フィステラ・ムシアの道7  ムシア3日目 Muxia

7月8日  日本出発から78日目
 Muxia の私営アルベルゲ Delfin 2日目、ムシア3日目。もうすっかりリゾート気分。ここのアルベルゲは連泊でも9時から掃除の時間で外に出ていなければならない。12時のチェックインまで3時間の暇つぶし。バックパックは中に置いといていいので、必要な物と貴重品だけ持って外へ。しょぼいナップザックの出番だ。曇りで薄暗く、雨が降りそうなので天気が少し心配。ナップザックにはカッパも入れておく。

 すぐ前の海岸からムシアの顔とも言える三角山を撮ってみる。これはフェイスブック用。明日はバスでサンチャゴへ帰るので、バス乗り場もチェックしておく。日本のような分かりやすいバス停はなくて、ご覧のように路上にBUSと書かれているだけ。昼間はこの上に車が何台も停まっているので、それだとバス乗り場を見ることさえできない。しかもバスの停車用に車道をそこだけ歩道側に引き込んであるので当り前のように一般の車が駐車している。昨日見た時は、バスの時間になっても路上駐車はお構いなしなので、バスは道路の車線を塞いだ状態で乗客を乗せていたし。

 本当にのんびりしていい町だが、実はマフィアの根城があると言う話だ。港町なので海からの密輸入の拠点になっていて、警察署も町外れにありマフィアの襲撃に備えて砦構造をしているそうだ。ボスの情婦が経営しているバルもあって、そこは普通の街角にあった。と、これらは昨年ムシアで仲良くなった日本人のおじさんから聞いた話。一見平和に見えるムシアの町にも裏の顔があるようだ。

 舟の教会へ行くための道は3本あって、今回は真ん中の狭い道を歩くことにする。途中には岩の間に挟まったような小さな教会があって、隣には墓場があるのでお墓の為の教会かな?そこを過ぎてから三角山の頂上へ行ってみる。ここへ登るとムシアの町からフィステラ方面やドゥンブリア方面まで見渡すことができる。見下ろすムシアの町は、まるでお伽話に出てくるような可愛い町だ。山頂には柵も手すりも無いので、今日は風が強いから飛ばされないように注意が必要。足を踏み外したらまっさかさまだ。下に降りてからナップザックに入れてきた缶ビールを飲み、口の中が苦くなったのでファンタも飲む。色々持っているので便利。

 今日は日曜日、舟の教会で12時からミサがある千載一遇のチャンス(週1だから七載一遇だけど)。何度ムシアにやってきても舟の教会が開いていたことがなく、格子のはまった窓から中を覗くばかりだったので、こんなチャンスを逃す手はない。強い海風に寒っと言いながらカッパを着て2時間以上待つことに。

 海岸から少し上の道路を白バイがサイレンを鳴らしながらやってきた(スペインは青バイ)。何台もやってくるので何だろう?暇なので見に行ってみると白バイの後ろから自転車ロードレースの一団がやって来た!500台位走って来たかな。どうやら大きな自転車レースが始まったようだ。昨年はマラソンレースを見られたし、きっと同じコースなのかも知れない。スタート・ゴール地点は海岸沿いのメインストリートだろう。先頭集団はしゃかりきになって走っているが、後方は下り坂の急カーブで転ばないように足を付いていたり、中には降りて転がしている人もいる。何周かするようで、まだ最初の自転車がいる内に二周目の自転車がやって来る。先頭争いをしている人たちは2週目もガンガン走っているが、周回遅れの人たちは完走できればいいやって感じでのんびりしたもんだ。空にはヘリコプターも飛んでいるので、ニュースの取材かな。いい暇つぶしができた。

 時間前になると教会の扉が開かれて中に入ることができる。今まで格子越しで見たとおり、聖堂の中には舟の模型が沢山吊り下げられている。Virgen de la Barca という位だから、航海の守り神なんだろう。中には軍艦まであったので戦時中の物なのか、相当古い模型のようだ。ミサの前には赤ちゃんの洗礼式のおまけを付き。今回の巡礼で洗礼式見たのは二度目になった。家族親戚らしい人たちが前の席に座ったが、女性の出で立ちが凄かった。ホステスでもここまでだろうと言うほどの露出度の高いドレスなので、教会なのにいいんかと思ったほど。ミサに出たのは180名ほどか、殆どが地元の人たちのようで、巡礼の姿は1割ほどだったろうか。

