Fisterra_Muxia7 ムシアの休日2 Muxia

8/3 MUXIA3日目、昨晩は綺麗な夕日を見られて今朝は朝日が見られた。このアルベルゲは東側の大きなガラス窓が海に面しているので朝日を見るには絶好のロケーション。ママは今朝も早くから出勤して来ていていつもの受付用のテーブルでパソコンをいじっている。自宅は歩いて10分ほどの町の反対側にあるそうだ。インスタントのスープとコーヒーを作って買い置きしてあるパンをもぐもぐ。

 日本に留学が決まっているクリスのために安いロシアとポーランド航空の飛行機が成田のどこに到着するのか調べてみる。両方とも第一ターミナルだがウィングは別だった。それと第一ターミナル到着後の入国の流れと空港内のマップが見られるアドレスをメッセンジャーで送ったる。まぁクリスは日本語が堪能なので到着すれば自然と分かることだが前もって知っていて損はないだろう。昨日クリスが円の両替はどこでするのが一番良いのか尋ねていた。自分は日本円を4万円以上持っていることを思い出したので、クリスが希望するならここにいる間にできるよとも付け加えてみる。それならレートは同じでも手数料が掛からないから少しはお得だ。ママも両替はハンガリーと日本のどちらでやった方が率がいいのか知りたがっていたので、希望なら自分が両替できることを伝える。

 フェイスブックを開いたらネット仲間のぷりちゃんがログインしていたのでメッセンジャーで電話を掛けてみる。こっちの朝8時は日本では7時間遅れの夜中1時ころかな?電話すると今日はとても鮮明に聞こえてまるで同じ市内にいるようだ。そう伝えるとこないだスマホを換えたかららしいとの返事。

 9時になったので必要なものだけナップザックに移し変えてアルベルゲを後にする。今日はMUXIAの象徴とも言える山に登るのだ。MUXIA名物、半島の先端にひょっこり突き出ている特徴のある山だが簡単に上ることが出来る割に頂上からの景色は抜群。まだこれでも朝が早いのか、ここに来る人は誰もいないのでダイナミックな景色を独り占めできる。360度の眺めをグルッとデジカメのビデオに撮ってみる。下におりて昨日朝飯を食べたベンチでジュースとニンニク味のラスクをポリポリ食べる。10時のお知らせなのか、舟の教会から鐘の音がガンガン鳴り出した。

 普段は閉まっていて入ることができない舟の教会だが、行ってみたら扉が開いていたので入ってみる。ミサじゃなくてどっかの団体のために開けたようで教会の説明をしている。ちょっと見まわしただけでさっさと出てくる。

 時間が経って来るとゾロゾロと団体がやって来て幾分賑やかになって来た。お揃いのシャツを着た子供たちのグループも来たので、きっと学校行事でサンチャゴ巡礼をした子達かな。大きな岩が所狭しと重なりあっている海岸には一風変わった平たい大石があって、マリア様が乗ってきた石の舟の残骸だという突拍子もない噂がある。この岩の隙間を7回くぐると願いが叶うとか何とか。今日も一生懸命にやってる親子がいるな。子供はいいけどメタボの親父は腰痛になってしまいそうだ。この岩場はアメリカ映画「星の旅人たち(原題 The Way)」にも登場した場所なので映画を見た人なら有名なことを知っているだろう。

 12時になったのでアルベルゲに帰る。クリスが出勤していたので、両替のことを言ってみるとまだ日程が決まっていないので、どうするかはもう少し先になってから考えるそうだ。今のところはユーロが安くなっているから、両替は1ヶ月先の方がいいかもね。それに日本のビザが下りるのがまだ2週間先だし航空券だってビザが下りてから買う話なので、ホントにどう転ぶか分からないのだろう。

 クリスは留学したら東北大の学生寮に入りたいそうで、ネットで寮の動画を見せてくれる。ホントに凄く立派な学生寮なのでびっくりした。一昔前の木造2階建ての学生寮とは雲泥の差だった。ここに入れるといいねーと言うと深く頷いている。家賃は27000円だったかな?食事はどうだったか忘れたが、部屋代だけでも格安だ。ハンガリーは物価が安いので、アルベルゲの12ユーロでも高く感じると正直なところを話してくれる。日本はビールも高いよーと余計な情報を伝える。クリスは敬語を完璧に覚えたいそうだ。それは仕事に必要だからと留学目的もとても具体的。

