Ingres1  A Coruña ヘラクレスの塔 Ferrol

7/21 サンチャゴのアルベルゲ、ルーツ&ブーツ。暗いベッドルームからバックパックを抱きかかえて隣の明るい部屋に移動、パッキングを完了する。同じように出発準備を始めているのが数人いるので、きっとこの人たちはフィステラ迄歩く人たち。このアルベルゲには巡礼だけじゃなくバックパッカーもいるようで雰囲気が違った。

 2,30分歩いて7時半にサンチャゴ駅へ到着。券売機は苦手なので窓口であらかじめ行き先を書いた紙を見せてA Coruna・Ferror行きの切符を購入。やっぱり切符は2枚だった。係に「見物するんだ」と言う身振りと共に「アコルーニャ・ヘラクレス」と言ってヘラクレスの塔を観光するんだと伝えた積もりだったが、伝わってないらしくコルーニャ、フェロール間は接続が一番早い切符をよこした。これだと乗り換え時間に観光できないので、タブレットに保存しといた電車の時間を見せて別の切符を出してもらうことに成功する。半信半疑だったがネットで調べた電車の時間で合っているようだ。8時35サンチャゴ発コルーニャに9時3分で7.6ユーロ。コルーニャ14:31発フェロール15:45着で6.3ユーロだった。

 今日中にフェロールに行けることが確定したので、イギリス人の道の巡礼出発点フェロールのオスタルを急いで予約しよう。うまいことに駅にフリーのWi-FiがあったのでBookingcomでフェロールの安いホステルを予約できる。あ、もうスペインだからオスタルだ。コルーニャでヘラクレスの塔を見てからフェロールへ移動する。コルーニャには5時間いられるので観光するには十分だろう。

 A Coruna駅に到着。3年前にも乗り換えのため降りた駅なのでちょっぴり懐かしい。タブレットを片手にまずはアナの会社を目指して歩き出す。バスや電車は利用せずに、どこでも歩いて行く積もりなので単純。アナは3年前にフィステラの道で一緒に歩いて今もフェイスブックで繋がっている楽しい友達だ。

 コルーニャは大きな町だが、分かり易い道路なので迷うことはなかった。でも歩いている途中で今日は日曜日だと気づく!!日曜は普通、会社は休みだろう。まったく考えに入ってなかった。それでも折角やって来たことだしアナの会社faxpgの前まで行って写真だけでも撮ろう。会社にはすんなり着いたが案の定シャッターが下りていた。タブレットで会社の前で記念撮影して Wi-Fi のある所でアナのフェイスブックに貼り付けてやろう。それと来た印にマリアカードにサインしてシャッターの下から滑り込ませておく。

 後日、アナから嬉しい知らせがフェイスブック経由で届いた。そこには私が滑り込ませたカードを掲げたアナの写真が添付されていた。私が訪ねて行ったことにテンションが上がったのか、およそ一週間後に私が泊まっていたアルベルゲまでアナが訪ねてくれることになったが、それはまだ先の話です。

 ヘラクレスの塔(灯台)、行きは5キロ迷子になってしまった。途中までは良かったが道が曲がりくねり出したら分からなくなってしまう。それでも海岸に出たので、これを離れなくちゃ灯台に着く筈だ。何てたって海の先端の灯台だからね。途中に店があったのでファンタオレンジを買って海岸沿いのベンチで飲んで一息入れる。

 前方に小さく灯台が見えてきたので気を良くする。案内板に「ヘラクレス右」とあったので曲がろうとすると、地元の老人がまっすぐだと教えてくれる。「でもこれは?」と手まねで案内板を指すと、それは遠回りだと言ってるらしいので素直に従う。

 灯台前に到着~。灯台に登るにはずっと手前のインフォメーションでチケットを買う必要があるとネットで教えてくれてたので小さなブースへ。シニア割引もあって半額の1.5ユーロで買うことができる。日本も早くシニア割引をあちこちで導入してもらいたい。チケットブースから目当てのヘラクレスの塔はまだ大分あるので、あっちまで歩いてまたここ迄チケットを買いに戻るのは辛い。事前情報に感謝だ。あんな離れた所まで行ってからここに戻ってチケットを買う人っていないんじゃないかな?だったら入らなくていいやってなりそう。

 チケットは時間指定だった。灯台の入り口に行ってしばらく待つと先に入った人たちがパラパラと出てきたので、そろそろ入れるんかなと出口の女性に尋ねてみると、入り口は一段下がったところに別にあることを教えてくれる。やれやれ文字が読めないのも大変だね。

 中に入ると最初に現れたのはローマ時代の灯台底部だった。大岩がごろごろ。狭い石の螺旋階段を上っていくと途中に小さな部屋が幾つもあって、昔は兵隊や技師がここで駐留してたんかなと想像する。てっぺんに上るとぐるっと360度の景色が楽しめる。やっぱりコルーニャって大きな町だなー、ビル街だらけ。あっちの方角に行くと駅になるんかと帰りのイメージを描いてみるが、下に降りればそんなのは消し飛ぶだろう。

