Fatima2 何かに気づいた日 Caldas de Reis 6/28 のんびりとPontecesuresのアルベルゲで朝飯を食べる。ゆで卵にパン、インスタントスープ。7時50でっぱつ。昨年、このアルベルゲにやって来た道は正規の巡礼路ではなかった。私はポンテベドラからポルトガルの道王道から外れ、歩く人は3%程度しかいないバリアンテ・エスピりチュアルと言うルートを選んだ。そこは2日目に港町に到達し、そこから巡礼はヤコブの遺体が通ったのと同じようにボートでパドロンへ行く。9割の巡礼がボートでパドロンへ向かう道を私は金が勿体ないから(乗り物には乗らないって自身のルールもあるけど)そこも歩いた。Pontecesuresの町に入った所でカミーノを見失っていたポーランドおばちゃんに頼られて案内した所がこのアルベルゲだった。アルベルゲを出発すると昨年やって来たのとはまったく別の方向へカミーノは伸びていた。おばちゃんは本当に違う道を迷っていたんだとこのとき分かった。ちょっと分かり辛いよねこの説明。 町を抜けた所で早速本日最初の巡礼と交差する。この早朝の時間にここまでやって来るのは相当早く前のアルベルゲを出発したに違いない。二言三言言葉を交わしてブエンカミーノ。その後はぱらぱらと巡礼がやってきて、次第にぞろぞろとやって来るようになる。その多くはナップザックの軽装なので、サンチャゴまで100km地点のTuiを出発した人たちと思われる。全員がすれ違いながら何かしら挨拶してくれるので、まるで混雑した尾瀬みたいでだんだん面倒臭くなってくる。 座るに手ごろな石があったので残りのゆで卵2つとパンでエネルギー補給する。青い矢印はと言うと、大事な分かれ道なのに無い所が時々あるので、そういう時は向こうからやって来る巡礼を待つことにする。たくさんの人が出発するTuiまではこの手を使えるが、Tui以降は巡礼の数は半分になってしまうだろう。そうなったらどうなるのかなと少し心配になる。更に更に、Portoから歩き出す巡礼はまだ多いだろうが、Portoを過ぎると巡礼は激減する。多分5分の1。もう向こうから巡礼がやってくるまで待つという作戦は不可能に近くなるだろう。今からそれが心配。 村はずれにまた矢印がない分かれ道が現れた。ちょうどそこには東屋みたいのがあったので、向こうから巡礼がやって来るまで椅子に座ってのんびり待つことしばし。ちゃんとチャリのカップル巡礼がやって来て話しかけてくれる。逆歩きをしているので興味があるようだ。日記に書いてないので内容は忘れてしまったが、なかなか感じのいいカップルと言うのだけは覚えている。暫くお喋りしてからブエンカミーノと言ってお別れをする。 今日は欲しかった木の杖を拾った。杖があると楽に歩けるのは勿論だが、それ以上に必要なのは犬対策。スペインでもポルトガルでも放し飼いの犬があちこちにいて、その全部が洩れなく吠えかかって来る。そのときこちらに武器があると無いとじゃ雲泥の違いがある。威嚇にもなるしいざとなったらブチノメスこともできる。今まで丸腰で歩いている気分だったので不安だったが、これで犬対策はばっちりだ。少し重くて曲っているのでイマイチだけど、もっと良いのを見つけたら交換しよう。 12時10、カルダスデレイスの公営アルベルゲに到着。中に女性が二人いるが、オープンは1時と言われる。はいはい待ちますよ。ベンチに座って日記を書いて時間つぶしをする。時間前の12時半になったら親切にもチェックインさせてくれる。中に入ると3年前とは見違えるほど大改装されていたのでビックリ。前はキッチンはてんでお粗末で流しはなく簡易コンロが1つあるだけだった。ベッドルームも広い教室サイズが1つだけだった。今回も狭いソファーの部屋で買ってきた物を食べるんかなーと想像していたが、今はキッチンも広くて冷蔵庫に自販機、台所用品も充実している。ベッドルームに至っては小部屋が沢山並んでいてみんな綺麗。3年前泊まったことを告げ、前はこうだったと言うと「凄いでしょー」みたいなことを言ってるようだ。一番のチェックインなので好きな部屋を選んで荷物を広げる。ベッドには専用のコンセントまで付いていた。ただ Wi-Fi が無いのが唯一の欠点か。 シャワーと洗濯を済ませた頃になると後続の巡礼がぱらぱらと到着してくる。最初は誰も入ってない部屋を選んだが、その内そんな贅沢は言ってらんなくなるだろな。 スーパーまで少し歩くのは同じだった。1リットルビール、チョリソー、塗るチーズにカット野菜、ヨーグルト3にKASオレンジジュース1缶、カットスイカにスナック菓子、それに今日のヒット商品、まだ焼き立てて暖かいバゲットパンを買えた。こちらの焼き立てパンはもの凄く美味くて、それが買えるとアルベルゲまで待ち切れずに歩きながら千切って食べだしてしまう。 逆コース、今日でまだ二日目だがテンションが上がらない。今日のアルベルゲの巡礼全員が明日は会わないのが分かっているのですれ違い確定だ。これでは仲良くなってもイマイチ楽しくないので余り話しかけたりする気もおきない。明らかに今までと違うカミーノだった。逆歩きを始める前にも少しは想像していたが、実際に歩き始めて見ると想像を超えるものがあることを否が応でも感じざるを得なかった。だ、だいじょうぶかな。 午後になって明日の巡礼路の確認に町外れまで歩いていく。朝は向こうからやって来る巡礼は皆無なので自分の足で確認するっきゃない。それに今なら確認できない分岐があっても向こうからやって来る巡礼がいるか知れないし。結構大変なことを始めちゃったなと思うようになった。 Fatima3へつづく |