Fatima13 3日振りの青い矢印 Grijo 7/9 Porto の Porto Downtown Hostel。朝飯は離れたパン屋まで行かなくてはならないので面倒。朝飯食べさせてくれるのは有難いけど、こういうスタイルは初めてだな。現在まだ7時ちょっとなので、行ったら「まだ開いてません」じゃ困るので7時半になったら行ってみよう。時間になったのでホステルを出たところ、同じホステルを出たおじさんが私と同じ朝食チケットを手に持って前を歩いているので同じパン屋へ行くのが分かった。パン屋は昨日見つけておいたけど、どうやって朝食を貰えるのか見たいので後を付いていく。 おじさんのやる事を見ている。チケットをマダムに渡すと「あー、朝食ね」な感じで手馴れたものだった。コーヒー1杯とパンがひとつ貰えるようで超シンプル。おじさんは更にクロワッサンを追加しているな。これは別料金らしい。さすがにパン1個で何時間も歩くことは出来ないので、自分も同じようにクロワッサンを1つ追加してプラス1ユーロ。見た目よりボリュームのあるパンで腹いっぱいになったのでこれは満足。このパン屋には後から後から朝食を求める人がやって来て、簡単に飲み食いしてさっと出勤していく。こういうのがポルトガル流なんだろか。 満腹になった所で出発、予想通り公園の電柱に青い矢印を見つけられる。見たのは三日振り。きっと今日からはまた青い矢印に導かれながら歩いて行けることだろう。すぐクレゴリウスの塔、じゃなくてクレリゴスの塔だった。オブラドイロかオブラロイドかメリデかメリダだったか外国の名前は誠に覚えずらい。次はサンベント駅の横を歩いてカテドラルの前も通ってドン・ルイス一世橋へ。世界遺産の目白押しロード。 ドウロ川を渡って次の町を目指す。この川沿いの古い町並みが世界遺産に登録されているとか何とか。渡っているドン・ルイス一世橋も世界遺産だそうで、橋の上にやたらいる観光客が舞い上がっている。なのでここはスリ天国らしいです気をつけましょう。数年前はここに聾唖者を装った寄付金詐欺がいたし観光客は良いカモのようだ。橋の付近も青い矢印は期待以上にあって、もはや黄色い矢印以上か!これでもうファティマまで分岐で心配することはないかも知れないとテンションが上がる。 ポルトを過ぎた町外れで本日最初の巡礼がやってきたのでお喋り。南アフリカからやって来た父子だった。父親の方がほとんどの荷物を背負っているようで息子の方はナップザック程度しか背負ってない。どっか具合が悪いんか、それとも過保護か? 本日一番の山越えに入ると、急坂の上から黒い大きい犬が降りてきた。おおっとと身構えたが犬は私には無関心でさっさと通り過ぎて行ってしまった。そのすぐ後、上の方からキャーキャーとけたたましい声を張り上げながら二人の女性巡礼が降りてきた。まぁそれくらい急な坂です。こっちとしては凄く面白い光景と思ったのですかさずカメラを出して向けると、おどけたポーズを取ってくれる。後ろの女性は膝にでっかいサポーターを巻いていて痛々しそうだったがこの状況にニコニコしている。でも坂はそこが急なだけですぐ平凡な山越えになった。 今日の宿があるGrijo手前で向こうからやって来たスペインのおじさん巡礼とお喋りする。今年、ガリシア州が省エネの為にと大々的に配っている黄色い買い物袋を提げていたので自分も同じのを持っているんだよと見せてあげる。ポルトガルの道でこの買い物袋を持っていると言うことは、別のカミーノを歩き切って二番目のカミーノにここを歩いているに違いない。聞いてみるとフランス人の道の半分道中、サアグンからサンチャゴまで歩いてからポルトガル人の道を歩きだしたそうだ。リスボンスタートかな?ポルト以前から歩き出す人は間違いなくフレンドリーだし巡礼同士が出会うとテンションが全然違うので話しかけても張り合いがある。この人もそうだったが、逆ルートを歩いている私を見かけると殆どの人が「ファティマ?」と声を掛けてくれる。それくらいここではファティマはメジャーになって来ているが、相変わらずファティマを目指す巡礼には一度も会ってないと言われる。結局、ファティマまで誰にも会えないのかなぁ?昨年は20人位すれ違ったのに。 広大な修道院の塀に沿ってアルベルゲを目指す。広いのは覚えていたが、こんなに広かったとは。もう城砦都市並に広い。途中にミニスーパーがあったので、アルベルゲに着いたらここまで買い物に来られるかなと思ったが、アルベルゲからはちょっくらやって来られる距離じゃなかった。昨年はこのアルベルゲが分かりづらく、前を通り過ぎてしまってから地元の婦人に連れられての到着だったが、さすがに今回は簡単に見つけることができる。先着が二人入っていた。ここは2階に2段ベッドが2台ずつ置かれた部屋が2つあるので、空いている下段を確保。早速シャワーだが、こんなオンボロだったかな?水が出る朝顔が壊れたのか取れて無いのでボチャボチャこぼれる水を工夫して浴びなくてはならなかった。洗濯もして庭に干したら隣のカフェ(ポルトガルはバルじゃなくてカフェ。でも内容は同じ)に行ってビールの小瓶2本とジャガイモ、玉ねぎ、バナナ、ぶどうパン一袋に小さいトマト2個。こんだけ買っても4.15ユーロしかしなかった。このビール1本幾らなんだろう? 部屋に戻ると後から来たポルトガル爺さんが何やら訴えているようだ。ポルトガル語しか喋らないので言葉は分からないが、股間を押さえてからトイレと私のベッドを指差すので夜中にトイレに起きるので下段ベッドを譲ってくれと言っているのが分かる。身振りは万国共通だ。ここ2階にしかベッドがないと思っているようだが、1階にもベッドルームはあるので問題ない。バレバレ(OKOK)言って譲って上げると嬉しそうだ。 1階に行ってみると入ってすぐの部屋には二段ベッドが一台、その奥には4台もあった。部屋に1台だけのベッドを確保して、これで上段ベッドに誰も入らなくちゃ個室みたいだなとほくそえむ。隣にはトイレもあるし、すぐ外にも出られるので二階より快適かも知れない。おまけに通路を隔てた向こうの部屋には大きくて立派なシャワー室があるのを発見する。昨年泊まったときにはまったく気づかなかったよ。でも一度浴びたので2回も浴びることはしない。やがて奥の大部屋にはグループらしき巡礼がどやどやと入ったが、私の上段までは埋まることはなかった。グループは他の巡礼に興味がない場合があって、このグループもそうだった。 受付の所に置かれていた旅のノートがまだ昨年と同じで私の書いたのが残っていた。今年の分もまた書いておく。筆まめなのは良いことだ。7時になると、おばちゃんオスピタレラがやって来てチェックインできる。5ユーロ。昨年書いたノートを見せると「ガッドブレス」と何度も言ってくれる。 今日の一品、いつもと同じです。ジャガ芋玉ねぎにトマトを加えてクノールスープの素を入れて煮込むだけ。緑のペットボトルは昨日飲みきれなかったワイン。無理して飲まないでこうして持ち歩く方が楽しみが延長されて良いようだ。明日はマデイラの不思議なアルベルゲを目指すが定員が10人位しかないので無事にベッドが取れるかな。暑くなってきたので2ヶ月振りに髭を剃ってみた。スッキリ。 Fatima14へつづく |