北の道32 アルスア − ペドロウソ
6月17日(金)昨日からずっと雨が続いている。雨支度をして7:25にアルスアを出発する。ビニールスカート発進。このビニールスカートは市販もされているようで、裾の切り口がちゃんとキレイに始末されてたり腰周りにはゴムが入っているのを使っている人もいた。マルテンはそれを知っててごみ袋で応用したのかも知れないな。
本降りの中を1時間歩き、その後は小降りになり2時間で止んでくれるが青空はなし。屋根つきのバス停でジュースを飲んで休んでいたらマルテン登場。今日も近くのバルででコーヒーを飲むそうだが、私はこのまま行くことにする。道は一本なのでまたすぐ会えるものと思っていたが、これを最後にマルテンとは会えなくなってしまった。
フランス人の道は巡礼が引っ切り無しに歩いている。小さなナップザックを背負っていたり、ボトルだけ持っている人だったりと軽装が目立つ。こういう人たちはコンポステラ手前114km地点のサリアから歩き始めた人たちだ。ハイキング気分なのか、他の巡礼者と会っても「べつに」と言う感じ。ずっと長い距離を歩いて苦労を共有している巡礼者とは一線を画すので出会っても面白いことが無い。ずっと出会いっぱなしだし。北の道を歩く人は全員が仲間だったのに比べ、少々辟易。
ペドロウソの公営アルベルゲには11:20と早い到着。まだ私で二人目だ。でも後から続々と集まりだして、1時間のうちに20人ほどの人がザックを並べて順番を作り出した。1時に受付開始。1・2番は昨年だと平ベッドを割り当てられたので1番の人にそう伝えたが、始まってみたら今回は3・4番が平ベッドだった。この二人は夫婦で、ベッドを見たとたん歓声を上げている。昨年は私がここだったんだよと伝えて祝福したげる。でも、1・2番も下段ベッドだったので満足だ。ここは下段から埋めていく方式らしい。その方が有難くて合理的だ。ベッドが全て埋まらない可能性だってあるんだから。
シャワーのあと隣のスーパーへ買出し。昨年はペドロウソに泊まったのが日曜日だったので、せっかく隣にスーパーがあったのに閉店していたので悔しい思いをしただけに、今年は開いているのがいつにも増して嬉しく感じる。今日の1リットルビールは今まで見たこと無かった瓶がプラスチック製だった。ガラス瓶のビールより安っぽく見えてしまうが、日本から比べたらどのビールも格安だ。ためしに買ってみたが、普通の味だしアルコール度数も5%とおんなじだ。このビールは0.75ユーロと今までのビールより安かった。円なら1リットルで90円ほどだ。何リットル飲んだって大した額にはならないが、1リットル飲めれば満足だ。色々買って6.70ユーロ。瓶詰めのピクルスをまた買ったので、それが高くついた。
アルベルゲに戻って一人宴会。いつも生ハムじゃ面白くないので、今日はチョリソーを買ってみた。日本のサラミと同じ味でイマイチ面白みが無かった。同じチョリソーでも赤い奴は豚の血が混ざっているのか、味が濃いのだが今日のは普通味だった。8Pチーズは濃厚でいつも旨い。ここのキッチンは調理器具も食器も揃っているのを覚えていたので、スーパーに冷凍の米があったら解凍して食べたかったが残念ながら置いてなかった。
今日もマルテンはやって来ないので、また私営に泊まったようだ。私営に泊まる積もりなら急ぐことはないので、それでいつものんびりしているのか?通常は公営から埋まっていき、いっぱいになると私営に流れていくんだと思う。あくまでも節約を旨とする私の想像だが。
ここペドロウソのアルベルゲにはコリアンが二人いた。二人ともソロで、おじさんは韓国の国会図書館で定年退職し、日本の国会図書館にも行ったことがあるそうだ。日本語が上手。女の子(と言っても30前後)は食べていたメロンと韓国の激辛麺を試食させてくれた。カップ麺なのに何て辛いんだ。日本で売られている辛ラーメンの比ではない。あんなのを良く1カップも食べられるもんだと言うほどの辛さ。この子とは4日後にポルトガルのポルトで再会することになるから不思議なもんだ。
明日はドミンゴなので7時過ぎに食料の買い足しに隣のスーパーへまた行く。途中、私を知っていると言うペリグリノ二人に話しかけられる。明日はドミンゴだから買い物ができないと言ったらサバド(土曜日)と言っている。え、違うの?タブレットの日付を見て明日はドミンゴと思い込んだが、タブレットは日本時間とスペイン時間が表示されているので日本時間だけ見たために勘違いした。でも折角出かけてきたのだから缶ビール1つとクッキー1本にヨーグルト2を買って帰る。ヨーグルトはまだ1つ手付かずがあるので3個になった。メロンをくれたコリアン・ガールがいたらお礼に1つ上げよう。
手の爪は普通に伸びるのに、足の爪の伸びるのが異常に遅い。家にいるときは半月に一度は切っていたと思うのに、1ヶ月経ってもさっぱり伸びないので不思議なようだ。毎日いっぱい歩き、靴の中で圧迫されているからだろうか?それとも歩くので足のエネルギーが爪まで行き渡らない?なんにしても面倒な足の爪を切る作業が少ないのはいいことだ。昨年は気づかなかったが今年は面白いことに気づいた。
日程は予定より2日先行したのがずーっと続いて今日まで来てしまった。このままだとどっかで歩かない日を入れる必要があるかな。コンポステラで2泊の予定を3泊にしても予備日があるのでまだ3日も余ってしまう。次に予定しているポルトガルの道で1日消化できればいいが、アルベルゲの関係で逆に1日短縮してしまう可能性だってあるし、どうする?
北の道33につづく
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