Fatima1  今日からポルトガルの道 Pontecesures 

6/27 今日からポルトガルの道て言うかファティマへの道一人旅が始まる。昨年、リスボンからファティマを経由してサンチャゴまで歩いた。その年も「マドリッドの道→サンチャゴ→ファティマ」と歩くルートを考えはしたが、やっぱり逆ルートだと旅の道連れは絶対にできないし矢印もないから難儀するだろなーとビビって、サンチャゴからリスボンまでバス移動して、普通にリスボン→サンチャゴを歩いた経緯がある。リスボンからサンチャゴまで歩いた約一ヶ月間の間に逆ルートを歩く巡礼に20人ほど出会った。ほとんどが二人連れでソロは何人もいなかった。出会う度に声を掛け、果敢に何コースに挑む人たちを称え羨望の眼差しで見ていた。やっぱり自分も挑戦しなくてはと思ったのが今年このルートを選んだ理由だ。ファティマまではここサンチャゴから470km、およそ22日間の行程。さて実際に歩いてみてどうだったか!はじまりはじまり。

 アルベルゲメノールでTさんと最後の朝飯食べた後、Tさんはフィステラに向けて出発。私はポルトガルの道が始まる(て言うか本来は到着するんだけど)アラメダ公園脇へ。昨年はこの辺りは迷っていたので違う道を歩いてサンチャゴへ到着した。なのでサンチャゴを脱出する道は見当が付かない。それでもファティマへの青い矢印はポツポツと出てくるので何とかなりそうだ。歩いて行くとサンチャゴを目指す巡礼に会う会う。今日だけで百人近くすれ違ったんじゃなかろうか。日本人は3人組とソロに会った。4人共女性なのでポルトガルの道は女性でも歩きやすいとどこかで教わったんだろう。「誰か逆コースを歩く人がいましたか?」と尋ねたら、会うのは私が初めてとのこと。やっぱりかー。この人たちはポルトからサンチャゴまで十数日間を歩いている筈なので、その間に逆ルートを歩く人はゼロとは予想以上に少ないのが分かった。て言うか少ないどころか一人も居なかった。

 逆ルートだけどファティマに導いてくれる青い矢印は思ったよりあるので助かってる。それでもやっぱりサンチャゴ行きの黄色いのには叶わなくて頻繁に迷うことになる。また少し迷ったので国道を歩くことにしてパドロンを目指す。やっぱり迷うのが普通のようだが、サンチャゴを目指す人が頻繁にやってくるので分かれ道で迷った場合、向こうからやってくる巡礼を目印にできるようだ。

 初日の今日は26キロ以上なのでパドロンには2時半頃到達した。ヤコブの遺体を乗せた船を繋いだと噂の船繋ぎ石を祀ってある教会をちょっと覗いて、ここパドロンのアルベルゲに泊まろうか誘惑があったけど、やっぱりもうひと息頑張ってPontecesuresまで歩くことにする。市場で缶ビールを1本買い道端の日陰で飲んで出発。これで大正解。アルベルゲは新しくてきれいで広々なのに巡礼が何人もいない。これは昨年で調査済み、みんな有名なパドロンへ行ってしまうのだ。

 ガリシア州の公営アルベルゲは6ユーロで統一されている。受付の女性に昨年も泊まったんだよと言ったら喜ばれて凄く愛想がいい。10ユーロ札しかなかったらお釣りがないようで「1ユーロ持ってない?」と聞かれるもこれしかない。そしたら5ユーロに負けてくれるそうだ。それじゃ如何にも申し訳ないので、スーパーで買い物したら1ユーロ上げるよと言うも要らないそうだ。ずいぶんと親切だなー。もしかしたらその1ユーロはこのおばちゃんのポケットマネーから出してくれるのかも知れない。親切なセニョーラに「サンタマリアデハポン」と言いながらマリアカードを進呈し一緒に写真を撮ろうとしたら後ろで束ねていた髪をおろしてお洒落しだしたけど前の方が似合ってたよとは言わない。

 先着には老カップルが入っていただけだったが、後からイタリアの若いカップルとロシアの老カップルがやってきたのでこれで7人になった。昨年ここに泊まった時はポーランドのおばちゃんと二人だけだったので、今日はまだマシなほうだ。それに引き換え歩いてもたった20分の距離にあるパドロンの公営アルベルゲは今日もきっと二段ベッドの上までいっぱいじゃないのかな?ここは施設は新しくて広々だし綺麗なので穴場。ベッドもあっちこっち互いに離れた所で贅沢に陣取っている。

 ここのキッチンには「誰か食べて」と張り紙がしてある鍋があって、パエージャらしき物が入っている。いつのかな?そんな幾日も前のがある訳ないのできっと昨日誰かが食べきれずに残していった物だろう。あとで有難く頂くことにしよう。その前にシャワーしてお買い物だ。今日の酒はシードルを買ってみた。安くて美味しい(1ユーロ)。日本なら自販機のジュースでも1ユーロでは買えないのに、本物の酒がフルボトルで買っても1ユーロとは涙もんだ。ポルトガルの物価安ばんざい。普段は買わない小ぶりのホタテ缶詰にも挑戦してみる。これはまずまずだった。買い物のレパートリーが増えたかな。米に芯があったので水をたんまり追加してリゾット風にして買ってきた卵も投入。水を大量に足したお陰で、これがスペイン米なのに美味かった。新たな発見をしてしまったよ。残りの卵4個はゆで卵にして明日の朝飯にしよう。

 昨日、サンチャゴの観光案内でピンバッチを貰った。田辺市で貰った時は和紙で作られた証明書も貰ったけど、スペインはバッチだけだった。と思ったら観光案内所のホームページで他の人の写真を見たら、皆さん証明書を誇らしげに掲げた写真で紹介されてるな!そこには私の2つ下に、昨日お喋りした日本人夫婦の写真も載っていた。思ったより沢山の人が熊野古道を歩いてるんだな。しかも殆どが外国人。熊野古道、外国人ばっかの筈だ。じゃぁ私の受付をしてくれた人は証明書を出すのを忘れたのか。今年は何かと忘れ物が多い年だ。この道を歩き終えたらまたサンチャゴへ戻るので、そのとき貰いに行ってみよう。


Fatima2へつづく