Fisterra_Muxia4 Fisterra到着 Fisterra

7/31 セーのアルベルゲ。キッチンの包丁を借りてバゲットを小さくカットして、ジュースとインスタントコーヒーの朝飯。ここのキッチンはアルベルゲの家族も使うのかとても充実している。ゆっくりと8時過ぎに出発。自分のあとには3人の巡礼がいただけで、少年のグループをはじめ他の10人程は既に出発した後だった。今日の行程は10キロちょいなので急いで出なくても余裕で到着だけど、他に予定があるのだろうか。

 セーを出ると、ここでも巡礼路は昨年から変更になっていて、海岸沿いの通りから外れてコルクビオンの町中へと誘導されていた。そこには昨年出来たのかな?今まで知らなかったアルベルゲが道沿いにあったので「えっ」と思ったものだが、こんな回り道しなくても海岸沿いを歩けば景色はいいし歩道も付いているので危険なことは一切ない。わざわざコルクビオンを回らせると言うのはあのアルベルゲに誘導する以外の何者でもないだろう。これも一昨日のオルベイロアへの丘越え巡礼路と同じ裏取引があったと想像する。

 海岸沿いを歩いて行くと当然のことながらコルクビオン経由の巡礼路と広場で合流する。だれだよこんなルート考えるのは。子供が好きそうな狭い路地と石段を登ってコルクビオンの町をを後にする。20分程山道を歩いて行くと、今度は公営のアルベルゲの出現だ。サンロキ、ここはドナティーボで2食付くようだが余りに町から離れているので泊まったことがない。何かのタイミングが合えばいつか泊まってみたい、ずっと気になっているので。

 海が見えるようになり、いよいよ今回の巡礼も終わりが近づいてきたことを知らされる。毎回ここからの道も矢印やモホンに導かれるまま巡礼路を歩いてきたが、昨年、巡礼路の下に舗装路があるのを見つけた。そっちの方が海沿いを歩けることを発見したので今回は矢印を無視して海沿いを歩くことにする。でも実際に歩いてみると交通量はあるし余り面白いものじゃなかったので来年歩くとしたらやっぱり巡礼路に従おう。

 フィステラの町が遠く湾の向こうに見えるところにベンチが数台設えてあったので休憩していく。昨年は上を通っている巡礼路からこのベンチで休んでいるおばちゃん巡礼数人を見つけて気がついた所で、上から覗き込まないとこの道路もベンチも見ることが出来ないので、下に道路が走っていることを昨年初めて気が付いた。ベンチに座り持ち歩いているジュースのデカパックをゴクゴク。50mほど先でバックパックを足元に置いた巡礼らしきお嬢さんがヒッチハイクをやっているのが目に入る。掲げている大きな紙には行き先が書いてあるようだ。フィステラじゃなくて逆方向の車を捕まえようとしているので、サンチャゴに戻りたいのだろうか。ジュースとニンニク味のラスクを食べながら暫く見ていたがさっぱり止まってくれる車がないな。一息ついたのでさあ出発だ。お嬢さんの横を通り過ぎたところのタイミングで少し離れた所に車が止まった。お嬢さんは停止した車にバタバタと走り寄って何やら話しかけている。交渉が成立したようでバックパックをトランクに放り込んで車に乗り込んだ。長らく待った甲斐があったね。お嬢さんがヒッチハイクしていた所を過ぎると、すぐに舗装路を離れて巡礼路の細い道に復帰する。

 海水浴場がパラパラと現れて巡礼路もすっかりビーチ横を歩くようになった。何度も貝殻を拾った海岸には今日も数人の巡礼が貝殻を拾っている。サンチャゴ巡礼のトレードマークになっている帆立貝も拾えるので良いお土産になること請け合いだ。タダだし。

 11時5分、Fisterraのアルベルゲ前に到着~。オープンは13時なので2時間待ちだ。いつものようにバックパックを扉の前に置いてトップバッター確保。安全のためバックパックが見える所に座って日記を書くことにする。私の後ろに早くバックパックが並ばないかな。そうすると複数の目でバックパックを見張ることになるので近所をウロつくことが出来るんだが。

 この脇にはフィステラのバス停があって、Monbusのバスが到着するとぞろぞろと巡礼が降りてきた。みんなサンチャゴまで歩いてきてバスでここフィステラを見にやって来た人たちだ。折り返しのバスにはサンチャゴへ帰る2,30人の人たちが乗り込んだ。

