Ingles2  今日からイギリス人の道 Neda

7/22 Ferrolの安くて快適なオスタル6時起床。安かったのは部屋に窓がないからか?お陰で外が明るいのか暗いのかもさっぱり分からない。チョコパンとコーヒーで朝飯。洗面所でお湯が出るので暫く出しておくだけで熱湯になるからインスタントコーヒー飲むのに便利。

 ポルトガルなら7時台で普通だけどスペインなので遅めの8時10に出発。ここフェロールの町からイギリス人の道が始まる訳だが、フェロールの湾岸線をぐるっと回って巡礼路は円を描きながら続いている。3年前は電車でフェロールに着いてからすぐ歩き出したので、時間がないから円の真ん中を突っ切る形でショートカットしたが、今回は時間はたっぷりあるので素直に巡礼路に沿って歩いていくことにする。ぐねぐねと曲がりくねってとても無駄の多い巡礼路。軍港の金網フェンスの中には魚雷や機関砲などの古い兵器が展示してあった。現役の軍艦を写真に撮るのはどうかと思うが展示してあるのならいいんだろうとカメラに収めてみる。

 町外れに大きなスーパーRiDLがあった。時間が早いのでどうかなと思ったが人が出入りしているのが見えたので開店しているのが分かった。飲むヨーグルト330mlの大きなのを買って店内でゴクゴク。ヨーグルトを飲むと気分的にすっきりするし、きっと胃腸にも良いはず。

 林の道が酷かった。矢印に従って歩いて来たけど人が通った気配はなくて、少ししたら岩の下までの1m程を飛び降りなくてはならなかった。おかしいなー、正規の巡礼路ならこんな怪我をしそうなルートにはしない筈だろうと戻ってみる。でもやっぱり矢印のある地点までやってくると、この道を行く以外ほかに分岐はなかったのでまた同じ道を進む。仕方ないから1mの段差はバックパックを下ろしてから飛び降りる。もう終盤に入っているとは言え、こんなところで足を挫いたら偉いこっちゃだ。

 さて、この先は更に酷い道になってきた。本当にこれ巡礼路か!と言うような鬱蒼(うっそう)とした道になり、大きく伸びたシダが道に覆いかぶさっているので、その下に歩いた後がかすかに見える程度。道無き道を掻き分けながら進むもとうとう海に落ちるしかない終点にぶつかってしまった。途中に分岐があるかと注意しながら来たのでこの道しかない。そこでやっと間違った矢印に導かれたんだと気付く。誰だっ、こんな矢印描いたのは。

 うんざりしながら最初に矢印を確認した地点まで戻る。この矢印は偽物なので更にその後方の分岐まで行ってみた。そこには歩行者進入禁止の立看があるが、これを行くっきゃないだろうと歩き出すと後ろからやってきた車がプップーと鳴らして手で左を指差しながら走り去って行く。もう一台も同じことをしてるので、これも巡礼路ではないらしい。またうんざりしながら更に遡ってみると、なんだこんなところに逆を行くモホンがあったよ。ここは大きな道なので、道路の右側歩道を歩いてくるとモホンは死角になりインチキ矢印に出会うことになっているので危険だ。あのインチキ矢印はきっと昔の巡礼路だったのかも知れないな。イタズラで描かれたようには見えなかったので。だったら早急に消すかバツ印に変えてもらいたいもんだ。私のように迷うのがきっと出るだろう。

 さて、反対方向の道を歩き出したはいいが、暫く進むと今度は向こうからやって来た車が止まってくれて「これはカミーノじゃないよ」と教えてくれる。ハテナポーズをしていると車から降りてきて詳しく説明しだした。この道を戻って二つ目の歩道橋を渡るのがカミーノとのこと。親切な人にムチャグラシアス。ぺたぺた戻ると本当に歩道橋の根元には矢印が描かれていたけど「見落としてくれて結構」と言う程度のものだった。本当にこの付近の三角地帯は酷かった。3年前も歩いてるけど、高速道路を跨ぐ大きな陸橋も渡らなかったし両側が海の細い道もなかったので巡礼路が大幅に変わっている気がした。

 それでも道中で出会う巡礼は今までと違って親近感があり、テンションが上がって話しかけられるから楽しい。最初に会ったのは親子か、或いは孫とお婆ちゃんかな?婆ちゃんはどこか悪いのか、歩き方が少し変でバックパックも真っすぐに背負えていない。初日の今日から歩くのが大変そうに見えたが、ちゃんと大きなバックパックを背負って2本の杖をついて頑張っているので応援したくなった。この二人はイタリア人で、次に会ったのもやっぱり4人のイタリア人グループだった。今日はイタリアからの巡礼がとても多い。イタリア人に会うと必ず言う魔法の言葉「ピアッチェーレ(初めまして)」みんな間違いなく喜んでくれる。この4人連れもとてもフレンドリーで互いのカメラで撮りっこする。今まで22日間ずっと逆ルートを歩いていたので出会うと同時に別れだったが、これからはまた会うかも知れないという未来がうっすら見えるので凄く楽しい。

