Ingles5 楽しい誕生パーティー Buruma 7/25 Presedのアルベルゲ、夜中にベッドがガタガタと揺れるので目が覚めてしまう。誰かが私の上段ベッドに入ったようだが、ほかのベッドの人が何かの理由で移って来たのかな?もしかしてダニ!?朝見たら、上段ベッドには見覚えのあるブランケットが掛かっている。これは昨日のミーニョのアルベルゲで、まだ真っ暗な明け方に外から入ってきて私の上段ベッドに納まった女性じゃないか!この人なんで毎回こんな変な時間に到着してくるんだろうと不思議だ。今回は扉が開いていたから入れたが、下手したら昨日の二の舞になって外で一夜を明かすことになったかも知れないのに。アルベルゲ代が惜しい訳でもないだろにな。一日の歩くペースが凄くゆっくりなのかな。起きてきたと思ったらまだ外は真っ暗なのに朝シャワーを浴びている。一日のサイクルがどうなっているんだろう。 プレセドのアルベルゲを6:20にスタート。ほぼ8人全員がその前にスタートしたので釣られて出発してしまった。真っ暗闇。ロンゲのおっちゃんが私の出発を待ってたかのように後を付いてきたので、この人は私が頭に付けているライトが目当てのようだ。滅多に使わないライトだけど、たまにこうして夜中と同じくらい真っ暗闇の中を歩くことがあるので、やっぱりライトは必要だ。400m歩いて昨日のレストラン横を入る所からカミーノに復帰できる。そこにモホンがあったので暗闇で写真を撮っていたら、おっちゃんは先に行ってしまった。もしかして後を付いて来たのは巡礼路が分からなかったのもあったのかな?おっちゃんはバックパックの配送を頼んでいるから軽装なので足が速い。 みんなの出発が早かったのは、今日はイギリス人の道最高地点を越える日なので涼しい内にとの思いがあるのだろう。標高としたら450mと大したことないけど300m上らなくてはならない。でも曇り空が続きやがて小雨になったので炎天下よりよっぽど歩きやすい。1時間半でスペイン女性二人組とイタリア婆ちゃんと息子に追いつく。写真、他の三人の姿勢と比べれば一目瞭然だろうが、婆ちゃんは今日も体を左右に振りながら頑張って歩いていて、その姿は本当に頭が下がる。婆ちゃん頑張れ。私とおない年だけど。 巡礼路が3年前とは明らかに違って見覚えのある所がさっぱり出てこなかった。ブルマへの巡礼路は高原のような所を歩く箇所や一風変わった建物があるので楽しみにしていたのだが、そこはとうとう現れなかった。代わりに眺めの良い小高い丘に到達したので5人でしばし足を止め、その美しさを堪能することができる。やっぱり巡礼路は変更になっていて、前はなかったコルーニャからの巡礼路と合流する所が現れた。いったい何処で合流するのか想像出来なかったので、ここが見られたのは良かった。 突然、ブルマ村に入ってすぐに目的のアルベルゲが見えて来た。Hospital de Brumaのアルベルゲ10:45到着~。今日は15キロと短かったのでさすがに早すぎた。オープンまで小雨の中3時間待ち。出発を2時間遅くすりゃ良かったかな。雨のためベンチは濡れてるので立ちんぼうで待っている。後から到着してきた女の子達はその濡れたベンチに平気で座っているな。ポンチョなのでいいんか。国民性か。 ここも昨日同様、村にはレストランが一軒あるのみなので、そこで食べる以外に選択肢がない。でもジュースと硬いパンを持っているのが命綱。これは明日の朝飯に取っておかないといけない。ブルマはフェロール出発組とコルーニャ出発組の二つのイギリス人の道が合流する地なので巡礼も続々と到着してきた。雨の中、沢山の巡礼が待っているので管理人さんが気を効かせてくれ11:30にチェックインを始めてくれる。一番乗りで受付して貰える。ベッドも早いもの順に贅沢に選べるので1階の一番奥でコンセント近くのベッドを確保する。ロンゲのおっちゃんが2番手でチェックインして2階に行ったり下に降りたりしながらベッドの物色をしているが、結局2階にしたようだ。3年前は私も2階のベッドにしたけど、今回は1階。何故かと言うとここのトイレは外に出た別棟にしかないから。夜中に一度トイレに起きる身としては暗い階段でこける訳には行かない。 後から後からベッドが埋まって行き、みんな濡れた衣類をベッドの柵に掛け出した。乾かないと明日困るのは誰でも同じなので見てくれなんて構っちゃいられないのだろう。涼しかったので石鹸なしで熱いシャワーを浴び、洗濯はしないでおく。雨だからどうせ乾かないのが分かってるし。ここのシャワーは男女共用でビニールカーテン1枚で目隠しされてるので中々スリリングだ。雨降りで寒くなってるのでシャワー後の長ズボンが役に立った。 女性二人組の巡礼が到着してきて私に挨拶したように見えたがはっきりしない。でも受付に並んでいるところをみたら、3日前に泊まったネダのアルベルゲで一緒だったおばちゃんだったと気づいたので後で挨拶し直しておく。 12時半、近くのレストランへ。巡礼メニューは1時からだそうだがOKしてくれた。1皿目のガリシア風スープはまるで味噌汁のよう。嬉しいことにワインがボトルで出てきた!もちろん全部頂きましたとも。二皿目は安定のポーク、ジャガイモのフライがいっぱい付いている。デザートは自家製らしいチョコレートアイスで全て満足。ネダで一緒だったショートカットのおばちゃんも食べにやって来た。