 今日は巡礼が続々とチェックインしてきて大賑わいになる。ベッドルームに置かれているベッドだけじゃ足りなくて、ベッドとベッドの隙間にマットレスまで敷きだした。フルになってもまだやって来るので、やっぱり8月は混むんだなーと再認識した。これからは8月に入る前に巡礼完結した方が良さそうだな。私が8月にずれ込むのはこれが初めてかも知れない。昨日はゲボ逃げされたベッドを洗濯中だったので、昨日こんなに泊り客がやって来たらベッドがそれだけ足りなくて損しちゃった所だろう。昨日が空いてる日で良かった。ママとクリスに日本語のまま「ママがっぽがっぽ」と懐にお金が入る仕草と共に伝えたら、ママは「クリスの飛行機代が高い」とこぼしている。物価が高い日本に留学させるのは大変なんだろなー。クリスが留学の経験を生かせていっぱい稼げるようになるといいね。

 お昼を一緒に食べようと提案される。ママのハンガリー料理を食べさせてくれるんかなと期待する。ボランティアのデイビットの他にハンガリーの男女二人も同席して6人の昼食会。それは見たこともない料理だった。パンのようでもありケーキのようにも見える。これにホウレン草から作ったホワイトソースをたっぷり掛けて食べるそうだ。見た目も良かったが食べるととても美味しい。ハンガリー料理かと聞いたら、そうでもないらしい。ママの創作なのかな。昨日、ここで飲もうと思っていた1リットルビールが2本あるので、みんなに飲ませたる。良かったいい使い道があって。

 午後、ママが近くのビーチにクリスが行ってるから泳ぎに行ってくれば?と言ってくれたので行ってみよう。きっと水は冷たいだろから足だけ漬けてみようか。海パンに着替えて歩いて数分のビーチに行くと結構にぎわっているが満ち潮なのか水位が高い。昨年は岩場で隔てられた隣のビーチまで歩いていけたけど、今日は腰の辺りまで入らないと隣までいけないし、水も冷たいので手前のビーチをうろついて帰ることにする。無料のビーチだが(まぁ当たり前)上がる所にはちゃんとシャワーの設備が整っている。足の砂を洗い流していたらクリスも上がってきたので一緒にアルベルゲに戻ることにする。ビールはもう1本あるので、クリスとハンガリーのボランティアさんにも飲ませたる。

 明日の食料を求めにスーパーへ。今日はビールを二度飲んでいるので、ピンクのワインと1リットルの飲むヨーグルトを買う。ワインはみんなに飲ませてやろう。アルベルゲに戻るとコリアの母娘と台湾からの男女3人組がチェックインして来た。今の時間にチェックインできると言うのは予約してあったようだ。韓国と日本はいま微妙だけどそんなことを言い出す韓国人は誰もいない。台湾の人と会うと「台湾、日本はフレンドリー」といつも言っている。これは結構受ける。

 コリアの女の子はタレントの剛力あやめに良く似ていたので、ネットの写真を見つけて「似てる」と言ったら満更でもないようでポーズを取っている。でも撮った写真で見たらそれほどでもなかったな。台湾の子は二人が女の子。年上なのか、一人がキッチンでスパゲッティを作って二人に食べさせるようだ。その子はダニに噛まれた後が体中に残っていて気の毒のよう。どうしたのか聞いたところベッドバグにやられたそうだ。こんなになるのか!恐ろしいな。私は幸いにもこれまで南京虫の被害にあったことはなくて、せいぜい普通のダニ程度で済んでいる。南京虫にやられると痛くて痒くて酷いらしいのでこれからも幸運が続いてもらいたい。

 自宅に戻ったクリスからメッセンジャーが入って、いま目の前の湾にイルカが入っているそうだ。えっ、野生のイルカが見られるのかとすぐ行ってみたが姿は見えなかった。もう戻ってしまったのかな?残念~。


Fisterra_Muxia8へつづく