マドリッドの道12    ワンパターンの食事

5月4日 歩き11日目
 7時を過ぎたので部屋の明かりを点けてみんなで行動開始。ジャンマリーがスペイン語で大きなイビキのことを「ムチョルイゴ」と教えてくれる。クリスチアンは相変わらず毎晩いびきをかいているのでジャンマリーも困っているらしい。二人は一緒にフランスから旅立ったかと思っていたが、ソロ同士が出会って一緒に歩いているだけらしい。イビキも行きがかり上仕方なく付いてきたってことのようだ。ジャンマリーはフランス人の道と合流するサアグンで今年は終わりにして、クリスチアンはサンチャゴまで歩くようだ。

 オーストリア女性は一足先に7時に出発して行ったが我々は少し遅れて7時半に出発する。フランス組は私達より歩くのが遅いので、今日もボビーと一緒に歩くことになった。ボビーによるとオーストリア女性はマドリッドからサンチャゴまで26日間で歩いてしまうそうだ。毎日30キロを歩き通すスーパーお嬢さん。のんびり歩く我々とはもう会う事はないだろう。

 この辺りから道標のデザインが変わったので、知らないうちに州をまたいだのかな?気が付かなかった。鉄錆みたいで余り気が効いたデザインじゃないな。

 今日のボビーはまぁ休むことをしない。昨日は中間にCOCAの町があってバルにも寄れたが、今日は途中に村も何もない行程だったのでひたすら歩き通すことになった。そのお陰で12時ころにはAlcazaren の村に到着できる。

 ボビーのガイドブックが良くできていて、アルベルゲとは別方向になっているが受付場所になっている Bar Real に直行してチェックイン。スタンプとアルベルゲの鍵二つを貸し出してもらう。料金はドナティーボ(寄付)だったので5ユーロを入れる。最後の50ユーロ札を崩したのでホントにキャッシングしないと危険だ。次の宿泊地にアルベルゲが確認できてれば余裕で2日間は賄えるが、仕方なくオスタルに泊まったりするといっぺんに30、40ユーロが飛んでく可能性がある。安いオスタルがなかった場合、ホテルなんかに泊まった日にゃ今の現金では足らなくなってしまうだろう。マンガじゃないんだから足りない分は皿洗いでなんて不可能。

 アルベルゲはバルからは500mほど離れていた。こじんまりとしたアルベルゲで2段ベッドが4台にシャワーとトイレが一緒になったのが1部屋。洗面台の裸電球は壁からコードがブランと垂れ下がっているビックリ仕様だった。穴に突っ込まれている棒は何のためなんかなと気になった。面白いので写真に撮っておく。でもお湯の出はいいので文句なし。ここのトイレには便座がなかった。これもスペインあるあるだ。キッチンは玄関を入ったところに狭いのがあってガラスの皿が1枚とプラの皿が1枚だけポツンと置かれている。レンジと冷蔵庫はあるので、そこんとこはまずまずだ。

 ティエンダで買い込んだ食糧で昼夜兼用の食事を作る。カット野菜、トマト、チーズ、チョリソーに甘いパン。いつものように1リットルビールにコーラ、ヨーグルトと大量に買っても6.63ユーロと格安なのが嬉しい。ガラスの皿に盛り付けたがフォーク・スプーンはないので日本から持参の割り箸の出番だ。でも割り箸って洗ってしまっておくと先端はカビるのが分かった。いつもは使い捨てだもんね。古くなって割引になった野菜を値段に釣られて買ってきたが美味くない。日本みたいに問題なく食べられる段階で割引にするのではないのかな?もう買わないようにしよう。この狭いキッチンには座るための椅子がなかったのでベッドルームから1台持ってきて食べることにする。

 ボビーも買ってきた食糧でボカディージョを作って食べだした。ボビーはいつも野菜をふんだんに取り入れた食事をしているので健康に気を使っているようだ。それにしてもボビーの食事はワンパターン過ぎる気がしてきた。まぁ私も似たようなものだが、そう言えばイギリスって国は世界に名だたる不味い食事をする国だと言うのを思い出した。だからワンパターンの食事も気にならないのか?

 スーパーには色んな缶詰が売られているので食事のバリエーションを広げたいのだが、どうやって食べればいいのかが分からないので挑戦しないでいる。前にムール貝の缶詰を買ったことがあるが、あれも不味かったしなー。イワシのオイル漬けを貰って食べたこともあったが、あれも美味くなかった。ボビーはこの通り同じものばっか食べてるし、フランス組は滅多にアルベルゲの中では食べないので参考にならない。誰か変わった食事をして見せてくれないかな。

 食べながらボビーが明日のアルベルゲもここと同じく2段ベッドが4台しかないので、早く到着してベッドをゲットしようと言っている。それが頭にあるので休まずに歩くのかな!?

 少し遅れてフランス組も到着してきた。アルベルゲは手ごろな距離にポツンとあるので、多くの場合は同じメンバーが同じアルベルゲを渡り歩くことになる。次のアルベルゲを目指す場合は、そこから15キロ20キロ歩かないとないので、一日に40キロ前後を歩ける元気な人でない限り距離が短くても妥協して泊まるのが吉だ。フランス人の道だけは短い距離に公営私営のアルベルゲがわんさかあるので自由気ままに歩く距離を決めることができるが、そんな贅沢ことができるのはフランス人の道だけだろう。

 昨日のメール「支払方法に問題があるので電話して」がどうも気になって仕方がない。支払い方法と言ったって、仲介業者のHotels.comには既にカードで支払っている気がするのでオスタルで二重に支払うのも嫌だし、連絡しないでいたら予約を一方的にキャンセルされるのも困るので、取りあえずHotels.comにメールを出すことにする。だって支払いに関してはHotels.comが一括して取り扱っている筈だから私がどうこうするレベルの問題ではないだろう。どんな回答がくるかな?


マドリッドの道13へつづく