熊野古道      2018年12月3日(月)~8日(土)

 前橋駅17:16の電車に乗り出発。今回は3人旅。高崎で乗り換え大宮には18:47に到着。ここで夜行バスに乗り換える。駅側の路地でラーメン、生ビール、餃子にそら豆、シナチクで夕飯。割り勘で一人1100円。

 夜行バスは20:50の出発なので、駅前のSOGOに入って飲食店街にあったベンチで時間つぶしをする。デパートは便利。

 西口にある10番乗り場から勝浦温泉行きに乗り込む。チケットは事前に買っておいてあり片道10,550円。新宿バスタや横浜のバスターミナルで客を乗せた後は高速道路で一路紀伊半島へ。

12月4日
 早朝、勝浦温泉到着。そこからバスで大門坂へ移動。8:30から歩き出し10:30那智の滝が見える熊野那智大社到着。ここから階段で上りだす。道端には平安時代の貸衣装屋があり、良く写真で見る平安時代の旅装束はここで借りられるのかと思い出す。すぐ大雲取越えに入る。暫く行った先に大きな駐車場があり、ここの土産物屋で朝飯にする。チキンピラフだったかな、大盛り。昼の弁当が欲しいので聞いてみたらパック詰めで作ってくれるそうなのでエビピラフを頼む。本当はおむすびが欲しかったが、出来ないそうだ。この弁当も凄い大盛り。

 霧の中、ぐんぐん高度を上げていき、誰もいない東屋で昼飯にする。ここからは見晴らしが良いそうだが、今は濃い霧で何も見えない。食べているうちに霧が晴れて遠く海まで見ることができた。同行の吉田さんがガスストーブでコーヒーを煎れてくれる。

 16:05、目的地の小口まで5.1kmの看板。ここではまだ明るかったが、みるみる暗くなって来てやがて真っ暗な山道になってしまう。三人ともライトは持ってきているが、私以外のライトはバッテリーが心もとなくすぐしょんぼりした光になってしまう。幸い、私のバッテリーは元気なので道の先は私のライトで照らしながら急坂を下っていく。岩だらけの急坂で、小雨が降ったりやんだりしているので石と木の根がやたら滑って危険。足もとが見えないから浮き石にもやたら乗ってしまい、そのつどオワーッと声が出る。3人ともバタバタ転がりながら下っていく。最後の方でもの凄く滑る所に着地した途端に両足が宙に浮き大きく尻餅を付いてしまう。かなりの衝撃だったのでこれはヤバイんじゃないかとすぐ起き上がれないでいたら、同じ所で尻餅を付いた吉田さんが私にぶつかってくる。暗くて見えないが、濡れた板のように感じた。この辺りだけツルツルに滑るので、やっぱりここだけ板が敷いてあるのかも知れない。左が山側で右は谷なので、互いに右に行かないように声を掛け合いながら下って行く。

 やっとのことで小口の村に到着。でもどこも真っ暗闇。多分こっちだろうと言う方向に歩いて行くとすぐ人家が見え出したが、やっぱりどの家も明かりが点っていなくて人の気配が感じられない。ここからはバスで予約してあるジェイホッパーズに移動する予定だったが、時間が遅くて既に最終バスは出たあとだ。もうタクシーで移動するしかないので閉まっている店先の公衆電話でお願いしてみると、4時半で今日の業務は終了したそうだ。ガビーンだ。ここから宿まで20数キロあるので歩ける距離ではない。なんとかなりませんかねとお願いすると何とかしてくれるようだ。その代わり、時間外なのか運賃のほかに4000円掛かるそうだがそれでお願いする。もう金で何とかなるなら何でもオッケーだ。

 三人ともへとへとなのでペタンと座って待つこと30分。やっとタクシーがやって来る。もっと近いと思ったが、タクシーでも30分近く走ったようだ。お陰でタクシー代は9000円ぷらす4000円とエライ高額になってしまった。でも宿にたどり着けたので感謝だ。タクシーを降りて坂の路地を登った所に宿はあった。みんなヨタヨタしながら坂を登っていく。