 11:35、カップルの小型ザックが私の次に並んだので一寸嬉しい。カップルは道路を挟んだアルベルゲ前に座り込んだのでバックパックの見張り番には最適だ。その後も3つのバックパックが並んだのでもう心配はいらないからフィステラの巡礼証明書を貰いに行ってみよう。昨年まではこのアルベルゲで証明書を発行してくれていたが、今年からガリシア州のインフォメーションで発行することになったのを知っている。証明書発行はこのアルベルゲに泊まらない巡礼も沢山貰いにやって来ていたので、表の張り紙には場所が替わったことを知らせる但し書きが張り出されていた。インフォメーションは前にバスチケットを買った所かと思い込んでいたので広場の反対側の店に行ってみると、ここではなくアルベルゲの前を行った所だと教えてくれる。じゃぁそっちに移動だ。

 そこはフィステラ灯台へ行く途中にある広場で、離れた所からもすぐ分かる黄色くて目立つ建物だった。何度もこの近くを歩いていたけど、ここにインフォメーションがあることを初めて知ったよ。入って行ったら3年連続で会っていて、昨年別れ際に「来年も会えるだろう」と言ってくれた女性が受付にいた。会った瞬間に気づいてくれ「あーっ」とか言いながら喜んでくれたので嬉しくなる。アルベルゲの受付は交代だろうから、会える確立は50%位かなと思っていたけど、こっちに移動になっていたのか!でもこの人はきっとボランティアだろう。早速クレデンシャルを広げて証明書を書いてもらう。もう4回も会っていることだしと「あなたの名前も書いて」とお願いすると快くサインを加えてくれる。マリアか、4回目で初めて名前を知ったよ。私の後ろにカルボナーラを食べさせてくれたイタリア爺がいて、自分の証明書にも名前を書いてとお願いするも「彼は4回も会っているから特別だ」と断られてしまってた。おっちゃん美人に断られて残念そう。

 アルベルゲは13時ジャストにオープンしたので1番に受付して貰える。もっと並ぶかと思ったが私の後ろには7人しか居なかったな。ベッド代は6ユーロ。20ユーロ札しかなかったので釣銭がたまるまで待つことになりそうだったが、後ろのイタリア爺が気を利かせてくれ、私の20ユーロを取って10ユーロと5ユーロ札をくれて合計15ユーロをくれたのでイタリア爺には1ユーロの借りとなった。ちょっと計算が分かりづらいけど結果的にそうなった。ベッドは昨年と同じ、二階で窓際の下段をゲットできる。一番乗り出しね。明日はムシアまで29キロを歩くので早朝の出発だ。窓から入る明かりで出発準備ができるこの位置は絶好のポジション。

 イタリア爺に1ユーロ返したくて隣のスーパーで現金で買い物したけど運悪くお釣りが2ユーロコインと細かいのが0.75だった。また返せないのでどうしようかな。アルベルゲに戻るとヘアスタイルは違うが今日のオスピタレラも見覚えのある顔だったことに気づく。やっぱり数人が交代でやってるらしい。2年前にマリアと一緒に写真を撮らせて貰ったセニョーラだったので、タブレットに保存してある当時の写真を見せたら大喜びしてスマホで撮っているので他の写真も見せて上げる。勿論マリアとも友達だ。マリアは昨年ベビーを生んだことまで教えてくれる。タブレットに過去の写真をいっぱい保存してあるので時々こうして楽しいことが起こるので手間ヒマ掛けた甲斐があると言うものだ。

 レセプションのテーブルで飲み食いを始めたら持ち歩いているパンを全部食べてしまったので腹がいっぱいになってしまった。ここでは向かいにある安くてサービスの良いレストランでピニエント・デ・パドロン(しし唐素揚げ)とプルポ(蛸)を食べるのを楽しみにしていたのだが、これじゃぁ食べられないな。どうしよう。そろそろ3時なので片道3キロのフィステラ灯台を往復すれば腹が空くかも知れないな、早速行ってみよう。

 カルボナーラを食べさせてくれたイタリア爺と今日は同じベッドルームだ。別々にフィステラ岬に行ったらまた会ったので記念にパチリ。コワモテだけど、その行動でいい人というのが分かる。4時、灯台の前まで行くと向こうから満面の笑顔で手を振りながら近づいて来る女性がいた。どうやら先にMUXIAに行って今日フィステラに着いたお嬢さんのようだとピンと来る。一昨日か3日前のアルベルゲでクロスするねと言ってた内の一人らしいが、残念ながら私は顔を覚えてなかった。最初に会ったときに写真を撮っていれば思い出すことも出来ただろうが、やたらめったらカメラを向けるのも憚(はばか)られるので仕方ない。でもクロスするかもと言ったことを前提にお喋りしてほっこり嬉しい再会になった。互いのカメラで一緒に写真を撮ってバイバイする。


Fisterra_Muxia5へつづく