ポルトガルの道25   分岐の町 CAMINHA

6月22日  日本出発から62日目
 Sardao の私営アルベルゲ。キッチンに行って冷蔵庫にしまっておいたヨーグルト、ゆで卵にコーヒーで朝飯。昨晩、予定外のバーベキューがあったので飲むのを忘れたセブンアップと残ったヨーグルトは持ち歩くことにする。ポン菓子みたいなのも手付かずのままなので、これも持ち歩き。BBQのお陰で食べなかった食料がたんまりある。二人組のドイツの女の子もやって来たので、ドナティーボだった昨日のBBQのお金はどこに入れるのか尋ねたら、テーブルの上に置いてある箱でいんじゃないのと言うことなので5ユーロを入れてみる。腹が減ってないから差ほど食べなかったし、飲み物もなかったので5ユーロでいいだろう。実は昨日の内にBBQのドナは幾らしたらいいのかアルベルゲの人に尋ねていた。でも何度聞いても値段を言わなかったので結局、5ユーロ。アルベルゲの人の思惑など知る由もない。

 凄く古い石造りの古民家をリニューアルしたアルベルゲだが、ベッドルームなどは快適だった。ただ、ベッドルームに隣接してあるシャワー・トイレルームが全面すりガラスなのが気になった。特にこの部屋には私以外の5人全員が女性だったし、そこは少し気を使わなくてはならなかった。おまけに洗面所には濡れたTバックがひょいと引っ掛けてあるし、気を使わないにも程がある。

 7:10出発。山の中からのスタートなので村を抜けるとすぐ山の中へ突入。今日もえっちらおっちらと山を上り下りする。1時間半歩くと遠くに海が見える村までやって来た。手ごろなベンチが設えてあったので、バックパックからセブンアップを取り出して小休止。少し前に追い越した昨日のおばちゃんがすぐやって来る。おばちゃん中々やるな。

 ヴィーラ・ブライア・デ・アンコラの大きな町で巡礼路を見失う。でも左は海なので、巡礼路は海沿いに続いている筈だから海から離れなくちゃ問題ない。そう言えばエステルはこの町のホステルに泊まると言ってたな。

 座るに手ごろなコンクリートの塊があったので、持ち歩いているOIKOSヨーグルトとポン菓子みたいのを食べて小休止。隣にはごみ箱もあるので都合がいい。歩き出したら少し離れた海沿いを行くおばちゃん発見。あそこが巡礼路か、だったら並行して進むこの道を歩き続けていても大丈夫だ。このまま行こう。

 暫く行くと、海側から線路をくぐる小さなトンネルに黄色い矢印が描かれていて、こっちの道へと誘導している。じゃぁこのままこれが巡礼路だと安心する。軽めの山道を2時間と、海沿いを2時間半歩いただけで今日の目的地 CAMINHA に到着。ここから巡礼路は川沿いに行くバレンサ方面と、渡し船で対岸へ渡り海沿いを歩き続ける道とに別れる。昨日のアルベルゲの人達に聞いたところ全員がバレンサ。うーむ、また一人ぼっちか、、、4日後のレドンデラで何人かと合流できるかな?

 まだ時間は11時半。アルベルゲへ向かうには早すぎるので少しカミンハの町を探索する。小さな町なので地図どおりになっていて分かり易い。公園の向こう側には対岸へ渡る長い橋が続いていて、あれがバレンサ方面へ行くのだろう。どうせだから明日乗る予定の渡し船を下見に行ってみよう。フェリーも停泊していて、向こう岸まで5分ほどで着いちゃいそうだな。港町の後ろに小山が控えているが、地図ではあの山を越えていくらしい。

 小さなチケット売り場があったので、張り紙を見て運行状況を調べる。明日の土曜日は10時から12時まで、1時間置きの出航なのが分かった。料金は1.50ユーロと格安だ。安いので公営なのかな?チケット小屋から黒人のおばちゃんが出てきて、いま読んだ張り紙と同じ事を説明してくれる。でもおばちゃんの親切にオブリガード。

 12:20、アルベルゲへ移動する。地図のとおりに進むと簡単に公営アルベルゲは見つかった。ここにも張り紙があって、読んでみると2時オープンだった。まだ大分あるな。昼飯でも食べようかと歩き出すと、何度も一緒になってるおばちゃんもやって来る。また張り紙の所に戻って二人して相談する。おばちゃんはイタリア人なので何語で話したのか記憶にないが目的は同じなので何となく話が通じる。おばちゃんは携帯を持っているので張り紙の所に電話してくれるが、チェックインはやっぱり2時で動かなかった。じゃぁ2時にまた集合しようと言うことになって、私は食堂を探しに賑やかな方に歩いていく。安く食べさせてくれる店はどこかなと物色していると、この辺りの定食はみんな安めの6ユーロらしいのが分かる。ポルトガルってやっぱり物価が安いんだなぁ。

 1軒のレストランに入ってみる。昨日、BBQで肉を食べたので珍しくサーモンステーキなるものを注文する。スープはポタージュでビールまで飲んでもやっぱり6ユーロだった。ポルトガル万歳。食べ終わってもまだ1時半。2時までには時間が有るのでスーパーへ買出しに。500ml缶ビールとヨーグルト4、果物の桃にプラム、青リンゴ、ファンタオレンジにコーヒー10包み、8Pチーズまで買ってもたったの7.17ユーロだった。昨日の村のミニスーパーでは完全にぼられたのを確信する。くそ。

 2時5分前にアルベルゲ前に来ると、調度おばちゃんも別方向からやって来た。あっちには公園しかないので、公園で時間つぶししてたのかな。オスピタレロは爺ちゃんがやって来た。かなりの年寄りなので心配になる程だ。ここは5ユーロ。ベッドルームは広く、沢山の2段ベッドが並んでいる。おばちゃんは入り口に近いベッド下段をゲットしたが、私は一番奥をゲットする。すぐイタリアのエステルもやって来た。

 少ししたら若者がやたらとチェックインしてきた。若者は一人二人なら静かだが、数人で固まるとやかましいったらない。ベッドルームで大声を出しているので今晩が心配になる。そろそろ夏休みに入ったのかな。ハイキング気分でやって来るガキ共は勘弁して貰いたい。若者だけじゃなく年配者もやって来る。余りにも多いので(約30人)ここが主要な出発地になってるようだ。だから今までのアルベルゲと違ってベッド数が多いのか。若者はみんなバレンサに行ってほしい。

 ベッドルームは満床になったようだ。これだけ多いと、さっき大声で騒いでいた若者も遠慮するようなので安心する。私の上段ベッドの若者がスネから血を流していたので、消毒薬とカットバンを上げようとしたらノーサンキューだった。体は大きいけど大人しい若者なので、騒がしい連中とは別らしい。みんなこの兄ちゃんみたいに礼儀正しいと良いのに。


ポルトガルの道26へつづく