 宿の玄関から呼びかけても応答がないので様子を見に上がっていくと広間には外国人青年たちが楽しそうにやっていて、オーナーはそっちの部屋だよと教えてくれる。無事にチェックイン完了。1泊4100円で連泊だ。階段の手するにもたれ掛かりながらヨタヨタと2階の部屋に移動。まずは風呂だ。ここの風呂は3つもあって、3人でゆったり浸かれる大きさがあった。ふー極楽ごくらく。風呂がこんなに有りがたく感じたことはなかった。湯から上がって階段を上ると、先ほどとは見違えるほど復活していたので、風呂って凄い効果があるんだなと今更ながら驚いた。

 さて次は宴会だ。宿の大きな瓶ビール2本とツマミを買って談話室となっている座敷へ移動。大きなコタツには外国人グループが8人ほど陣取っていたので隣の小さなテーブルに陣地を敷こうとしたら、こっちに来てと声が掛かるが、コタツに3人は入れなさそうなのでやっぱりこっちねとお断りする。でもこの外国青年たちは日本人との交流を求めているようで梅干しが入ったパックを手土産に向こうからやって来てくれる。フランスのお嬢さんで日本語がとても上手。他にもアメリカやオーストラリアの青年たちで、一人だけ日本人がいた。この日本人がガイドで青年たちを引き連れているようだが詳しくは不明。一人、スペインのお嬢さんがいたので簡単なスペイン語が話せる。すぐフェイスブックをやっているかと聞かれて、その場で繋がることができたが、このお嬢さんはスペインの有名な祭り「人間の塔」のメンバーだった。フェイスブックの写真を見たらすぐ分かった。日本でも有名な祭りなんだよと伝えると意外なようだった。

 日本酒はどうかと聞くので勿論いただく。こちらもビールを2本追加したりツマミを提供したりと片言英語で大いに盛り上る。一人、着物を着ている女性がいたので自分で着たのかと聞いたらそうらしい。帯も締めているけど日本人でさえ一人で着物を着られる人は少ないんだから、きっと何ちゃって帯だろな。着物はエクシペンシブと言ったら3000円とのこと。きっといい日本土産になることだろう。

12月5日
 この宿は夜は白米、朝はおかゆが無料で食べられるが昨晩はワハハワハハでご飯を食べるのを忘れてしまっていた。腹ぺこなのでおかゆを塩と醤油で4杯食べておく。来る前に立てた予定では、今日はバスで小口に戻ってから熊野大社まで歩く筈だったが、みんな昨日のダメージが残っているので簡単コースに変更する。宿からすぐ大日越えが始まっており、一山越えて熊野大社に向かうことにする。いきなり見上げるほどの急登が始まる。ま、ダメージが残っていると言っても朝はまだ元気だ。ゆっくりゆっくり登っていくことしばし、やがて道は平らになり社がひっそりと建っている所に到着する。ここからは急な下りで、下りの方が怖い。下りきると行きなり町に出て平らになる。道端にゲストハウスの看板があるので、やっぱり熊野古道は外国人がやってくるんだなぁと思った。日本の観光客はゲストハウスには縁がないだろうが、外国人はこういう安宿が大好きだ。私も大好き。

 大社の長い石段を登って行くと平らになった所に大小の建物があって、ここが熊野大社だ。境内の中は撮影禁止だったのが残念。なんでかな?神様がいるから?社務所のような入り口に大きく「サンチャゴ巡礼展」のポスターがあったので中に入って尋ねると、ここではなく下にある熊野古道館で開催されてるそうなので、そっちへ行ってみる。

 古道館の前にはサンチャゴ巡礼でお馴染みのモホン(道標)が据えてあった。ここからサンチャゴまでは10,755kmと記入されているのは半分ギャグか。ここは無料で入ることができ、サンチャゴ巡礼関連の大きな写真が沢山展示してあった。サンチャゴと熊野古道の共通巡礼手帳というのがあって、二つの道を歩いたと証明できれば「二つの道の巡礼者」と言う認定がされて証明書とピンバッチが貰えるとのことだ。実は私もこれを狙ってサンチャゴのスタンプがめちゃんこ押されたクレデンシャルを持ってきている。ガラスケースの中には最初に登録された人の写真も展示されていて、3番目の登録者として紹介されていたのはブログで知り合いになった千春さんが写っていたのには驚いた。

