Fatima20  直接目指すことにした Ansiao

7/16 Rabacalの私営アルベルゲ。6時起床、この部屋は二段ベッドが3台入っているが私以外誰も来なかったので貸し切り状態で寝られたので快適だった。毎日これだといいけどアルベルゲとしたら火の車だろう。他に数人がいたが、みんな二階の平ベッドが魅力のようで一旦この部屋に入った爺さままで二階に行ってしまった。ちょっとイビキを心配してたのでグッドタイミングだった。

 7時出発。この辺りは山の中なので歩きだしからずーっと山の中ばかり歩く。延々と山の中を歩くがこっちの方が道に迷う心配がないのが利点。道しるべも昨日からはペンキの矢印だけじゃなくてちゃんとした道標が立っているので心強い。この道標(写真)、安い金じゃ作れない立派な物なんだが、いたる所に立っていて巡礼を導いてくれる。本当にありがたいし見るとホッとする。

 やがて深い森を抜けると空が開けて昨年泊まろうか迷った村に出る。村の入口に立っている教会の脇を抜けると公営のアルベルゲがある筈だが、今回も泊まらないので見に行くこともない。村の中に入って行き、広場のベンチで一休みしていくことにする。この広場の街路樹数本にはカラフルな毛糸の織物が巻きつかれていた。昨年もこの広場で休んだので良く覚えているが、木にこんなお化粧は施してなかった。なにかのお祭りでもあるのだろうか?こういう木の化粧は昨年も別の村で見たことあったので、特別な村がやってるだけじゃなくポルトガルでは良くあることなんかな?何の謂れがあるんだろう。

 今日もさっぱり巡礼が現れなかったが、やっと2時間経ったころに向こうからフランス婦人が登場。昨年、ポルトーサンチャゴ間を歩いたので今年はリスボンーファティマーポルトを歩いて巡礼を完結するそうだ。人それぞれに自分のルートを決めている。今日は私が泊まったラバカルに泊まるそうなので、あと2時間で到着か。それだと早すぎる気がするが、ラバカルを過ぎると次にアルベルゲがあるのは11キロ先なので山の中だし女性の足なので3時間掛るか知れない。だったらラバカルが手頃なんかな。

 明日はカミーノは二つに分かれる。歩きながらあれこれ考えが二転三転するどころか6転7転するほど悩む。トマール経由にすると三角形の二点を歩くようになるので距離は延びる。でもトマールにある中世のテンプル騎士団の本拠地「CONVENTO DE CRISTO」修道院を歩いて訪れたい気持ちがある。と言うのは、その修道院は計らずも日本からのツアーで訪れたことがあったからだ。修道院内を見学しているときに、ここは巡礼路になっているのが分かったので、ツアーでの訪問が何か引っかかっていた。なので出来たらトマールを経由してファティマを訪れたい。

 Ansiaoからトマール迄は53キロ、トマールを目指すなら途中の町で一泊必要かな。Ansiaoに泊まらずにトマール方面13キロの町まで進むことができればトマールには残り40キロなので明日着くことが可能だ。Ansiaoには12時に着くとして残りは13キロだ。一番暑い炎天下では歩くスピードがぐっと落ちるので3時間以上は掛かるだろう。これは想像するだけでゾッとするので却下。やっぱりAnsiaoで一泊入れようか。でもまだ考え中が続く。

 さてそのAnsiaoの町にやってきた。予想通りここからカミーノは二通りに分かれているのが確認できる。この後どうしようかと道端で地図を見ていたら地元の婦人が声を掛けてくれる「アルベルゲか?」。え!?Ansiaoにアルベルゲは無い筈だが。新しく出来たのかな?もうここでAnsiao泊まりと簡単に心が決まる。連れてってくれたのはレストラン付属のCasaと呼ばれる宿だった。アルベルゲじゃないじゃん。宿代は15ユーロなのでまぁ安い方だろう。でもボンベイロ(消防署)を見てないから「ちょっと待ってて」と言い残してCasaを後にする。昨年はメンテナンス中と言う理由で泊まれなかった消防署だが、今年はどうかな?行ってみたら今年も駄目だった。もう泊めるのは止めたのかな?昨年この町で泊まったホステルも廃業してたし、仕様が無いからさっきのCasaに戻ることにする。

 チェックイン15ユーロ。レストランの2階と想像していたが、別棟だった。宿専用の建物でベッドルームは2階で専用の入り口があった。何ヶ月も掃除してないようで、階段には白くホコリが積もってるんですけどー。ベッドルームに入ったらびっくり。ドア一枚分程度の部屋がずらっと並んでいた。各部屋には二段ベッドが1台置かれていて、通路はイス一個分しかない狭さだった。一応これでも個室ってことらしく部屋の鍵を渡してくれる。シャワーは水だし共用スペースには小さなテーブルとイスが置かれているだけ。まぁ自分一人だけで使うならこれも悪くはないかなと思っていたが、後からフランス青年二人組がやってきたので好き放題と言う訳には行かなくなった。

 スーパーを探しに出ると男の巡礼がいたので、自分の泊まっている宿を案内しようとしたが、今日はまだ先へ進むそうだ。1リットルビールに1リットルオレンジ100%ジュース、バーガー用パンにトマト1個とチーズに生ハムで7.3ユーロ。宿にはコップも皿もないので工夫して食べる。明日は山の中を29キロ歩く長丁場なので、まだ夕方にもなってない6時過ぎだけど睡眠導入剤飲んで寝ます。


Fatima21へつづく