 今日のアルベルゲがあるネダにやって来た。イタリアの4人グループが追いついてきたので、同じネダに泊まるのかと期待したが、その先のベタンソスまで歩くそうだ。賑やかで楽しいグループだったのでちょっと残念かな。アルベルゲには12時少し前に到着。すでに4人のスペイングループが入っていて皆フレンドリー。受付の壁にかけてある大きな番号札を取ってからベッドに行くんだと教えてくれる。3年前はこんなことしなかったが、札がなくなるとベッドが満床になったと言うことなんだなと理解した。ここは管理者は夕方やってきてチェックインするのは知っていたが、このシステムなら管理者が不在でもフルであると知らせることが出来るって訳か。なかなかいい方法だと感心する。

 シャワー、洗濯してから少し歩いた先にあるスーパーDiaへ買出しに行く。坂を上って通りに出たら前と景色が違うのでアルベルゲに戻ってマップで確認したら、スーパーは逆を行くんだった。まったく当てにならない記憶でしょうがない。今日は野菜をいっぱい食べるんだと決めているのでカット野菜にトマト2個、1リットルビールにバーガー用パン1袋、塗るチーズとコーラにスイカ8分の1まで買ってもたったの3.85ユーロだった。これ間違ってないか?安すぎだろ!!通りに出ると、追い越したあの親子だか孫だかの二人連れが歩いているのが見えた。やっぱり私よりずーっと時間を掛けて歩いているんだなー。今の時間ここを通過するってことは次にアルベルゲがあるベタンソスに泊まるんだろう。ベタンソスには先にイタリアの4人グループが行ってる筈なので今夜はイタリア人同士で盛り上がるに違いない。頑張れよ婆ちゃん。

 キッチンで大皿に盛り付けしたのを談話室みたいな所で食べているとパラパラと巡礼が到着してくる。私も「番号カードを取るんだよ」と教えてあげる。たまにスタンプだけ欲しい巡礼がやってくるが、オスピタレロがいないのでスタンプは鍵の掛かった管理室の中なのでそれは無理だ。やっぱりベタンソスに行くのかな?

 フランス婦人が隣のベッドに入ってきた。フランス人には「サバ」と言えば喜ばれる。日本人と分かると不思議なほど「ありがと、こにちわ」と言われるので面白い。誰も彼もみんなフレンドリーなので凄く楽しい。ファティマを目指している時も同じだったのかも知れないけど、仲良くなっても明日はお別れなんだと思っていたので、こっちのテンションが低かったので気づかなかっただけなのかな?

 近くでスマホをいじっている二人のスペイン婦人が「はぽん」と言ってるので私のことを話してるようだ。やって来て言うには Wi-Fi の設定の仕方が分からないので教えてくれとのこと。タブレットでネットをしている私なら分かるだろうと思ったらしい。すでに送られてきたパスワード2つはメールで受け取っているので私にも出来そうだと思ったが、スマホはいじったことないので設定の仕方が分からなかった。文字もスペイン語なので、どこをどういじればいいのかも分からないので申し訳ないが成功しなかった。

 オスピタレロが7時40にやって来た。全員がクレデンシャルを持って集合。3年前にも泊まったんだよと言うと喜んでくれる。ここはガリシア州の公営なので同じ6ユーロ。オスピタレロのおっちゃんが「ウィフィイ ヌメロ(番号)」と言うのでスマホの人しか使えない Wi-Fi のパスワードを教えてくれようとしてくれてるのが分かったが、既に1月半前の北の道で教えて貰ってあるのでノーグラシアス。親切なおっちゃんだ。

 私の曖昧な記憶では、スマホのような通話可能のタブレットでないとガリシアの Wi-Fi が使えないシステムと言うのは4年前から始まったと思う。それ以前にはガリシアのアルベルゲには Wi-Fi 自体が用意されてなかったので。ガリシアの共通 Wi-Fi が普及したのに伴って、通話機能のないタブレットの巡礼がいつも困っている図がアチコチで見受けられたんだろう。それで親切なオスピタレロはこうしてサポートするようになったのかも知れない。だったらいっその事、アルベルゲの壁にパスワードを張り出してくれると助かるんだがな。

※お役立ち情報
 知ってる人は知っている、ガリシアの Wi-Fi は通話機能のあるスマホから取り合えず誰でも接続できるガリシアの Wi-Fi 本部(みたいな)に電話番号を送ります。それは誰でも接続できる仮の Wi-Fi です。すぐに送った電話番号に Wi-Fi に接続するための数字が2つ送られてくるので、それをもう一つの Wi-Fi に登録すると晴れて Wi-Fi が使えるようになります。通話機能のないタブレット(私)にはそれが不可能なんですよ。でもプチ裏技で人に送られてきたパスワードでも自分のタブレットに登録するとガリシアの Wi-Fi は全て利用できるようになります。多分1年限定。

 アナからメッセンジャーが入ってきて、土曜にサンチャゴのアルベルゲに訪ねて行くからどこに泊まるのか教えろと言ってくる。私は外国の友達とメッセンジャーでチャットするときは必ずGoogle様の翻訳に頼っているので文字のやり取りなら何とかできる程度。会えるのは嬉しいが、対面だとスペイン語は片言どころじゃないので間が持てないんじゃないかなー。アナは問題ないと言ってるけど。まぁアナとは3日間も一緒に旅してたのでどうにでもなることは分かるんだが。。。


イギリス人の道3へつづく