北の道33 ペドロウソ − モンテ・ド・ゴソ
6月18日(土)ペドロウソのアルベルゲを8時に出発する。今日も余裕の一日だ。全工程を80日と思い込んでいたので、昨日が丁度半分だと思っていたが、改めて勘定し直してみたら全部で82日間で今日が41日目で折り返し点だった。やっと半分と言うか、もう半分と言うかだ。
昨年見逃した、祭壇が帆立貝の教会を見てみようと回り道をして行ってみたが、案の定、扉は閉じたままだった。それとも時間が早すぎたのか?いつもは巡礼路から外れて回り道はしないのだが、今日は15キロしか歩かないし、一度歩いたことのある道なので行ってみる気になった。でも開いてないんじゃ仕方ないので外から写真だけ撮ってまた巡礼路に戻っていく。昨年はこの交差点を渡っているときに向こうから歩いてきたイタリアチームとバッタリ再会したんだよなーと懐かしむ。
ガリシア地方特有のユーカリの森を沢山のペリグリノさん達が行列をなして歩いている。今年は特別聖年なので例年より更に多いのかも知れない。それにしてもこの行列が何百キロも続いているとしたらその数は偉い数字になるだろう。道筋の経済効果は計り知れない。だが、フランス人の道以外の巡礼路はこの1割の人しか歩いていないので豊になるのはこの道筋だけかな。
村のレストランの前にテーブルが置いてあって、スタンプのセルフサービスをしていた。日本人らしい青年が押していたので「日本人ですか?」と声を掛けるも無反応だったので違ったようだ。でもすぐ「日本の方ですか?」と後ろから逆に声を掛けられた。「日本語が聞こえてきたので」だって。若いカップルと少しお喋りする。
次には前を行く女性の二人連れが日本語でお喋りしながら歩いているので、これはもう日本人以外ない。日本語でこんにちわと一声掛けて追い越していく。そのあと分かりづらい分岐点で小柄で年配の女性が迷っていたので声を掛ける。予想どおり日本人だった。(※日本の方は検索でヒットする可能性があるので素顔は出しません)この人は珍しくカトリックだった。私と同じたまにしか教会に行かない信者だったので話が弾む(?)。暫くお喋りしたあと私が先行し出して、またモンテ・ド・ゴソで一緒になった。この人は日程の関係で一気にコンポステラまで行くそうだが、有名なモンテ・ド・ゴソの400人収容できる巨大アルベルゲが見たいと言うので案内してから、また巡礼路まで連れてってあげる。コンポステラのホテルを予約してなかったらここに泊まりたいそうだが、既に日本で支払いを済ませているそうだ。今日一日で5人の日本人と会った。さすが巡礼銀座のフランス人の道だ。
ゴソのアルベルゲに戻って開くのを待つ。先ほどの日本人カップルもやって来た。顔が似ているので兄妹?と聞いたら夫婦だそうだ。やっぱり他でも兄妹かと言われたそうだが、なんと新婚旅行にこのサンチャゴ巡礼を選んだそうだ。そんなことするカップルがいるとは驚きだ。1ヶ月もの長きに渡って一緒に歩いてきたが、喧嘩別れをすることなくコンポステラまでやって来るとは仲が良い。って、当たり前なんか知れないけど。
一緒に開くのを待っているコリアンのおじさんは昨日のペドロウソのアルベルゲでも一緒になった人で73歳だそうだ。やっぱりこういうことする人は若く見える。スペイン人と一緒に歩いているそうなので、スペイン語も話せるようだ。今晩はその人とバスでコンポステラまで行って有名ホテルのレストランで食事をして、またバスでここに戻ってくるそうだが、何とも回りくどい気がした。明日コンポステラに着いてからホテルに泊まって食事したほうが理に叶っている気がするのだがなぁ。
時間が来たのでチェックイン。6ユーロWi-Fiなし。シャワー洗濯してから昨年も行った小さな雑貨屋で食料を仕入れる。昨年と同じように、卵6個入り1パックを買ってきてゆで卵を作る。何でかと言うと、小さな雑貨屋には品物が少ないので結果的にあるものを買ってくることになる。
今日は栄養を取りすぎる。ゆで卵3、生ハム8切れ、8Pチーズ4、パプリカ半分、1リットルビールにポテチだ。
私が食べ終わるころになったら日本人4人が一斉に料理を作り始めた。新婚旅行の旦那の方がバカに手際がいいので聞いたら本職のコックだそうだ。どうりで。一緒に歩くには最高の人だねーと褒める。もう一組は途中で追い抜いた女性二人組で、私が一声掛けて追い抜いたのを覚えていた。世界一周中だそうだ。すでに8ヶ月もふらふらしていて、サンジャンから出発したので、この道だけで1ヶ月以上掛けていても全体としたら一部だ。そろそろ資金が乏しくなってきたので一度日本に戻るそうだ。一日の予算は幾らが目標なのか聞いたら、二人で30ユーロとのこと。やっぱり二人の方が一人より経済的だ。一人は沖縄独特の苗字で、名前を聞かなくても顔に沖縄と書いてある。もう一人の背の高い女の子が明日誕生日なので、誕生日にゴールできるように計画的に歩いているそうだ。この二人はフランスの爺ちゃんと10日間一緒に歩いていて、作ったパスタを当然のように食べさせているので、まるで身寄りのない老人を養っているようだった。爺ちゃん良い道ずれが出来て良かったね。その爺ちゃんが貝のネックレスを二人にプレゼントしていた。誕生日プレゼントと言うより、明日がゴールなので今までのお礼の積もりらしかった。
二人はコンポステラではペンションを予約してあるそうだが、若夫婦は決まってないと言うので私が泊まる予定のメノールのアルベルゲを紹介してあげる。
北の道34につづく
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