マドリッドの道1   日本出発

2018年4月22日
 3年前からサンチャゴ巡礼の道を歩き始めて、往復の飛行機代は同じだしスペイン内での生活費は物価が安いこともあって大したことないのでスペインにやってきたらシェンゲン協定内で目いっぱい滞在するようになった。そんなこんなで1回やってくると複数の道を歩くもんだからイベリア半島内では毎年マイナー度がどんどん増して今年はマドリッドの道(Camino Madrid)を歩くことにした。どのくらいマイナーかと言うとこれから分かってくると思います。地図は3年間で歩いた道ですが、それぞれみんな特徴があって面白いです。

 他にも歩いてない道がイベリア半島内にはいくつもあるのだが、これ以上マイナーな道にはアルベルゲ情報もないし、たぶんアルベルゲ自体ないのではないかと思われる。マドリッドの道のアルベルゲ情報も若干心もとないし、アルベルゲのない区間も幾つかあるようだ。まぁ行けば何とかなるのは想像できるので、今回もなんとかなるだろうと思う(ようにした)。

 今回もゴールデンウィークを避けて、その前の4月22日に成田を出発する航空券をゲット。少しでも安いチケットを買いたいので、頻繁にネットでチェックするのだが、ユーロが高いのか燃油が高いのか、昨年みたいに安いチケットが見つからない。仕方ないのでその中で一番安いチケットを購入。マドリッド往復で85,000円ほど。昨年より3万円も高くなってしまった。でも一般的にはこれでもずっと安い方だろう。もちろん途中で乗り換えあり。

 夕方の便なので時間はたっぷりあるから気楽だ。前橋から高崎駅で上野・熱海行きに乗り換えて1,940円。上野不忍口から少し歩いた京成駅で特急成田1,300円。特急と名が付いてるが特急料金は掛からず、掛かるのは別の電車のスカイライナーだけだ。間違ってスカイライナーに乗らないようにしよう。成田空港駅は第2(3も一緒)、第1ターミナルの順に止まり、利用するカタール航空は第2ターミナル。カタール利用はこれで2度目だが全部忘れている。

 ずっと先の話だが、帰ってくるのが夜になるので、今回は成田のウェイティングエリアと言うところで夜明かしして帰る作戦を立てている。その下見でウェイティングエリアを見に行ってみる。棟続きかと思ったが第2ターミナルから一旦外に出て、外の連絡通路を歩いた途中に独立した平屋の建物だった。中に入ってみると既に数人がごろごろしていた。ネットで見たとおり畳のスペースもあり自販機もトイレもある。こりゃいいやとほくそ笑む。

※お役立ち情報
 成田空港ウェイティングエリア。警官(ガードマンかな)が頻繁に巡回に来るので安全だしトイレも自販機も完備、もちろんエアコンも。早朝出発や夜中帰国の人にお勧めです。

 日本最後の食事は第2ターミナルに出店している吉野家で牛カルビ生姜焼き定食Mサイズ650円。これから3ヶ月近く日本食とはおさらばだ。そうこうしている内にカタールのチェックインが始まったようだ。じゃぁその前に近くのベンチで友達のうぶちゃんが餞別にくれた八海山ワンカップを柿ピー肴に飲み干してから列に並ぶ。往復4回乗る飛行機のシートは既にゲット済みなので急いで並ぶ必要ないのが気楽。後ろに並んでいる日本のご婦人二人とお喋りしてみると、エーゲ海クルーズ10日間だそうだ。聞きもしないのに「ツアーじゃないんですよ」と強調している。私がビーサン姿なので旅なれた人と思ったそうだ。それでツアーじゃないと強調したのかな、プチ対抗心?

 チェックインカウンターでは旅行期間が余りに長いので、受付のお姉さんは今年1月に行ったポルトガルツアーの日数と合わせて計算してるようだ。昨年はシェンゲン協定ぴったりの90日間にしたが、今年は2・3日の余裕を持たせて日程を組んでいるので心配後無用と言ったら安心したようだ。去年もエティハド航空のチェックインで同じことを言われたので、日数オーバーの乗客を乗せると航空会社にも何かペナルティーがあるのかな?

