フィステラ・ムシアの道2  予定に追いつく  Olveiroa

7月3日  日本出発から73日目
 Negreira のアルベルゲ。キッチンんで朝飯を食べて6:55に出発。他のみんなも早い出立にしている。きっと30.5キロ先のオリベイロアを目指すんだろう。昨日に引き続き朝から小雨が続いている。ガリシア州は雨の多い地域なので仕方ないと思いつつも出来れば降らないで貰いたい。前を二人組のご婦人が歩いているが凄く鈍いので道連れにはなりそうもない。一声掛けて追い越したらそのまま。

 森の中でオーストリアのおじさんからカメラで撮ってほしいとお願いされる。もちろんオッケー。でもこの人の注文は少し変わっていた。デジカメのムービーで撮ってと言うのだ。更にその撮り方にも注文があって、「私はそこの角に隠れるので、現れる所から撮ってね」と言っている。シーン1スタート。おじさんが角から現れ、カメラの前に近寄って来て立ち止まったと思ったら「今日は雨で」から始まって長々と喋っている。そしてまた歩いて立ち去ると、まぁこういう凝った演出があった。撮りながらアハハと声を出して笑ってしまった。立ち去ろうとしたところでカメラを止めてしまったら、「あ、私が向こうに行くところまで撮るんだよ」と、歩き出すところから撮りなおしになった。「ごめん、あとで繋いでね」的なことを言ってみる。きっとこの人は道々でこんなことをやってるのかも知れない。ユーチューブにでもアップするのかな?

 ノンストップで歩き続けて、9:35、やっとビラセリオ村に到着。この小さな村には公営アルベルゲが1軒に私営が2軒もある。昨年はアルベルゲの室内、アチコチの床に蟻の行列が這っていたドナティーボの公営に泊まって妙な体験をしたが、今年はこの村は素通りだ。でもここでエネルギー補給をした方がいいので、いつも寄っているバルでプレート料理を頼むことにする。出てきたのはサラダだった!え、ハムとか目玉焼きが載ってないの?と言うことで間違ってオーダーしたことに気が付く。自分のうっかりミスなので大人しく出てきたサラダを頂く。でもこのサラダにはシーチキンや色んな物が載っててボリュームがあるから良かった。パンも別に付いてるしエネルギー補給にはなった。グラスビールを頼んでも合計で7.5ユーロ。

 ビラセリオから暫く歩いた Santa Mariña の道沿いにバルがあるので、そこでもコラカオを飲んで一息入れる。ここのバルも手ごろな間隔にあるので多くの巡礼が寄っていく。店の中にいた巡礼は雨の当たる外にバックパックを置いてるが、それは嫌なので店内にバックパックを持ち込む。日本人顔をした青年がやって来たので「日本人?」と声をかけたがコリアンだった。どうも日本人・コリアンを見分ける力も衰えてきたようだ。すぐ近くにはパン屋も私営アルベルゲもあるので、ここも宿泊候補に入っているがまだ泊まったことがない。

 黙々と歩き続けていくと途中から巡礼路が変更になっていた。記憶に自信がなくなったと言ってもこう極端に変わってしまった道は間違えようがない。昨年までと違って山をまるごと越えさせる巡礼路に。でも上りきってしまえば眺めは抜群だった。これ見させるために変更にしたのかな?もしそうならそんなのいらないのに。

 どこから昨年の道と合流したのか気づかなかったが、いつのまにか見覚えのある道に変わる。ここを真っ直ぐ行った先にビールを飲んだバルがあるんだと思っていたが、記憶よりずっと歩かないとバルは現れなかった。もう4度も歩いているのにまったく記憶が当てにならないので困ったもんだ。

 2:40、Olveiroa のユニークな公営アルベルゲに到着。石造りの建物が道の両側に点在していてその中の一軒はレセプションだ。一人のおじさんが中で待っていたので「チェックインしなくてもベッドは取れるよ」と教えてあげる。おじさんはバカ正直に一人で受付が始まるのを待っていたが、ベッドルームに入ると既に数人の巡礼が入っていた。ここは1階と2階にベッドルームがあるが、2階は隣の家畜小屋の発電機の音が煩いのを学習済みなので1階の下段ベッドを取る。既に4人が入っていて3人はイタリアからの親子らしい。もうひとりはどうも昨日のアルベルゲで飲んでしまったワインの持ち主に似ているので、何だか嫌だなぁ。イタリア人は陽気でフレンドリーだがソロの男は愛想が悪いので益々同じ男に見えてくる。ま、ワインについてはあれでお仕舞いになってるんだからと自分に言い聞かせる。

 少ししたらイタリアの親子3人は何やら相談して出て行ってしまう。どうやら4人だけで泊まれる独立した一軒家に気付いたようだ(写真)。あそこはハンデキャップの巡礼用なんだけど、それ知ってるのかなぁ?フレンドリーで賑やかな家族がいなくなるとこの部屋の空気が一気にどよーんとしそうだ。残ったのは気難しそうなおっさんと私の二人。二階に行けば他の人たちがいる筈だが、それもあからさま過ぎるので移らないでおく。

 シャワー、洗濯したけど天気が悪いのでベッド周りに干して置くが乾くわけない。歩くときに履いている海パンだけでも乾いてくれると助かるんだがな。まぁ乾かなかったら体温で乾かすしかない。ネットの天気予報を見たら明日、明後日とも雨とのこと。がっくし。

 今日、オリベイロアに辿りついたので、これで日本で立ててきた予定とぴったりになった。うまいこと調整することができた。明日と明後日は20キロと14キロほどのショートコース。のんびり歩くことができる。3日後が最後のロングコースで、Fisterra からMUXIAへの29.5キロ。本格的に歩くのもそれが最後になる。上り下りが多い道だけど、そう思って頑張ろう。


フィステラ・ムシアの道3につづく