フランス人の道6 名物アルベルゲ 5月15日 歩き22日目 アストルガの巨大アルベルゲ。朝飯にキッチンのレンジを使って昨日の残りの冷凍チャーハンをチンするが、ちっとも柔らかくなってくれない。3回チンしてやっと食べられる状態になる。大人数が泊まっている割にキッチンを使う人は少ないので節約派の私としては好都合。 ![]() ![]() ![]() 11時過ぎにやっと背負っていたコーラを飲む。ときどき寝る前に炭酸系が飲みたくなるので、スーパー行ったついでに買って置くことがあるが、飲まないで済んでしまうとこうやって次ぐ日に余分な荷物を背負う羽目になる。バックパックは少しでも軽いほうがいいので、こんなのを背負う日は持ち運ぶ水の量を少なめに調整している。バックパックの重さはとても大事。 アストルガから20km歩いてラバナルデルカミーノのイギリス人経営のアルベルゲ前に到着。まだ時間は11:55。ボビーはここに泊まると言ってたけど先に出発したボビーの姿は見当たらない。既にバックパックを並べて順番待ちをしている人が二人いるな。ドアの張り紙を見たらオープンにはまだ2時間もあるので、ボビーは次にアルベルゲがあるフォンセバドンまで足を延ばしたかな?ここで待つ時間にフォンセバドンまで行けてしまうので自分もそっちへ行ってしまおう。フォンセバドンには泊まった巡礼全員でご飯を作って食べるという名物アルベルゲがあるので、だったらそっちの方が魅力的だ。 ラバナルは峠にある鉄の十字架へ上るための入り口の村なので、ここからは坂も幾らかきつくなる。元気いっぱいなので両手のスティックを使いぐいぐい体を押し上げる。1時間でフォンセバドン到着。件のアルベルゲが分からず村を通り越してしまったので後戻りする。ホントに小さい村。良く見るとアルベルゲは通りに面した分かりやすい建物だった。相変わらず知らないとこんなもんだ。オープンまでにはまだ30分あるので、二人の男が開くのを待っていた。時間になったらちゃんと鍵を持ったおっちゃんがやって来てチェックインさせてくれる。おっちゃんはプレスでやったのか、片手が親指と人差し指しかないが器用にペンを使っていた。ここは2食付いてドナティーボ。前の人が10ユーロ札を入れたので自分も同じだけ入れてみる。ドナティーボで食べさせてくれるアルベルゲは大体スープとか大した物は出ないけど食べさせてくれるだけでありがたい。それに、みんなで一緒に食べると一気に仲良くなれるおまけが付いている。 ![]() フォンセバドンは以前は打ち捨てられて廃墟だった村だ。3年前にやって来たときは、本降りだったこともあり、メインストリートには泥流が勢いよく流れ確かに廃村臭かったが、今回やってきたらメインストリートが舗装されてたので驚いた。でもここのアルベルゲの辺りはまだこれからだな。雨の日は泥流ゴーゴーだろう。それでもバルやアルベルゲはずっと増えていたし、もう廃村ではなくなった。 おっちゃんに店があるかと聞いたら、近くにバル・アルベルゲ・ティエンダを兼ねた多角経営の店があるそうなので行ってくる。夕朝は食べさせて貰えることだし、ここでは1リットルビール1.5ユーロだけ買って帰る。日本から持ってきた最後の柿の種ワサビ味を肴に飲み出し、受付テーブルにいるおっちゃんにも一杯飲ませたる。半端な時間なので昼飯は持ち歩いているビスケットを食べてしのぐ。ビスケット買っておいて良かった。美味いし腹の足しにもなるし。 食堂には電気ストーブが点けっぱなしになっているので具合がいい。5月半ばで太陽は降り注いでいるが山の上なので家の中は寒い。今日は到着が3番目で泊り客は少ないのかなと思っていたが、あとから続々と集まり出してベッドが満床(18)になると奥のカーペットの部屋にマットレスを敷きだした。それも入れると結構な人数が泊まれるようだ。でも夕食を食べるための椅子が26脚しかないので、それだけ埋まったらコンプリートの札が張り出された。やっぱり名物アルベルゲとして名が通っているのかな。 イタリアのめがねちゃんとイレーネもやって来て隣のベッドに納まったので一緒に記念写真を撮らせてもらう。私の上段ベッドにはアルゼンチン女性が入ったので「私のスペイン語の先生はアルヘンティーナだよ」と片言スペイン語でちょっとお喋りができるが手持ちのスペイン語は簡単に使い終わってしまうのが情けない。 ![]() ![]() ![]() 隣の韓国人夫婦の奥さんが、主人は73歳なんですよと発表している。それも何度も。旦那はそのつど慌てて訂正しようとしているのが分かる。何を訂正しようとしてるのか、旦那が言うことには「韓国は日本と違って生まれるとすぐ1歳とカウントするので日本的には72歳だ」だそうだ。とても73歳とは見えない旦那で、周りのみんなも「エーっ」と反応しているのが面白かった。周りからしてみれば72も73も大して変わらないだろうが、旦那にしてみれば大きな問題なのかも知れない。 フランス人の道7へつづく |