 ここで共通巡礼手帳が貰えるのを知っていたので事務所に移動して問合せる。持ってきた使用済みの手帳を見せて、「スペインで熊野古道のことを知っている人は何人も居て、私が日本人とわかると『クマノコドー』と声を掛けられたことが何度もある」ことや、この共通手帳を写真に撮られたことを伝えると喜ばれる。また来年も行く積もりなので、手帳を欲しいと伝えると沢山頂くことができる。1回のサンチャゴ巡礼で2冊使用するので、これだけあれば数年は安泰だと嬉しくなる。そう言えば今回私が記録用に持ってきたボールペンはサンチャゴ巡礼で貰った帆立貝のマークと地名が入ったレア物だったことに気づき、さっきのお姉さんに「良かったらこれと貴方が使っているペンと交換しませんか?」と提案したら「いいんですかー!」と凄く喜ばれる。新しいボールペンを探し始めたので、あなたが今使っているのでいいんですよと伝えるも、結局新しいのが頂けることに。「献血にご協力お願いします。和歌山県」と入っているが、どうせなら「熊野古道」と入ってるほうが嬉しかったな。こんなことして遊んでいる間に、うぶちゃんと吉田さんは別の職員からせっせと明日歩くコースの情報を仕入れていた。明日も結構な山道が待っているらしい。

 さて次は昼飯。近くにある蕎麦屋に入って丼飯が食べたい。希望だったカツ丼はなかったけど、玉子でとじた牛肉丼があるそうなのでお願いする。何しろ玉子で閉じてある米が食べたかったので結果オーライ。残念ながらビールはノンアルコールしか置いてないそうだ。門前町だからかな?でも、近くの酒屋で買ってきてこちらで飲んでいいそうなので、吉田さんを荷物番に残してうぶちゃんと行ってくる。この酒屋から宿で飲み食いするのを仕入れようと話していたので下見で調度いい。500mlの缶ビールを吉田さんの分まで買って蕎麦屋で乾杯。自分ちの儲けにならないのにコップを出してくれる親切よう。つまみに漬物まで出してくれる。食べ終わってから飲み終わった缶を持ち帰ろうとしたら、それ置いてっていいですよとのこと。本当にここの店は親切。

 三人でさっきの店で色々仕入れてバスでまたジェイホッパーズに移動。今日はハイキング程度で楽勝だった。ここの温泉街には「つぼ湯」という名物があるので川の底に下りて見物していく。源泉には玉子が幾つもぶら下げられてあり、こうしておくとゆで卵になるそうだ。フランス女性が二人いたので簡単英語でお喋り。スペインで出会ったフランス人は殆ど英語を話さなかったが、熊野で会うフランス人はみんな喋れるのでどこか違うようだ。スペインとフランスは隣同士なので、英語が必要って感覚にならないのかも知れない。

 宿の露天風呂が楽しみだったが、いまは利用できないようなので、また昨日と同じ風呂に三人で入る。湯上り後に洗濯機に3人分の衣類を放り込んでから宴会。買ってきたものをテーブルに並べて飲み食いを始める。昨晩は大勢の外国人がいたが、今日の泊り客は少ないそうだ。ちょっと残念かな。飲んでる内に台湾のカップルとオーストラリア青年がやって来たので楽しく国際交流。台湾と日本はフレンドリーなのでそれも嬉しい。あとからさきほど会ったフランス女性二人と男もやって来たのでまた交流。ここに来る前の情報どおり熊野古道は本当に外国人ばっかりだ。

 今回初めてゲストハウスを利用してみたが、洗濯の用意があったりキッチンが自由に使えたりとスペイン・ポルトガルで利用したアルベルゲと似ているがアルベルゲより高級ぽくて快適に過ごすことができる。まぁその代わり値段も少し高いが、日本国内でこの値段なら民宿の半額、ビジネスホテルよりずっと安い。断然気に入ったので、これからの国内旅行はゲストハウスを泊まり歩きたい。

12月6日
 今朝も宿のおかゆを食べて出発。まずはバスで熊野大社へ移動してから歩き出す。今日の目的地は近露(ちかつゆ)だ。このルートも上り下りが激しく、土砂崩れのために迂回路があちこちにある。凄い山道なのにパンフレットには4キロを1時間と、平地を歩くのと同じ時間が書かれているし、分かれ道に迂回路の立派な看板はあるが、どっちに行けばいいのかは書かれていない。「大社・近露」のどちらからも歩いてくるのに、これじゃぁ道標の意味をなさないだろー。そのつど三人で地図と睨めっこしながら方向を定めることになる。迂回路ばかり歩かされてるので、折角熊野古道を歩きに来ているのに、これじゃぁただの山登りだ。

