マドリッドの道4  山の中のオスタル

4月26日 歩き3日目
 Gran Hostal El Chiscon。7時半に1階のバルで朝食。ずっと部屋にいたので見かけなかったが、昨晩は30名くらいの宿泊客がいたようだ。私には分不相応な立派なオスタルだが、泊り客の風体を観察すると、ここはビジネスホテル位の位置づけらしい。朝食は充実していたのでたんまり食べて歩くエネルギーをチャージする。山登りの格好をしたグループがいたので、巡礼かと期待して尋ねるもただのハイキングらしい。やっぱり今日も一人歩きか。おやつ用にカステラパンを1個いただいてみる。

 親切な受付の女性にマリアカードの裏に印刷してある自分のサイトを紹介すると、カウンターの中に招き入れられてパソコンで出してと頼まれる。世界のどこに居てもキーワードで検索すると即座に自分のサイトが出るのは素晴らしい。日本に行くのが夢だとか。マリアカードは今日が誕生日なので凄く嬉しいと喜んでくれる。巡礼者を応援してくれてる気持ちが伝わるセニョーラです。

 今日もショートコースなので、ゆっくりと8時過ぎに出発のためレセプションに鍵を返しに行ったら、親切なセニョーラに今晩の宿を予約してあるのかと聞かれる。アルベルゲが希望だと答えると即座に電話してくれたが出てくれない。ま、今の時間ならそうだろね。次にオスタルに電話。ゴ59ユーロだそうだ!エクシペンシブしか言葉が出ない。すぐ次へ電話してくれる。今度は15ユーロなので即決。ネットで紹介していたオスタルだった。オスタルなのに安いし、これで今晩の宿は安心だ。

 ここのオスタルは巡礼路から外れているので、セニョーラに教えてもらった通りに歩いて行くと黄色い矢印を発見、簡単に巡礼路に復帰できる。自然の道がずっと続き、窪地になった道がずっと続くので、雨の日には川になりそうな道だった。ここは本降りの日には歩けないんじゃないのかな?天気が良くて助かった。

 ずっと山道と丘越えが続き、まだ体が慣れてないので上ったり下ったり疲れる。目的のManzanares el Realの町へは長い橋を渡って入って行く。じゃぁそろそろ予約したオスタルがあるのかなと気を良くするが、巡礼路は町へは入らずに郊外へ続いていき頼みの町からは離れてしまった。

 町外れのラウンドアバウトで矢印を見失う。相変わらずGPSが当てにならないので誰か来るのをじっと待つことしばし、赤い車がやってきたので止まってもらい尋ねると、この男性は良く知っていて私のタブレット地図で現在地まで教えてくれる。現在地さえ分かれば目的のオスタルは印が付けてあるのでドンと来いだ。グラシアスとお礼を言うと車は走り出したが、すぐ止まって「サンチャゴ巡礼?」と聞いてきて、頑張ってと応援してくれたようだった。

 この後からやっとGPS電波をキャッチし出したので、電源を入れたままタブレット片手に歩き続けることにする。電源を切るとまた電波をキャッチするのに暫く掛かりそうなので。

 目的のオスタルは町からは外れてるんだなと思ったが、岩山を越えたまったくの隣村だった。到着してみたら周りには店の一軒もない山の中。何でこんなへんぴな所にオスタルがあるんだろうな環境だ。当然、今晩の客は私一人だろう。たどり着いたオスタルの門には鍵が掛かっていて中に入ることができなかった。入り口には電話番号が書かれているので、犬の散歩にやってきたロンゲの村人を捕まえて電話してもらおうとアレコレやっていたらそこへオーナー夫婦が車で到着。料金は予約したとおり15ユーロなので一安心。昨日が35ユーロ(最初は38と言われたが支払いになったら値下げされてた)だったし、ここんちはネットの紹介では25ユーロだったので15ユーロはちょっと心配してた。オスタルはアルベルゲやドミトリーと違って、基本一部屋なので15ユーロは格安。シーズンオフだからかな?

 夕飯が8ユーロで朝食は2.5ユーロとのこと。周りには何もないので両方お願いする。7時から夕飯だそうなので、その前にビールを一杯飲ませてもらう。2ユーロ。併設の大きなレストランもあるので、ここはシーズンになると観光地になるのかも知れないな。それともハイカーの基地とか。

 部屋にはトイレ、シャワーはないけど泊り客は自分だけなので気楽。部屋の鍵はもとより、ドアは開けっ放しにしといても気にならないほど。シャワー室には大きな石鹸ボトルがあったので、ジャージのズボンまで洗濯してみる。アルベルゲには必ずある物干し場はないのでハンガーを使って部屋干し。乾くかなぁ?

 夕飯の一皿目はスープ。良く利用していたインスタントスープにスパゲッティの細切れが入ったのと同じタイプだ。二皿目は薄いステーキとジャガイモをソテーしたもの。とてもショッパイけど完食。ビールと味のないパンと食後にアイスクリーム。最後にコーヒーかテ(お茶)と聞かれるが、コーヒーを飲むと寝られないたちなのでそれはノーグラシアス。ビールも付いて8ユーロなら格安だろう。

 今日は到着してみてよくよく考えたら、ここって巡礼路から2キロ外れてた。オーナーに尋ねても、来たときと同じ道を戻らなくてはならないようだ。なので明日は元の巡礼路に復帰するために、またあの山坂を戻らなくてはならない。こんなん初めてだがマイナーな道なので予想外のことが色々あります。明日は明日の風が吹くな気持ちでないとやってらんない。


マドリッドの道5へつづく