フランス人の道13 サリア到達 5月22日 歩き29日目 のんびりと7時ころに起きる。小林さんは今朝も早起きして6時ころに出発していった。真っ暗な道を1時間だよ、怖くないのかね。狭いキッチンで立ったまま朝飯にする。ヨーグルト2、チョコパンにチーズ。それとキッチンに備えてあったインスタントコーヒーも頂く。 今日はサモア泊まりのショートコースの積もりなので遅めの8時に出発する。雨は上がっているが曇り空だ。トラバレロの村外れから道は二つに分かれる。3年前は山越えルートだったので、今回はサモア修道院を回るコース。サモアコースは距離は長いけど両方歩けて満足だ。多くの巡礼は距離の短い山越えルートを行くが、どっかの夫婦が同じサモアコースを選んで私の後ろに続いた。最初のうちは川に沿った平坦で歩きやすい道が続く。ずっと山の中なんだからそんな道がずっと続く訳もなく、やがて山道に。 10:10、上ったり下ったり山の中を歩き続けていると、修道院は山の開けた隙間から忽然と姿を現したのでちょっと感動的。ここに泊まることも考えたけど、やっぱり時間が早いのでサリア方面を目指すことにする。チェックイン時間が遅いので、あんまり待つのも嫌だったし。まだボルタレン塗って痛み止め飲んでるけど足の調子が上向いてるので歩ける。 修道院でスタンプを押して貰い、寄付で0.2ユーロコインを皿の中に入れてみる。ちょっぴりだけどスタンプだけなんだからいいだろう。皿の中には同じような小さいコインが沢山入ってるし。 この先、暫く村はないようなので、ここサモアの村でエネルギー補給をしておきたい。修道院は村はずれにあるので、村方向に戻って行くと数人の巡礼がやって来た。へー、思ったよりこっちのルートを選ぶ人がいるんだな。同じ方向に行くので歩いていると会わないけど立ち止まると会う機会は増える。 角のバルに入ってコラカオ1.2ユーロを頼んで手持ちのパンを食べさせて貰う。Wi-Fi もあるのでのんびりと20分も居座る。ネットを開いたらすぐチャットが入った。ボランティアしている国際交流協会で事務をしていたNさん。私がスペインに来ていることを知らなかった。すぐ音声通話にしてビデオにも切り替えてスペインの風景を見せたら喜んでくれる。フェイスブックでも繋がっているので、これから見てくれるそうだ。良い気晴らしができた。 サモア以降はずっと山道になる。上り下りが続くが足の状態がいいのでへっちゃらだ。痛くなってからでは遅いので、朝、少し痛いようなら痛み止めを飲むようにしている。今日は結構な距離をがしがし歩いているが、これで明日何もなければかなり回復していることになる。果たしてどうか? サリア到着が2時半の予測なので、公営アルベルゲはコンプリートになってる可能性が高い。だめなら次に公営がある村まで4kmを歩き、そこもだめなら仕方ないので私営アルベルゲに泊まろう。ちったぁ余計に歩いても安い方がいい。ずっと歩き続けて村に入ったらそこが山越えルートとの合流地点だった。とたんに巡礼の波にのまれる。 サリアはそこそこ大きな町でサンチャゴまで114km。徒歩でこっから歩けば巡礼証明書が発行される町だ。なのでここから巡礼の数は倍になる。ここまでも相当な人数だったのに、ここからは倍!!うぇ。 最初に来たときは公営アルベルゲの場所が分からず迷い狂ったが、今回は一直線。アルベルゲ入り口にはコンプリートの札が掲げられてないのでまだ大丈夫のようだ。受付のおばちゃんはフレンドリーだった。こっちも嬉しくなって3年前にも泊まったんだよと言ってみる。下段ベッドをお願いする前に「下段ベッドがいいでしょ!?」と親切に言われて、B23を確保できる。予想に反してまだ到着が早めだったようだ。ありがたや。シャワーしながら洗濯もして、今日も最後に冷たい水で脛を冷やしてみる。相変わらず歩いた後は腫れ上がっているので油断は出来ないようだ。明日はどうかな? 少し離れたスーパーFROIZへ買い物に行く。トマト、バケツ野菜、1リットルビールに小さなパンの袋詰め、ヨーグルト4にファンタで5.89ユーロ。現金温存のためカードで支払い。キッチンには何もないだろうと思ったが、コップはあったのでラッパ飲みは避けられる。1リットルの大瓶でラッパ飲みしてるとアル中みたいで嫌なのだ。プラスプーンとフォークが幾つも未使用であったので、前の巡礼が買って置いてったのだろう。飲み食いしながらボルタレンをすり込む。今日も幸せだ。 食べ終わって隣の部屋に食器を洗いに行って戻ったら、テーブルに出しておいたレジ袋が2つ消えている。え?ちょんの間なのにどこへ行ったのだろうと近くを見渡したら隅の椅子の上に袋が載っていたので中を見たら自分のだ。テーブルにはコリアの子供二人が何かしているので、この子達の母親が勝手に動かしたのかなと想像する。空いているテーブルは他に幾つもあるのに、なんで人の物を無断で動かすかなと呆れ、一気にコリアンに対する印象が悪くなった。どんな顔をしてるんだろうと後で見に行ったらオバサンでなくオジサンだった。 ベッドルームに戻ると回りにはフィリピンのグループ3人が入っていた。最初から笑顔いっぱいでフレンドリーの人たちなので、自分の教会にはフィリピンの人たちがいっぱい居て、ミサの時にはギター伴奏でコーラスしていると何となく言ってみると何となく伝わってはいるらしい。自分たちもカトリックだと言ってるが、実はこの3人はフィリピンの神父グループだと数日後に知ることになる。そりゃカトリックの筈だよ。 サリアの外れまで散歩がてら行って見る。バックパックを背負ってなければ何てことなく歩ける。バックパックの配達サービスを利用すれば脛が簡単に治るかなーとも思ったが、面倒なので止めておく。狭い通りにも私営のアルベルゲがそこかしこにあるけどシーズンになるとみんな埋まるのかなぁ?町を見下ろす高台まで到達したところで戻ることにする。 フランス人の道14へつづく |