 3:20、迂回路からやっと舗装路にでる。ここは近露に向かうバス停があるのでバス移動とする。もうどうせ予定した行程を歩けてないし熊野古道さえ歩けてないので拘る程のこっちゃない。調度小雨になってきたので渡りに舟だ。

 熊野大社の町も本当に小さかったけど、ここ近露もそれ以上に小さな集落程度の村だった。バスを降りるとすぐ目の前に村の何でも屋があったので、風呂上りに飲むビールを買い込んで予約した月の家へ。外観はネットで見たそのままに大きな提灯が二つ玄関に点っている。だが一歩中に入って気が付いたが、ここんちはもの凄く古い。廊下も階段もギシギシと音を立てて歩くことに。でもお上さんはとても優しく人が良さそうだ。まずはやっぱり風呂だと三人で出かけていくと風呂場は普通の家庭サイズだったのでとても3人が入れる広さはない。とりあえず私とうぶちゃんで湯船に入る人と、外で体を洗う人に別れてそそくさと入る。出たら部屋で待っている吉田さんと交代。ここんちは旅館となっているが、民宿でももっとマシだろな。でも宿の人は親切なのが救い。

 三人で連れ立って先ほどの何でも屋へ。ビールを買ったときに「ここで飲んでくれていいですよ」と言われてたのだ。と言うことで夕飯前に外飲み。店に入ると外国の青年が二人で買い物をしていたので簡単英語で交流。今晩は我々とは別の民宿に泊まっているらしいが、明日はジェイホッパーズ泊まりとのこと。とてもいい宿だったよーと教えたる。初対面の外国人とはいつも同じようなことしか喋らないので困ることはないけど、店の人たちは我々が英語を喋ることに驚いていた。実は簡単なことしか喋ってないんだけどね。

 冷蔵庫から各自飲みたい物を出してツマミも買って店の一角にある座敷でミニ宴会の始まり。店のおばちゃんは座敷にあった石油ストーブを点けてくれた。地元のおっちゃん二人とお喋りしながら店先で飲めるなんて今の時代めったに出来ることじゃないので楽しい。酒屋も兼ねた店なので日本酒もすぐ買うことができるしツマミも何も全部原価で購入だ。貴重な体験ができたので良かった。私が子供の頃はこういう酒屋ばかりだったが(親父のお伴で)、現代でも角打ちと言う名前で僅かながら残っており、ウィキペディアでは「角打ち(かくうち)とは、酒屋の店内において、その酒屋で買った酒を飲むこと。また、それができる酒屋のこと」と定義されている。

 宿に戻って食堂で夕飯。我々のほかにヒゲの若者が一人投宿していた。今日は我々と同じコースを歩いたようだが、若いだけに全て歩き通してやって来たらしい。今晩はもう2度飲んだけど、食事時に何もないのは寂しいので3人で瓶ビールを1本だけ頼む。料理はみんな田舎の素朴な料理だが、手作り感満載で親しみが持てた。大酒飲みの吉田さんは飲み足りないのか、一人でコップ酒を追加し、食後も一人残って酒を飲んでいる。ほんとうに酒飲み。部屋に戻ると布団が敷かれてあり、なんと電気アンカが入っていた。こんな細やかなもてなししてくれる宿は初めて!

 バックパックを詰め直している時にタブレットを開いたら、なんと Wi-Fi 電波を発見する。こんな古い宿なのに Wi-Fi が通っていたのにはビックリだ。きっと外国人が多く泊まるので導入したのだろう。おかみさんにパスワードを聞きに行ったら用意してあった紙をすぐ渡してくれる。

12月7日
 朝飯の後、出発準備を整えたら宿の親父さんがライトバンで熊野古道の案内をしてくれるそうだ。「熊野古道へ来て牛馬王子を見なんだら何しに来たのか分からんで」と言ってるので、そうなんか!?と言うことで甘えることにする。牛馬王子のほか二つの名所を案内してくれて、歩けなかったけど来ることが出来てよかった。ちゃんとそれぞれの場所でスタンプ押しちゃったし。てへ

 1日に数本しかないバスの時間が心配なので、早めにバス停で降ろしてもらってバスを待つ。でもバスに乗って少し走ったら泊まった月の家前まで来てしまった。あのまま宿まで乗せて貰っていれば良かったんだと気づくが知らないと言うのはこんなもんだ。親父さんの親切に感謝。

