Fatima16  アゲタの傘祭り Agueda

7/12 Novaのアルベルゲ。同室の男は5時半の暗い内から出発していった。今日は長距離を歩くんだろう。毎日暑くて仕方ないので私も早めに出発しよう。いま6時少し前なので、6時半でいいかな(せこい)。もう手持ちの食料がセサミ・ビスケットしかないので次の町にパン屋があったら朝飯にしよう。キッチンに移動してインスタントコーヒーだけは飲んでおく。チャリのポーランドおじさんが居たのでまたお喋り。二人でやたらと写真を撮りっこすることになった。自分が被っている野球帽を私に被らせて写真を撮っている意味が分からない。プレゼントされたら断るのが面倒だなーと思ったがそれはなかった。Caminoの刺繍が施されているのでファティマで買ったお土産らしい。ハグしてばいばい。ブエンカミーノ。

 ちょっと早めの6時40スタート。夜明けが間近で薄暗い中を歩き出すと、少し行った所で道を間違ってしまう。と、そこで後ろから声が掛かった。絶妙のタイミングで向こうからやって来たカップルの巡礼が「カミーノはこっちだよ」と教えてくれる。この時間にここまでやって来るとは何時にどこを出発したのだろうと不思議がる。ここはノバの町外れなので、同じノバに泊まるところは無い筈だ。という事は次の村か町に泊まったと言うことだろう。5時頃にスタートして真っ暗闇の中を2時間も歩くことは私には出来ない。ずっと裏寂しいような山道を行くが分岐もほとんどないので安心して歩いていられる。その代わり巡礼も滅多にやって来ないので、さっきの二人組はホントに凄いな。

 次の町のVelhaに意外なほど早く着いたのでマップを見直してみたら3.8キロしか離れていなかった。じゃぁ朝の二人組はこのベラに泊まったんだと気づく。ここスタートなら1時間以内に私が泊まったノバに着くから暗い道は1時間歩くだけで良かったんだ。ベラはもっと大きな町と記憶していたけど意外と小さかった。なのでパン屋も見つけられないまま通り過ぎてしまい、予定していた朝飯が食べられない羽目になった。5キロ歩いた次の町Serem de Cimaに小さな店があったのでパン1袋に缶ジュースと青りんごを仕入れることに成功する。これで一安心。今日は水だけはいっぱい持っているのでそこだけは安心だが、山の中を歩きながら最後の食料のセサミ・クッキー(写真)を食べ尽くしてしまったので調度良かった。

 アゲタ手前にも小さな町があって、向こうから歩いてくる三人組が突拍子もないスタイルだったので、道路反対側に渡って行く。あははと笑いながらカメラを出して「撮ってもいい?」と聞くともちろんオーケーだ。この人たちも自分たちのスタイルが面白いと自覚してるようだ。きっと傘祭りのアゲタで買ってきたんだろう、カラフルな傘の帽子を三人して被っている面白スタイルなので大笑いした。暑さ対策には良いけど、私が被るならもっと地味なのがいいなー。

 この辺りはホーンテッドマンションみたいな屋敷が道のアチコチにあったのを覚えていたので、今回はそれらをみんな撮ってやろう。スペインもポルトガルも廃墟みたいな屋敷が時々見受けられるが、この通りにはそれが集中してるのが奇妙だ。昔、金持ちや貴族が民衆によって襲撃されたとか、なにかそんな歴史的な背景があるような気がするがまったく分からない。合計8件のホーンテッドマンションを撮ることに成功する。

 今日の予定は傘祭りで有名なアゲタだ。昨年アゲタに泊まった時は6月だったので傘祭りはやってなくて残念だったが、今回は7月だから間違いなく見られるだろうと期待に胸が膨らむ。アゲタ手前4.2キロ地点でCaminoがおかしなルートを取ったので、これが今晩のアルゲルゲSan Antonioへ直接行ける国道と本来のCaminoとの分岐点だと気づく。念のためGPSで確認すると運良く早めに電波をキャッチできる。予定通りここからはCaminoを辿らずに国道を行けばアルベルゲの前に出るはずだ。

 11:50、アルベルゲSan Antonio到着~。傘祭りの最中なのでアルベルゲの前にもたくさんの傘が飾られていたのが嬉しい。オープン10分前だったので表のベンチに座って待っていたらマダムがドアを開けて招き入れてくれる。タブレットに保存してある昨年このアルベルゲで楽しく飲み食いした写真を見せると喜んでくれ「2020年も来るかな?」と言ってくれる。まぁそれは多分ないでしょう。ここは12ユーロで昨年泊まったのと同じ二段ベッドが一台だけ置かれた個室同然の部屋に入れてもらえる。よっぽどでなければ今晩は私一人の貸切だ。

 ここから傘祭りをやってるアゲタの街中までは往復3キロもあるので、シャワーを浴びる前に祭り見物に行くことにしよう。行きは下り坂で帰りは逆だ。バックパックを背負ってない身軽な体で軽快に歩いていく。どこで傘祭りをやっているのか情報不足だが、とりあえずアゲタのメイン広場に行ってみると探すほどの手間は要らなかった。すぐ沢山の傘でアーケードの空が埋め尽くされている光景が目に入る。狭目の通り4本の空に色とりどりの傘がずらーっと飾られている。通りによって傘の種類を一応統一してるようだ。4本の通りをぐるぐるっと見て回るとそんなに時間は掛からなかった。昼の時間帯だからなのか曜日の関係か、観光客はまばらだったのでちょっと拍子抜けの感があった。でもずっと見たかった傘祭りが見られたのでこれは満足。この祭りってロープを渡して傘を下げるだけだから、真似しようと思えばすぐ日本でもできそうだけど、まだ日本でやってるニュースは見たことないな。

 帰りながら道端にある大きなスーパーLiDLで食料の買出し。1リットルビールに冷凍パエージャ、カット野菜にヨーグルト4、ミニトマトに缶コーラ、非常用のクッキー1箱で8.49ユーロと大量買い。それでも歩いている途中の店で休んだり食事しなくちゃ一日の目標経費20ユーロ程度で済んでしまう。

 アルベルゲに戻ると私と同じ階にはスペイン男が隣の部屋に入っていて、下の階には後からポーランドの男女6人がやって来た。6人は全員が同じ部屋になり、ビヤ樽腹のメタボ親父がいたので夜は凄いイビキが響き渡るんじゃないのかな?別の階で良かった。

 冷凍パエージャを何度もチンしているが一向に温まらない。何でかなと不思議に思っていたらスペイン男がミクロコンダス(電子レンジ)のレベルがHIになってないことを教えてくれる。なるほど!勉強になりました。HIにしてやったらすぐ温まってくれた。前回と同じように外のテーブルで食べだしたらハエと猫がうるさいのでキッチンに移動して食べることにする。

 昨年は外のテーブルに宿泊客全員が集まって大盛り上がりしたのだが、この6人グループは自分たちだけで固まっていて他の巡礼とは交流したがらないようだ。ソロのスペイン人もテンションの低い人のようで残念ながらちょっと寂しいアルベルゲになった。まぁ念願の傘祭りが見られたからいいや。


Fatima17へつづく