 ミサ後に外に出ると教会前の海岸には沢山の人達が繰り出していた。真ん中の特徴ある岩には言われがあって、7回くぐると腰痛が治るとか何とか。思いきり腰をかがめないと通り抜けられないような低い隙間なので、7回もくぐったらきっと腰痛が再発すると思う。私も入り口を覗いてみたが腰が痛くなりそうなので止めておく。

 アルベルゲに戻ってシャワーと洗濯。朝は天気が悪かったが、お日様が出てきて風も強いので洗濯物もすぐ乾きそうだ。今日は早いうちから何人もの巡礼がチェックインして来た。談話スペースのイスに座って、つまみを肴に缶ビールを飲み始めたら、隣のテーブルにチェコの女の子がやって来たのでお喋り。英語でチェコは「チグレパブレ」と言うんだと教えてくれる。チグレパブレだけ言われたんじゃ何処の国かまったく分からない。ドイツもジャーマニーと言うのが一般的かと思っていたが、実際にはアルマーニュとかアルマニアと言われる方が多かったし、日本の常識が通じない場面が多々ある。

 いつも談話スペースでパソコンを打って仕事をしているママにマリアカードを上げて、持ってても余り使うことがなかったサングラスもプレゼントする。メガネの上から掛けられるサングラスだが、なくても差ほど眩しくないが暑い日には何となく涼しく感じるかなと新しいのを買って持ってきてみた。でもやっぱり掛けると若干煩わしいので余り使うことはなかった。日本に持って帰っても使う場面が思いつかないので、どうせなら上げちゃおうってことにした。お礼を言ってるので「デナーダ(どういたしまして)」と答えたら、デナーダは日本語で何と言うのかと尋ねて来たので教えたる。お返しの積もりなのか、売り物のムシアのマグネットを「好きなのを上げる」と箱ごと持ってきた。一番ムシアらしい舟の教会が写ったのを頂き御礼を言うと、覚えたての日本語で「どういたしまして」と返してくれる。これが言いたかったのかな?

 フェイスブックを開くとクリスがログインしてたのでチャットを申し入れる。ママにタブレットを渡して「何か書いて」とお願いしたら、それを見たクリスはすぐママだと分かった。自分のアカウントなのに何で分かったのかなと不思議だったが、答えはすぐ分かった。ママはハンガリー語で書いていたのだ。なーるほど。

 明日はバスでサンチャゴへ帰る日なのでアルベルゲに張り出されている時刻表をメモしていると、バスチケットはドライバーから直接買えて、8ユーロだとママが教えてくれる。知ってる人には何てことないかも知れないが、こういう情報がもらえるのはとても有り難い。

 午後3時半なので昼兼夕食はバルの定食を食べに行く。2日続けて定食食べている。終わりが見えて来てるので気が緩んでいるようだ。昨日はガリシア風スープと豚ステーキだったので、今日は海鮮スープにメイン料理はイカの良く分からん奴。魚貝は不得手だけど冒険してみることにした。でも魚貝は半信半疑で食べるので、やっぱ止めた方がいいです。スープもメインもおっかなびっくりなので食べた気がしない。デザートはスーパーのアイス。やっぱりね。でも今回はこれが1番美味かった。

 リスボンでお世話になった千春さんからメッセンジャーでムシアの貝殻が欲しいとリクエストがあったので海パンに着替えてビーチへ行ってみる。久しぶりの磯遊びって言うか、波打ち際を貝探しながら歩くだけだけど。顔見知りの巡礼が何人もやって来ていた。みんなビーチが好きなんだな。フィステラと違って小さいのしかないのでちょっとガッカリ。こんまいのを5つだけ拾って帰る。でも生きてる内にこれ渡す機会があるのかな?

貝殻はこんなにこんまいので封筒に入れれば郵送できそうだが千春さんの日本の住所知らないし。

 明日から連泊するサンチャゴのアルベルゲ・メノールにHotels.comから予約を入れる。やっぱり1泊14ユーロと高め設定。まぁ他よりは安いので仕方ない。明朝は6:45のバスに乗るので残り少なくなった睡眠導入剤を飲んで早寝しよう。パッキングは完璧に。


フィステラ・ムシアの道8へつづく