途中で離れ離れになってもこうやって再会できるのが同じサンチャゴを目指す巡礼の良いところだ。 アルベルゲで一緒のスペイン青年が「今日は私の誕生日だから7時半にバルに行ってワインを飲もう」と誘ってきた。へー、そりゃ楽しそうだな、こういうイベントは大好きだ。きっと会費だって5ユーロくらいだろう。夕方になってきたので青年に飲むポーズをしたら嬉しそうにしてくれ、ぞろぞろとレストランに向かう。ネダで一緒だったおばちゃんがパーティーの交通整理の積もりなのか何か言っている。ノートを出して集まってきた巡礼にパスポート番号と名前を書けと言ってるようで1番目に書かされる。なんに使うのかな?でもこれは結局何にもならなかったようだ。 青年はアルベルゲにいた全ての巡礼に声を掛けたらしく、若者から年配者までぞろぞろと20人近く集まってくる。あの無口なロンゲのおっちゃん迄やって来た。人付き合いが嫌いなのでもないらしい。兄ちゃんを手伝って大きなテーブル二つをくっつけて会場の出来上がり。兄ちゃんは店の人に「あれとこれとワインはこうで」と注文しているのでスペイン人らしく行き当たりばったりでパーティーを開くようだ。 やがてテーブルには生ハム、パン、オムレツとワインのセットが3組並んだ。これ全部、今日が誕生日の青年のおごりらしい。欧米の誕生日は日本と違い、本人がみんなにご馳走するんだと言うのを思い出した。誕生日も大変だね。おめでとうの乾杯は世界共通。それにここには世界各国の巡礼が集まっているので、それぞれの国の誕生祝の歌を披露することになった。日本は英語と同じハッピーバースデーの歌しかないので、日本語でハッピーバースデーの曲にあわせて「誕生日おめでとう誕生日おめでとう、かんぱーい」と、お茶を濁す。これは以前、ポルトガルの道でも同じことをやったことがあるのでインチキ誕生日の歌も二度目だ。 ワインは2本だけだったので、みんなで乾杯したら終わってしまった。それ以上飲みたい人は自腹で飲むらしいので、自分の分と主役の青年にもビールを一杯奢って上げる。テーブルの上の料理も人数に対して多くはなかったので、みるみる内に消えてしまったが、特に追加するのでもないようだ。さっぱりして良いね。女の子達はみんな自腹でビールを買ってご機嫌になっている。すっごくノリのいい女性グループでパーティーを盛り上げてくれている。 全員で明るい外庭に集合して記念写真を撮るときもこのとおり(写真)。 ネダで一緒だったおばちゃん二人が1ユーロずつ集めてケイマーダをしてくれるそうだ。ケイマーダの儀式は今年初めてポルトガルのアルベルゲで体験できたけど、なんとこれで今年二回目だよ。サンチャゴ巡礼5年目にして初ケイマーダだったのに、続けて2回も出くわした当たり年。ここでも私に最初にやれと言うので炎をしゃもじで掬っては念仏を唱える。もう2回目なので慣れたものだ。酔っ払いだし。誰かが頼みもしないのに私のカメラを寄こせと写真を撮ってくれる。このおばちゃんはネダのアルベルゲでガリシア州の Wi-Fi の繋ぎ方が分からないと私に教えを請いに来た人だと思いだす。でもスマホがスペイン語なのでスラスラとは教えられなかった。最後にこのおばちゃんが誕生日パーティーの会費2ユーロを集めたので、何か頼まれていたのかな?何はともあれ主役の青年の負担が軽くなって良かった。 カステラみたいで大きくて四角いケーキが現われた。上には小さなロウソクみたいのが立っている。主役が吹き消してから小さく切り分けて全員に配られたので誕生日のムードも最高潮か。予約なしの誕生パーティーなので事前に注文する筈がないので、きっとこれはレストランがデザートとして提供するものを利用させてもらったんだろう。手頃なのがあって良かったね。兄ちゃんの一生忘れない誕生日になったことだろう。 女性グループのスマホに保存してある賑やかな音楽をバルのスピーカーを通して流しだした。女の子達はみんな今時の激しいダンスだけど、一緒の輪の中で踊っているバルのおかみさんのダンスが情感たっぷりで圧巻だった。それからはもう大騒ぎダンスパーティーの始まり。この子達は高校生かと思っていたが、みんなビール瓶を片手に踊りまくっている。スチューデントか?と聞いたらカレッジと答えたので大学生のようだ。私も円の真ん中に引きづり出されてネダで一緒だったおばちゃん相手に踊らされる。ほんのり酔っ払いなので見よう見まねのダンスも平気。ロンゲのおっちゃんまで輪の中に引きずり出されてぎごちなく踊っている。寡黙だけど満更でもないようでニコニコしている。フラメンコの心得のあるおばちゃんが真ん中に出てきてフラメンコを踊りだした。素人だろうけどいぶし銀のような本場のフラメンコが見られてよかった。若い子はみんな酔っ払って踊りまくっているので、どれも動画でいっぱい撮る。 アルベルゲに戻ると私のベッドの上段は若者が入っていた。どのベッドも上段までみんな埋まっていて、やっぱりこのアルベルゲは巡礼が集中するところだ。女の子達も近くのベッドにワイワイ戻ってきたが時間が経つと静かな夜になった。ネダで一緒だったショートカットのおばちゃんの到着は遅くはなかった筈なのに、キッチンの片隅で床にマットレスだけのベッドだった。誰かに譲ったのかな?ほかにイタリア兄ちゃんも同じようにマットレス。やっぱりここのアルベルゲは込むんだなと再認識した。 イギリス人の道6へつづく |