ポルトガルの道21 最優良巡礼路 Vila do Conde 6月18日 日本出発から58日目 魔女の住み家みたいなポルトのアルベルゲ。キッチンでインスタントスープにカット野菜を入れてレンジでチン。ミルクとパンで朝飯にする。7:20スタート。まずやることは離れたレセプションに行って鍵を返して人質に渡したクレデンシャルを返してもらうことだ。 巡礼路に復帰するために河を挟んだアルベルゲ反対側の道まで回りこむ。ついでなので、こっち側からも写真を撮ってやろう。おもちゃ箱みたいなのがアルベルゲで、その後ろは危ない雰囲気の連中がたむろしていた集合住宅ぽいビル。その上に光輝いているのが受付した高級ホテル部門だ。アルベルゲはホテルと比べると本当にスラムと言うかはきだめと言うか、同じフロントでチェックインしたとは思えない。ここから坂を下って巡礼路になっている大きなドウロ川を目指す。 川沿いを歩き始めると朝もやに浮かぶ素晴らしい景色があったのでパチリ。今年のポルトガルツアーで向こう岸にあるポルトワイン工場を見学した。そのときに数ヵ月後にリスボンから遙々歩きでやって来て、対岸のあの道を歩く自分を想像して不思議な気持ちだった。でも今こちらに側やって来て見学したワイン工場を探してるのだが、さっぱりそれらしいのが見つからない。もう通り越してしまったのかな?今日の目的地は29キロ先のVila do Conde だ。でもそれも歩き次第、宿次第。 海上に突き出た砦みたいのが現れた。ポルトガルはずっと海沿いの国なので、外敵から国を守る橋頭保なんだろう。昔はこんなのが海上のあちこちにあって沢山の大砲が海を睨んでたんだろな。今は陸続きだが、きっと満潮になると海にぽっかり浮かぶ幻想的な景色になるのかも知れない。ちょっと砦の中を見てみたい気もするけど、扉は固く閉ざされていて特に公開をしてる感じではなかった。 ずっと川沿いを歩き続けて、これから先は大きな橋を渡って向こう岸に行くことになる。そろそろかなーと思いながら歩いていくと、港の奥に巨大な橋が現れる。川端を歩いてきたので橋の上に上がるには少し戻らなくてはならないようだ。まぁ橋まで行けば自ずと上がる所が出てくるだろう。橋の袂にカフェがあったので休憩していくことに。カフェコンレチェとチョコパンで2.6ユーロ。ポルトガル第二の都市ポルトなので、今までの田舎と比べると少し高いようだな。 橋脚には上るための階段があって、ちゃんと黄色い矢印もある。橋の上に出ると多くの人たちが橋の上を歩いていた。向こう岸に渡り終えて橋を降りると、ちゃんと黄色い矢印が導いてくれていたので、面倒臭そうな町の中も迷わずに通過できる。ほんとにポルトガルの道は矢印が丁寧。だからなのか、女性の巡礼が他の道より多い気がする。 町を抜けて海に出た所にインフォメーションがあった。扉にホタテのマークがあったので巡礼に何か教えてくれるのかなと思ったが、特別何のお知らせもないようでスタッフが二人もいるのに相手にされなかった。それとも日本人にも良くある、外国人は苦手だからなるべく目を合わさないようにしているのか。ここからは海沿いの遊歩道がずっと続く。日本人のブログでも見ていたが、この遊歩道は短時間で歩き終えるとばかり思っていたが、もの凄く続くものものだった。海水浴場が転々とあるところを延々と歩き続けられる。眺めは良いし木製の遊歩道なので足に優しいし平らだし、本当に楽に歩ける巡礼路。最優良巡礼路に認定する。 海岸沿いには海水浴用のビーチが限りなく点在しているが、中には幼稚園の団体がいるビーチもあった。小さい子供はみんな可愛い。波打ち際から相当離れた所にベースを構えているが、実際に海に入れるのなら神経を使うだろな。こんなチビ助は簡単に波にさらわれてしまうだろう。日本の先生は大正時代の水着みたいのを着るだろうが、こっちの先生はみんな堂々としたビキニだった。 3時間も海沿いの素晴らしい遊歩道を歩けてご機嫌だったが、海を離れてからはちょっと大変。陽が高くなってきたので暑いし上り下りあるしスタミナ切れになった。ずっと田舎道を歩き続けて疲れたし腹ペコにもなってきたのでカフェでもないかと探しながら歩くが、村がないんだから店もない。やっと小さな町に差し掛かったところにカフェがあったので休んで行こう。ここんちには旨い具合にピザが置いてあった。昨日、ポルトで食べたピザは薄くて不味かったが、ここんちのは厚くて美味かった。それとビール。合計で4.5ユーロだったが、手持ちのコインが生憎2.4しかなくて、あとは20ユーロ札だけ。お札とコインをじゃらじゃらと受け取ってお釣りに16ユーロを渡される。どうやら0.1ユーロ負けてくれたようだ。オブリガード。 3時半、Vila do Conde の町に到着。大きな橋を渡り終えた所に由緒正しそうな建物が現れるが何かな?まぁアルベルゲ以外は興味がないから知らなくてもいいです。そこを越えて少し行くと地図どおりにアルベルゲはあったので難なく到着。Santa Clara 7.5ユーロ。オスピタレラも優しい人でコスタの簡易地図を貰える。気分の良いアルベルゲにチェックインできたので嬉しい。いつもより遅めの到着だったので、割と込んでいるが運良く下段ベッドも確保できた。今日は距離は長いし暑いしだったが、終わり良ければ何とかだ。シャワー・洗濯してから途中で見かけた店に買い物に出かける。1リットルビールにヨーグルト4、パン1袋、セブンアップにトマト2、果物の桃にチーズ・ハムで合計6.48ユーロ。2食分買ってもこの値段なのはありがたい。スーパーは節約巡礼の味方だ。 Santa Clara のアルベルゲはご覧のように大きなウィンドウが並んだお店のような外観。って、きっとお店を買い取ってアルベルゲに改装したんだろう。同じ部屋の女の子がコスタの無料アプリを教えてくれたのですぐインストールしてみる。まぁ無いよりマシかなな程度だったが親切に感謝だ。 あしたは27キロ先のMarinhas を目指そう。日本に帰る飛行機が決まっているので、ここいらでショートコースを幾つか入れないと後で調整に困るんだけど、貧乏性でつい歩いてしまう。 ポルトガルの道22へつづく |