍵の掛かった教会の中には覗き窓から有難そうなマリア像が見られた。一緒に見ていた二人は南米の夫婦(らしき)で、少しのあいだ一緒に歩く。男性がコックで女性はオーナーらしいが、夫婦でもないらしいのでハッキリしない。ま、どうでもいいのだが。
昼過ぎてから港町のLuarucaに到着する。坂道が多く、なんだかせせこましい町だなぁと言う印象だ。タブレットのマップを頼りに私営のアルベルゲを見つける。アルベルゲなのに時代がかったホテルみたいな造りだったが、中は近代的でやっぱり二段ベッドだった。二段ベッドどすこいだ。11ユーロ。
昨晩一緒だった巨体のヒゲじいさんがチェックインしていた。30分後には南米のサンダルおばさんも到着して隣の下段ベッドに落ち着いて幸せそうにしているので私も嬉しくなる。チェックインと言っても、まだ係りは顔を見せないので勝手にベッドをゲットしてシャワーを浴びているいるだけだが。
1時過ぎたらカタリナと連れ立って手首を負傷したドイツのおばちゃんが到着してきた。カタリナも似た体力のおばちゃんと一緒に歩けて良かっただろう。同じドイツ語を喋るから尚更だ。
タブレットの地図で確認したスーパーへ一人で行ってくる。シエスタやってないといいなと近づいて行くと、大きなスーパーで営業中だった。1リットルビールはあったが冷えたのがない。スペインはビールを冷やして飲む習慣がないのか、常温のビールを良く売っている。冷えたのを売ってないのを確認すると店員を捕まえて「冷えたビールある?」と尋ねるようにしている。運がいいと「あるよ、付いて来て」と言う感じで肉コーナーへ連れて行かれ、肉担当に冷えたビールを出してと言ってくれる。すると肉担当は肉の冷蔵庫からビールを出してくれるという寸法だ。それが分かってからは、直接、肉担当に尋ねることもあるが、幸運は3回に1回くらいなので、運が悪い時は常温のビールを飲むことになる。ハム、パン、イチゴでかパック、ヨーグルト4、干しブドウと、次ぐ朝用にチンして食べられるチャーハンみたいのも買う。昨年も食べたビチャビチャのチャーハンみたいので、美味くはないが一応米なので食べてみたくなった。合計8ユーロ。帰ってきてアルベルゲのキッチンで食べ始める。
マルテンがやって来た!アマンディのアルベルゲであぶれて以来、6日振りの再会だ。マルテンは背が高いので、私より歩くペースが速いだろうに、アルベルゲでは結構一緒になる。どこをどうほっつき歩いていたのか、マルテンの行動はちょっと不思議だ。
テーブル隣に前にも一緒だったカップルが座ったので、いっぱい買った大きなイチゴを6つ進呈する。そしたら2時間ほど後から食べ始めたカップルが、サラダを皿に分けてくれたので有りがたく頂く。こんなちょっとした交流が嬉しい。
カタリナとドイツのおばさんが食事から戻ってきたので、マルテンがいるよと教えたら嬉しそうに再会していた。
明日予定していたピニェーラのアルベルゲがやっていないという情報がカタリナから入る。と言うことで、次にアルベルゲがあるLa Caridadのアルベルゲまで31kmを歩かなくてはならないことが決定になったので、今晩のうちに出来ることをしておく。明日歩き始めるカミーノを確認しておこうと町に出たがさっぱり分からない。ウロウロしてバルのテラス席に居た人に聞いたら、あっちだよと教えてくれる。あっち方面に行ってまたキョロキョロしていたら、その様子を見ていた先ほどのおじさんが「そっちそっち」と言う感じで手で教えてくれる。曲がり角に黄色い矢印を発見。ちょっと分かりづらい所にあったので、注意してないと見落とすようだった。これで明日は暗いうちの出発でも取り合えず進むべき方向が決まったので安心する。朝が早いので朝食用に買ってきたビチャビチャ米も食べてしまい喰い溜めとする。
北の道23へつづく
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