 田辺市駅前でバスを降りる。駅に入って和歌山への電車時刻をチェックし切符を購入。すぐ隣に田辺観光案内所があって、ここがサンチャゴ巡礼路とタイアップしている所だ。サンチャゴ巡礼で集めたクレデンシャルを広げて「これこれ」とお願いすると、クレデンシャルのスタンプをチラッと見ただけですぐ手続きに入ってくれる。サンチャゴでの巡礼証明書発行はスタンプをしっかりチェックして厳格だけど、こちらは来てくれればそれだけで大歓迎の感じがする。

 申請書を渡され、そこには二つの道の出発地と到着地を記入する欄があった。熊野の方はキセルしてるけど、その説明も面倒なので最初に予定を立てたまんまを記入する。サンチャゴの方の到着地はサンチャゴ・デ・コンポステラ以外ないけど、私の場合出発地は沢山あるので全部書くことにする。サンジャンピエドポー、イルン、フェロール、セビージャ、オビエド、マドリッド、リスボン。こう書かれてもきっと係りのお嬢さんは分からないだろけど。

 と言うことで、無事に二つの道の巡礼者証明書とピンバッチをゲットする。証明書は手漉き和紙に書かれているので嬉しい。ピンバッチは早速帽子にくっつけてみる。おまけに記念写真を撮ってくれるそうなので、こちらからも二人の仲間を入れてお嬢さんと記念写真をパチリ。キセルしたけど当初の目的を果たせたのでこれは満足。ここでもスペインで共通巡礼手帳を披露してきたことを告げ、これからも宣伝するからもっと欲しいと伝えると何冊も貰うことができる。前に貰ったのと合わせると生きてる間に使い切るかな?案内所を後にしてからマリアカードを上げようと思いつき、再び戻って二人のお姉さんにプレゼントする。裏面に書かれているホームページアドレスでサンチャゴ巡礼のことが読めるよと宣伝したけど、どうかな?

 駅の売店でチューハイとつまみを買って電車に乗り込む。みんな酒好きなので至るところで飲んでいる。一度乗り換えがあって和歌山駅へ到着。ここから夜行バスに乗る予定だが、時間が有り余っているので駅前でラーメンを食べて腹ごしらえをしてから市内バスに乗って和歌山城見物に出かける。駅の近くは賑やかだが、少し離れるとそんなに大きな市ではないのが分かった。城の近くはまた賑やかになって、この辺りは官庁街のようだ。大きな城郭で、ここだけはさすが徳川御三家のひとつだ。天守閣は有料だがせっかくなので入ってみよう。400円。

 城の中はどこも同じで甲冑やら武器などが展示してある。三人ともバラバラに見物しているので、ぐるっと回ってから入った出入り口で待っていれば合流するだろうと待ってみたが、いつまでたってもやってこないのでさすがにこれは可笑しいと気づき、外に通じる出口に出たところに二人が待っているのを発見。同時に私を呼び出すアナウンスが城に響く。どうやら入り口とは別に出口があったようで、私はそれに気づかなかったようだ。

 時間もあることだし、帰りは駅まで歩くことにする。やっぱりこの官庁街を通り越すと低い建物ばかりが並ぶ街並みが続き、駅の近くまでやってくると賑やかになった。地元の前橋市とどっこい位か、それより小さい町の感じだ。夜行バスの時間まではまだ5・6時間もあるので、どっかで時間つぶしを考えなくてはならない。ドリンクバーがあるファミレスが希望だが、和歌山には前橋にあるような店は見当たらない。結局、デパートの中に入って飲食店街へ。ファミリー向けのイタリアンにドリンクバーがあったので決定。ドリンクバーとスパゲッティで粘ることにする。でもここも2時間も粘るといい加減飽きてきたので河岸を変えて隣の居酒屋へ移ってまた粘る。デパートは8時に閉めるというので、こんどはバス停の小屋へ移動。予想通り、ここにはエアコンがあったので割りと快適。色んな方面に行くバスが止まるバス停なので、そのつど乗客が入って来て一時は満員になる。小さなバス停だが室内には自販機やトイレまで完備してあるので安心。

 やっと我々の乗る上野行きがやって来る。夜通し走って明日朝の7時に上野京成駅着だからたっぷり寝ることができそうだ。睡眠導入剤を飲んでお休みなさい。
 今回の総括としては熊野古道なめてました。たはは