マドリッドの道13 現金ゲットだぜ 5月5日 歩き12日目 今日は子供の日だ。スペインじゃ関係ないけど。スペイン語の先生マルセラの誕生日一度聞いたら忘れない。朝7時に起床、ヨーグルトを2個食べて7:40にスタートする。 ボビーと歩いているとすれ違った車のセニョールが何か言っている。そしたら車をUターンさせて乗れと言っているようだ。なんでかな?セニョールは英語が話せるようでボビーが言うことには、この先の川が増水して橋が沈没してる場所があるから、乗せてくれるそうだ。車に乗るのはルールに反するが、ここで自分だけ頑なになるのも良くないので一緒に乗せてもらうことに。川はすぐ近くにあって、ホントに橋は沈下していた。歩きだと膝まで沈んでしまうだろう。まぁ歩いて越せないほどではないが親切な人に感謝だ。一緒に写真を撮らせてもらう。 11:15、Valdes tillasのバルでやっと休憩。コラカオ1.2ユーロ。ここで青年巡礼二人組と出会った。今晩はシマンカスのオスタルを予約しているそうだ。若いだけにとても歩くのが早い。 その後2時間歩き続けて13:30、Puente Dueroのアルベルゲに到着。このアルベルゲもとてもユニーク。木造平屋でベッドルームは2段が2台ずつの二部屋。狭くて居心地良さそう。ボビーと一部屋に入って鼾のうるさいフランス組は別の部屋に入ってもらおう作戦。この建物、良く見ると基礎はなくてブロックの上にちょこんと乗っている感じだ。どっかから持ってきてそのままポンと置いたようで日本のように台風でも来たらズズズッと動いてしまいそう。。 ポニーテールのオスピタレロは6ヶ国語が話せるマルチリンガル。私以外の誰とでもネイティブ並みに話すことができるようだ。フランス国内からのカミーノを何度も歩いているらしい。私も泊まったことのあるリゴンデでもボランティアを10日間やったことがあるそうだ。コミックの「宇宙兄弟」に出てくる紫さんに感じがそっくり。 銀行の位置を教えてもらって、まずはキャッシングしに出かける。村と町の中間くらいの小さな町だがアルベルゲは町の外れにあるようだ。太鼓橋を渡って町の中心に向かう。途中、表で酒盛りしてる地元の人たちに聞いたら面白がって色々教えてくれるがスペイン語なので殆ど分からない。でも銀行はすぐ近くでティエンダはあの赤い車の所だと少し離れた店を教えてくれる。スペインでは話しかけると大体親切に教えてもらえる。銀行ATMで無事に300ユーロゲットすることに成功。十分な金額を持っていると安心でき気も大きくなる。帰りにパン屋でエンパナダにパン、1リットルビールで3ユーロと少し。スペインには酒販売の免許なんか関係ないらしく、どこでもビールを売っているので非常に便利。太鼓橋の上まで戻ってくると橋の向こうでアルベルゲを探してウロチョロしているフランス組を発見する。同時に向こうも私を発見して喜んでいる。一緒にアルベルゲへ。 シャワーしてから靴下を洗面所で洗濯してたらオスピタレロから注意されてしまった。教わったとおり外に出ると、そこにちゃんと洗濯用のシンクがあった。物干し用のロープに洗ったのを下げたら一人宴会の始まりだが、キッチンにオスピタレロとフランス組がいるのでビールを勧めない訳には行かなかろう。ひきつった顔でいっぱいずつ飲ませたる。今回のエンパナダは柔らかくてとても美味く、今までのエンパナダの概念を覆すかのようだ。かと思うと遺跡から発掘されたような硬いエンパナダを掴ませられる時もあるので、保存が利くエンパナダは当たり外れが激しい。 フランス組に増水して沈下した橋の所はどうしたんだと聞いたら、ズボンの裾を膝までまくり上げて渡ったそうだ。ボビーと二人で、我々は親切な人が車に乗せてくれたと自慢する。それが悔しいのか「車に乗るなんてずるい」と言うようなことを言っていたな。 昨日のチーズとチョリソーの残りがどこにもないことに気づく。今朝のアルベルゲに忘れてきたのだと思い出して、やっちまった感に包まれる。くそっ。キッチンの狭いテーブルに置いといたところに後からやって来たフランスの夫婦が大量に食べ物を並べたので紛れてしまったようだ。日本から持ってきた装備品は滅多に忘れないが、旅先で追加した食料なんかは記憶に刻まれないので忘れることがありそう。 一眠りして起きたらキッチンでみんながビール片手にお喋りに花を咲かせていた。自分もテーブルについたらビールを勧められる。珍しく1リットルビールが2本も立っていた。もう1杯飲みたいところだが、自分のじゃないから遠慮しておく。 夕方になって4人でバルに行くことになった。出かける時にボビーが先ほどの1リットルビールの空き瓶を2本抱えて歩き出し、通りにあったゴミ箱に捨てていた。顔はタコ入道みたいだがキメの細かい男のようだ。私は自分が飲んだ瓶さえ外まで捨てに行くと言う発想がなかったよ。 いつもは夕飯は食べないがみんなが行くと言うので付き合うことにする。少し離れた所にバルが数件あるので、みんなでブラブラ歩きで行ってみる。昼間、道を尋ねた連中はもう通りにはいなかったので少し残念な気がした。いれば「オー、ハポネスまた来たのか」と言ってもらえる気がしてたので。 バルのセニョーラは日本語のTシャツを着ていたのでテンションが上がる。「可愛い」の意味が英語では書かれているがスペイン語での意味を教えてあげる。まぁどうせ知ってるだろうけど。フランス組はちゃんとした定食、ボビーはノンアルコールビールを2本だけ。私は食べなくても良かったが野菜サラダとビールで7.2ユーロ。キャッシングしたてで金を持ってるので注文もいつもより強気だ。 マドリッドの道14へつづく |