 入口で持たせてくれた入場カードを返しに行くと、入り口にはスキンヘッドにタトゥーまみれの男がいて、腰にはピストルを下げているので本物の警官のようだ。日本じゃありえないがこれがスペイン。幾ら何でも自由過ぎるよ。そのタトゥーに目が点になった。和風の刺青なんですよこれが。日本髪の着物美人が描かれていて、「押忍」と漢字まで入っている。「これ撮っていい?」と聞くと大喜びで応じてくれる。「オス、カラテー」と言っている。こいつは結構な旅ネタを仕入れられたとこちらも大喜び。

 バス停が近いことだし帰りはバスに乗ってみようか。今は巡礼中じゃないしね。チケットを買ったインフォメーションでどこのバス停から乗れば駅に行けるのか何となく教えてもらう。道の両側がバス停なので、どっち?とも聞いておく。さてそのバス停で待っていると程なくバスがやって来たので行き先を尋ねることなく乗り込む(失敗)。車窓からは歩いてきた道が所々現れてきたので駅に向かっているのが分かる。しかし、これちょっと時間が掛かりすぎじゃね!?もしかして駅には行かないのかも知れないと何となく不安になっていると、そのとおり最後は私一人になってしまい、運転手までバスから降りてしまう。地元の前橋市あたりじゃ多くのバスは駅に行くのでその積もりでいたのが誤算だった。「積もり」が高じて普段は乗る前に必ず聞く行き先を確認しなかったのが最大の敗因。バスを降りてしまった運ちゃんに駅方面を教えてもらい結局また歩き。幸い、タブレットのGPSが位置を示してくれたので、どこの道を行けばいいのか分かるのがせめてもの救いだ。凡そ3キロなので30分も歩けば着くかな。

 想像とは違った方角から駅に到着。バスは間違えたが早めに帰りの行動に移ったのが功を奏して電車の時間を心配しないで済んだ。フェロール行きの電車の時間までは1時間弱あるので駅の近くで昼飯を探す。料理の値段が書かれていたのでトルコ料理の店に入る。メニューの写真を見てサラダで軽くと思って注文したら下に細かい肉がいっぱい。油っこくてまた腹が心配になったので胃薬を飲んでおく。ビールも一緒に頼んだが、ビールは駄目と言ってるようなのでコーラにしといた。モスリムの店は面倒だな。

 電車は定刻どおりに出発して4時前にフェロール駅に到着~。まずインフォメーションに行ってスタンプを貰おうとしたけどシエスタ中で閉まっていた。くそまたか。じゃぁフェロールのカテドラルだ。コルーニャのインフォメーションでスタンプを貰ってあるが、巡礼証明書貰うためにはフェロールのスタンプは絶対に必要だ。証明書が欲しくて巡礼してる訳じゃないけど、証明書は頑張ったことを象徴する物なので私は欲しい。と言いながら一番長い距離を歩いた「銀の道」の証明書を途中で無くしてしまったのは私です。

※お役立ち情報
 イギリス人の道のスタート地点はふたつ。コルーニャとフェロールですが、コルーニャからサンチャゴまでは100キロ未満。コルーニャ出発でも巡礼証明書は発行されますが、コルーニャ市民とかの条件がつくらしいです(曖昧)。それに対してフェロール出発ならサンチャゴまで120キロあるので誰でもスタンプさえ揃っていれば発行されます。

 フェロールの町の半島先端に目的の教会があるので、その途中にも二つの教会があった。でもどちらも施錠されててスタンプどころか入ることも出来なかった。やっと目的の教会に到着するも、ここも扉は閉ざされていた。万事休すか?でもないか、インフォメーションが開けばスタンプをもらえる可能性は残っているしオスタルでも貰える可能性があるもんな。でもこの教会の隣は高級ホテルのパラドール(写真)だった。パラドールならスタンプを置いてあるだろう。粗末な身なりでずーずーしく入って「ティエネスセジョ?(スタンプある?)」と聞くと愛想よく応対してもらえる。これでフェロール最初のスタンプはオーケーだ。シエスタが終わった時間なのでインフォメーションのスタンプもゲット。今晩のオスタルLa Fronteraを目指す。

 今日のオスタルは大当り。昨日の二段ベッドと同じ料金なのに完全個室のバスルーム付き。タオル2つにシャンプー歯磨きまで付いてて完璧です。このオスタルは1階でバルもやってるが、飲むだけで食事は提供できないそうだ。日曜で町中の店がシャッター降ろしてるので食費が節約できない。小瓶のビールを2本飲ませて貰って食べられる店を探しに出て行く。ここんちなら安いだろうと入った店はプレート料理と思ったらハンバーガーだった。ワイン一杯1.9ユーロと昨日のボトル1本と同じ値段。バーガーと両方で8ユーロと少し。ここんとこ私営アルベルゲだったりオスタルだったりと節約できてない。買物が出来ないので部屋ではひたすら水を飲んでます。

 テレビではドラえもん、のびたがスペイン語喋っています。イギリス人の道はアルベルゲが少なく、泊まるポイントがほぼ決まっているので5日後のシグエイロ(私営アルベルゲしかない)とサンチャゴの私営アルベルゲをネットから予約を入れておく。それとマドリッドへ帰る日は決まっているので、その前の2泊をサンチャゴのメノールに予約を入れる。メノールはいつチェックしてもフルだったが、さすがにこんだけ先なら予約が可能だった。しかし、こんな先まで予約入れる年は初めてだ。安心して歩ける反面、自由気ままに歩くことができない。


イギリス人の道2へつづく