Fisterra_Muxia2 怪しい巡礼路 Olveiroa

7/29 Negreiraを7時に出発。まだ夜明け前で暗いが、この時間に出発したのは数人いたし、1キロ後方のネグレイラの私営アルベルゲを出発した人も何人もいたので、最大で9人の巡礼の姿があった。そのうち6人が軽装なので、フィステラルートもバックパックの配送サービスが根付いているように見受けられた。今日は晴れたり曇ったり降ったりと目まぐるしく天気が替わっている。

 天気はイマイチだけど快調に14キロ歩いてビラセリオ村に到着。巡礼2回目まではこの村に泊まったことがあったけど、その後は毎回通り越しているので今回も村のバルで小休止して素通りだ。バルではコーラとビールは同じ値段で、下手するとコーラの方が高いことがある。今日は涼しいのでホットミルクとパイみたいのを食べ、あと20キロ歩いてオルベイロアの公営アルベルゲを目指す。200mほど前をカップルが歩いているので何とはなしに心強い。また雨が降ってきて本降りになってきたので面倒でも合羽を着込むことにする。あー面倒くさい。

 次の村にはバルとパン屋が隣り合ってあるのを知っているので、そこでも小休止とする。バルでビールを一杯やってから隣のパン屋に移動して手作りピザを切り分けてもらう。おばちゃんが包丁で「ここ?」と指すので、もうひとつ大きめに切ってもらい、それは量り売りだった。厚紙を上手に折ってピザが崩れないように包んでくれている。へー、こんな丁寧な包装始めてみた。今日のアルベルゲの近所にはロクナ店がないのが分かっているのでピザはその対策だ。

 この巡礼路も昨年から大きく変わった所があって、小高い丘と言うか本当に下から見上げる程の山に近い丘越えをするように変わったのだ。昨年は素直に山を越えてみたが、今までは山に向かわずにまっすぐ行ったので今年は巡礼路を無視してまっすぐ旧道を進むことにする。やっぱりこっちの方がずっとなだらかで歩きやすい。なんであんな苦労させるかな。と考えてひとつの企みが思い浮かんだ。実は山越えをした先には新しく私営アルベルゲが昨年できたのだよ明智くん。きっとわざわざ山越えさせるには裏に黒い取引があったと想像する。勝手な想像だけどね。登り口の三叉路には件のアルベルゲ兼バルの看板がデーンと立てられていた。更にもうひとつ、2日後の巡礼路のコルクビオンでも巡礼路が昨年から変更になっていて、それもきっと新しいアルベルゲに誘導するためと思われる。それはまた2日後の巡礼記で触れようと思います。

 前にも休んだことのある屋根付きのバス停が出てきたのでザックを下ろして小休止とする。小雨なので屋根があるところは貴重だ。そこへ女性のソロ巡礼がやってきた。この辺りが丘越えの巡礼路と交わる所なのかな?良く分からない。そこから暫く歩いていくと、いつのまにか後方に数人の巡礼がいたので、交わる分岐はもっと後だったのかもね?でもハッキリしない、何回も歩いている筈だけどまったく覚えがない。

 33.6kmを7時間半でOlveiroa村に到着~。バス停で挨拶した女性に追いついたのでここのアルベルゲに泊まるのかと聞いたらそのとおりだったので、路地を入った先にあるアルベルゲまで案内してあげる。ついでに、ここのチェックインは夕方だからベッドは自由に取っていいんだよとも教えたる。まだ2時半なので今日は予想より早く歩けた。

 少し長めを歩いたので今日はスタミナ不足を感じたからすぐ近くのバルでMENU(定食)を食べることにする。ちょっと安めの9ユーロだからか、トマトは良くこんだけ薄く切れたなと感心する程なのでスライサーで切ったんだろう。レタスは重ねることなく一枚ずつ並べられている。ふぐ刺しじゃあるまいし。ここらは野菜が高いんか!2皿目はポーク、デザートはプリンを食べる。まぁ安いからこんなもんかな。唯一良かったのはワインが嬉しいボトルで出たこと。出たものは全て飲むのが鉄則。

 隣のベッドには上下段に友達同士の婦人が入っていた。明日はどこまで歩くのか尋ねたところ、私が目指すフィステラじゃなくて先にムシアへ行ってからフィステラに行くそうだ。じゃぁフィステラとムシアがクロスする道で会うかね!?と身振りを交えて言ってみると受けているようだ。昨日のアルベルゲで一緒にカルボナーラを食べたフランス姉ちゃんも無事に到着してきた。みんな30キロ以上を良く歩くね。

 7時ころにオスピタレラがやってきてチェックインが始まる。どうせ暇だしベッドは既に確保してあるので全員がチェックインし終わってから最後に受付してもらう。ガリシアなので安定の6ユーロ。

 白ワインをボトルに入れて2日持ち歩いているが、昨日はアナがプレゼントしてくれたワインを飲んだので飲むチャンスがなかったからここのキッチンで飲むことにする。酒の肴にはアナがくれた鰯のオイル漬けが旨い具合にあるし、2日持ち歩いているバーガー用のパンも持っている。アナが教えてくれた通り、イワシをパンに載せておっかなびっくり食べてみた。生臭くなく魚が得意じゃない私でも問題なく食べられる。って言ったら旨いと絶賛しながらプレゼントしてくれたアナに怒られるかな?嬉しい誤算で美味しく食べられるのが分かったので、もう一缶は後のお楽しみにしよう。私のスペインで買い求める食材リストに鰯のオイル漬けが追加された。

 隣のテーブルではさっきベッドルームで話した婦人がカップ麺を食べだした。欧米の人にこの味が薄いカップ麺はどうなんかな?日本の美味いカップ麺を食べ付けていると味がしなくてイマみっつくらいだ。こんなの食べてラーメンを食べた気になっている人が日本のラーメンを食べたら、その美味さに驚くんじゃないのかな。食べてるのはカップ麺でもワインだけはちゃんと飲んでいる所は流石にスペインだ。今日は昼間のバルとここでワインを結構飲んだのでスコーンと寝てしまったらしく、私の上段ベッドに誰か入ったのを気づかなかった。


Fisterra_Muxia3へつづく