Fatima3  え、フィリップス!   Ponte Vedra

6/29 Caldas de Reisのアルベルゲ。昨日の残りのカット野菜でスープを作りチョリソーを加える。それにヨーグルトとパンで充実の朝飯。町を出るまでは昨日チェックしといたカミーノを辿れている。山の中に入ると分かれ道に矢印が無いところが4,5ケ所もあって、そのつど向こうから巡礼がやって来るまで待っている。間違った方へ歩いてしまうよりこの方が効率がいい。Tuiを過ぎるとこの方法は使えないだろなーとまた心配する。

 バナナ2本を食べて休んだ以外はほぼずっと歩き続ける。今日は16キロ台かと勘違いしていたので、馬鹿に遠いなーと思ったが、よく計算したら21キロだった。まぁその差はたったの5キロだけど迷ってばっかなので順ルートを行くより時間も掛るし精神的に疲れる。

 Ponte Vedraの町へ入る手前3キロに昨年歩いたエスピチュアルバリアンテ(ながっ)への分岐がある筈だと楽しみにしてきたが、それは現れないまま大きな町に入る。ポンテベドラの前にこんな大きな町は無い筈だと少し不安になったが、やっと見覚えのある歴史的な橋が現れたのでポンテベドラの町と分かる。この橋が本来のカミーノなのだがこの辺りは橋を含めて工事中になっていた。やっぱり工事の関係で巡礼路が変更になり、分岐が現れなかったのが分かった。この町からバリアンテ(短くした)を目指した昨年だったら分岐は迂回されたので戸惑っただろう。

 市内に入り八角形の教会を過ぎてから見慣れない道になり正面に駅が現れた所で位置が分かった。また巡礼路が変更になっていたのだ。ばかに頻繁に変えるんだな。原因は駅近くのカミーノが工事中になっていたことだった。1時20、ポンテベドラのアルベルゲに到着~。受付してくれてるオスピタレラは昨年と同じセニョーラだったので昨年も泊まったんだよと伝えてみる。ここも公営なので6ユーロ。ベッド番号はA23で毎回下段ベッドだ。ガリシア州の公営はどこもシニアは下段にしてくれるので有難い。

 薄暗いベッドルームに入っていくと誰かが声を掛けてきた。えっ、フィリップス!?これはぶったまげた、昨年、スタートのリスボンから殆ど同じ行程で歩いたフランス人のフィリップスじゃないか。フィリップスの髪の毛は伸びていて後ろでチョコンと縛っている他は着ている緑色のシャツは昨年と同じものだったので笑った。やっぱり私と同じことしてるんだな。フィリップスは今年のルートを説明してくれてるが良く分からないので生返事をしておく。

 昨年、我々と一緒に歩いたチェコのパベルに写真と共にメールしたらすぐ返事が来て「Cool」と驚いていた。パベルの奥さんは病気になったそうだ。パベルは70過ぎなので奥さんもいい歳なんだろう。フェイスブックの方にもフィリップスと再会したと投稿したらリスボンで同じ部屋だったメキシコのビアネイがフィリップスとメッセンジャーで話がしたいからと言い出したが、ビアネイはスペイン語だけだしフィリップスはスペイン語ゼロなので面倒なのでほっとく。私が間に入って通訳なんてとんでもない。

 シャワー洗濯して干したあとスーパーへ。このアルベルゲはこれで3回目で、毎回同じスーパーへ出かけて行くが、それより近い所にスーパーを見つけていた。巡礼路が変わったお陰でアルベルゲに来る途中、発見できたスーパーだ。これはラッキーか。今日も同じような物ばっかり仕入れるが、このアルベルゲに泊まった時はいつも冷凍チャーハンを買って食べているので今回もそうする。それと1リットルビール最安の0.69ユーロ、日本円なら1リットルビールが84円だよ。トマト2、ジュースのトニカ、ダノンヨーグルト2に安いスナック菓子で合計4.15ユーロ。今日の泊まり賃が6なので合計してもたったの10.15しか使わなかった。日本の四国遍路が整備されて、サンチャゴ巡礼路みたいに格安で巡礼できるようになったら歩き巡礼はきっと今の十倍は増える気がする。四国遍路はここでも割と有名だが、巡礼するには金が掛かり過ぎる。もっとサンチャゴみたいに整備されないと世界遺産には登録されないだろう。

 キッチンの同じテーブルで食べていたのはポーランドのヤン。今回が初カミーノだそうだがリスボンをスタートにしたのは大したもんだと褒めてやる。リスボンからポルトまではアルベルゲが少ないので難易度が高いことを知らない人は知らない。当たり前。この青年と話している最中に私がカトリックと知った隣の青年が、わざわざやって来て、何でカトリックになったのかと質問してきた。日本人は全員仏教徒と思ってるようで、カトリックに改宗したその理由が興味津々のようだ。答えは至って簡単、親がカトリックだからだと言うだけで一件落着。「ベリーシンプル」と言っているな。まぁ天邪鬼信者だと追加しても説明できないので黙ってるのは言うまでも無い。

 ビールを飲んでいるとフィリップスがキッチンからコップを持ってやってきた。相変わらずだなフィリップスと思ったが飲ませたる。そしたらフィリップスも1リットルビールを買っていて私のが終わったら持ってきてくれる。だから自分からコップを持ってきたのか。

 私の上段ベッドになった青年がイビキをかくけど大丈夫か?と打診してきた。「心配ない、ここはアルベルゲだ」と安心させてやったが本当はイビキは勘弁だ。


Fatima4へつづく