 飛行機はほぼ予定通りに飛行して9時半ドーハ着。9時半ってどこの9時半なのかさっぱり分からない。ここでなんと10時間半の待ち時間!!ドーハでは長時間の乗り継ぎ客には無料でドーハツアーが用意されているのだが、私の出発時間を考えると危険なのでひたすら空港で待つことにする。そんだけ待ち時間があると出発ゲートも発表されないし、カウンターで聞いてもまだ分からないそうだ。ま、安いチケットなので仕方なかろう。考えようによっちゃマドリッド往復で15万円の航空券を買う人だっている訳だから、それと比べたら6万円も安いチケットだ。10時間待つのを時間給に換算したら1時間3,000円か、大した自給じゃないかと負け惜しみで考えてみる。

 ウロチョロしてる所に黒人の係員がやって来たので待ち時間が長くてねー的なことを言ったら「スリーピング」と言って寝られる部屋を教えてくれる。すりガラスの大きな部屋で、中は薄暗くてとても静か。モスリムの国なので男女別々の部屋になっているようだ。横になれる長イスが沢山並べられているので座ってみる。これなら目覚まし掛けて寝られそうだ。しかし一眠りしたところで大声の出発案内アナウンスで起こされる。これが約15分置きにあるからたまったものではない、熟睡は無理だ。そりゃそうだよな、寝過ごして乗り継ぎの飛行機に乗れなかったら大問題だもんな。

※お役立ち情報
 ドーハ空港には全てのゲートにこのクワイエットルームなる仮眠室があるようです。人間工学に基づいた(想像です)長椅子があって横になるには最適です。ただアナウンスがなぁ、、、

 何か食べたいけど、どこも空港値段でお高くなってます。野菜ジュース大とジャムが入ったクロワッサンで1,300円を食べてみる。たまらんね、日本のコンビニなら300円くらいかな。

 気になるから早めにチェックインカウンターを確認しときたいのでインフォメーションに行ってみると、このチケットはバージョンアップが必要とか言ってるようだ。何のこっちゃ!?メモを書いてもらって、離れた別の受付に行ったところ、係りの女性は電話で連絡してくれてチケットは何もしなくていいそうだ。メモには「まだゲートは発表されない。12:30になったらスクリーンで表示される」ような事が書いてあった(ようだ。英語片言)。

 何とか10時間半の待ち時間をやり過ごして14:20発のマドリッド行きに乗り込む。14:20っていつの14:20なんだろう?ドーハ時間か。エア300の新型機で綺麗だしシート幅も広い。モニターのレスポンスも早くてストレスれす。最高だったのが窓側3席を独り占め!!何度も飛行機乗ってるけど初めての幸運だ。前の席も3列誰も座っていないので赤字フライト!?滅多にない幸運をカメラに収めていたら、CAさんが撮ってくれるという。どこの田舎者かと思ったことだろう。御覧のように後ろの席までガラガラです。食事も美味くて、食べたらすぐ横になって5時間くらい熟睡した。目覚めたら軽食の用意が始まってたので驚いた、良く寝たんだなー。

 スペイン時間夜の9時10にマドリッド・バラハス空港到着。時計をスペイン時間に直す。乗り継ぎ待ち時間含めて27時間くらいかかったかな。丸一日以上だ。マドリッド空港では外国からの便はターミナル4sに到着し、エレベーターで地階へ降りて無人トラムを乗り継いでターミナル4へ移動。また上階に上がってやっとパスポートコントロールに辿り着くことができると言う少々分かりづらい空港だ。毎回心配の種のバックパックも無事に届いていたので一安心。

 ドーハに続いて今度はここで夜明かしだ。ネットで得た情報に従って2階のマックへ移動。ここは24時間オープンしているので夜明かしには持って来い。腹ごしらえにツナサラダとコーラで7.5ユーロ。マックは空港内でも普通の値段で商売しているらしい。他の店を覗いたら、もろ空港値段なのでマック大盛況。がんばれマック。

※お役立ち情報
 2階の出発エリアにあるマック。夜明かし可能です。トイレもマックの隣にあります。

 誰しも考えることは同じで、店内には夜明かししようとするのが丸出しの客が沢山いる。中にはスーツケースを無造作に置いたままソファで熟睡している人たちまで居る。たいした度胸だなおい。そうかと思うと一人の女の子は長時間同じところにいないで、時々席を移りながら時間をつぶしているようだ。一箇所にいる方が危険を感じるんだろう、やっぱり女性の一人旅は男より神経を使うんだろな。ヒゲボーボーの青年が店内を物乞いして歩いているようだ。なんで空港で?しかも店の中にまで入ってくるんだなとちょっと驚いた。こういうのが居るんじゃ女の子も気を使うわな。

 朝の5時半になったら旨い具合にデサジュノ(朝食)サービスが大きな写真掲示と共に始まった。まさしく渡りに船!目玉焼きとハム・チーズバーガーに大きなカフェコンレチェをゲットする。値段も3.85ユーロと良心的。暖かいし腹ペコだったので生き返る感じがする。2人前食べたいようだ。これはきっとサービス価格、がんばれマック。

 おっと、一日1記事のつもりがいつの間にか日にちが代わっていた。て言うか、ドーハで既に23日になっていたので、これはもう24日朝の出来事だ。という事で続きはマドリッドの道2へつづく。