Ingles6 今日はばらばら Sigeiro

7/26 Burumaのアルベルゲ。みんな起きるのが遅い。キッチンの床に敷いたマットレスで寝ていたイタリア兄ちゃんは起きるのが早かったが、もう一人のマットレスおばちゃんはまだ寝ている。この人はもう一人のスペイン女性と一緒に行動しているが、元々はソロ同士らしい。7時になったらやっと他の人たちもゴソゴソと起き出して来たようだ。みんなキッチンで手持ちの軽い朝飯を食べているので自分も昨日から持ち歩いているコーヒーとラスクみたいな硬いパンを少し食べてみる。今日の行程には途中のバルで軽食を食べた覚えがあるので軽すぎる朝飯でも心配することはない。

 外に出ると昨日の女子大生の一人がネダで一緒だったおばちゃんから足を手当してもらっている最中だった。この子達は昨日初めて見る顔だったので、きっと私とは別ルートのコルーニャを出発してきた子達だろう。すると今日が2日目か3日目か、慣れない長距離歩行でマメができるころだ。昨日はフラメンコ踊ったおばちゃんもマメの手当をして貰ってたな。でも残り2日でサンチャゴ到着なので痛くてもあと少しの辛抱だ。中庭を出たところでは他の女の子達が歩く前のストレッチをしていた。7時50に出発。涼しくて気持ちいい。

 奇妙なオブジェの前を通り過ぎて最初にあったバルに入る。今日の行程にはバルのある村をふたつ通り過ぎるのが分かっているので食糧がなくても飲み食いできるから助かる。オムレツとコラカオで3ユーロ。食べ終わるころに昨日の賑やかな女の子達もやってきて外のテーブルで休みだした。男女ミックスのグループかと思っていたが女子だけ6人のグループだった。パーティーではかなり飲んでいたようだったが、だれも二日酔いの顔をしていなくて今日も元気で愛想がいい。出掛けにカメラを向けるとみんな笑顔で応じてくれる。


 ずっと歩き続けていくと、昨日フラメンコを披露したおばちゃんカップルが日陰で休んでいた。「ケイマーダ」と言って飲む仕草をしているので昨晩の楽しいことを言っているのが分かる。別のスペイン人夫婦も加えて5人で簡単なスペイン語でお喋りしながら一緒に歩くが、ペースが違うのでやがてぶっちぎる。次はイタリアのおば様二人連れに追いつく。今晩の宿は私と同じシグエイロだが、私が予約したのとは別の私営アルベルゲだそうだ。3年前のシグエイロには私営アルベルゲが2軒だけだったと記憶しているが、今年は4軒に増えていた。昨日のブルマも私営アルベルゲがあると助かる人がいるだろうが、ブルマ村は寂しすぎるので年間の運営は無理なんだろう。今は巡礼が沢山来るからいいけどシーズンオフでは体力が無いとやってけない。それに対してシグエイロは大きな町なのでアルベルゲも経営しやすいのは容易に想像つく。

 そろそろシグエイロが近づいた筈だがなーと思いながら歩いていると、突然、見覚えのある公園に出た。あっもうシグエイロだ!この公園ってこんな唐突に現れるのだったのか。すぐ近くで若者二人の巡礼がスマホを見ながらウロウロしているのでアルベルゲを探しているようだ。自分もタブレットを出して地図アプリで予約したアルベルゲ「A Camino Real Sigeiro」を探すことにする。運良く現在地がすぐ分かったのでアプリに道順を探させると簡単にたどり着くことができる。ほんとこのMaps.meアプリは便利で助かる。無料なのが信じられない。最初の巡礼の時から利用しだして既に5年使っているが、その内有料になるんじゃないだろな!?でもこのアプリだけは有料になっても使い続けたい。それだけ便利。

 アルベルゲには何と高校生の団体が入ってた。うーん、こういうの苦手なんだよな。昨日楽しく過ごした全員がこの町にチェックインしてるはずなんだがなー。運悪くみんな別のアルベルゲに投宿したようだ。アルベルゲが複数あるのは安心できるが仲良くなった人たちとバラバラになる確率が高くなるので痛し痒しだ。ここは私営の中でも16ユーロと少し高め。案内された部屋には高校生男子が5人ほど既に入っていた。でもこの子達は行儀が良さそうで部屋では大人しくしているので同じ何でも助かった。子供は人見知りするので簡単にはフレンドリーな関係にならないのが面倒くさい。部屋には二段ベッドが3台に平ベッドが1台。私には平ベッドがあてがわれたのでプチラッキーだった。シャワー、洗濯したけど物干しがないので狭い窓の手すりと、残りは子供達が衣類を掛けていたコート掛けに引っ掛けさせてもらう。

 アルベルゲ自体はキレイだしキッチンのテーブルにある果物や冷蔵庫の飲み物はフリーだそうだがコーラは1ユーロとのこと。廊下のワゴンにはシャンプーやボディーソープ等の小袋がたくさん乗せてあって、これもフリー。唯一の難点は物干しがないことだけか。それを除けば星みっつのアルベルゲだ。
 買い物に出る。ここには大きなスーパーがある筈だ。その前にキャッシングしたい。まだ200ユーロ近く現金を持っているけど、クレジットカードの決済日が明日なので、今日のうちにキャッシングすれば利息が2日で済むはず。それに今はユーロが安くなっているので、値上がりする前に現金にしてしまうのがお得だ。すぐ銀行が見つかったので路上でキャッシング始めるも旨く行かない。そしたら通りがかりの人が別のATMを教えてくれる。どうもこのATMは具合が悪いようだ。無事に300ユーロゲットだぜ。これで手持ちの現金が豪勢に500ユーロ近くなってしまった。と言っても円なら6万円なので驚くほどの額ではないがユーロで500持っていると凄く大金を持ち歩いている気になれる。もちろんこの旅では使い切れないので残りは次回用だ。昨日、ネットで見たときは1ユーロが120円だったが、実際のキャッシングでは1ユーロ126円だったので微妙。日本を出発したころは130円だったので、まぁそれよりは良くなってるかな。

 スーパーDiaで1リットルビールに大盛りカット野菜、美味そうなパン2個にサイコロチーズで4.7ユーロのお買い上げ。買い物袋を提げて歩いていたら遠くから「バレンティーノッ」と声がかかった。え、私のことか!?そう言えば昨日、誕生日が2月14日の関係で洗礼名はバレンティノと教えた人がいたな。振り返るとスペインおばちゃんが大きく手を振っている。私の泊まっているアルベルゲからすぐのアルベルゲだそうだ。別のスペイン親父二人組とも会って、この二人も近くのアルベルゲ泊まりだそうだ。みんな同じアルベルゲだったら、また今日も楽しかっただろなーと、ちょっと惜しくなった。


 アルベルゲのキッチンで食べる用意をしていたら、運悪く高校生達もこの大きなテーブルで昼飯にするようだ。引率の先生らしい数人が大鍋ふたつにトマトパスタをどっさり作って配りだした。子供たちはそれぞれ自分が用意した容器にドチャッと入れて貰い、別の先生から粉チーズを振りかけて貰っているがパスタには具が何も入っていないようだ。バゲットのパンをひとかけらポンと加えて貰っただけの質素な昼飯。このテーブルで食べ出す子もいれば外のテーブルに移動して食べてる子もいる。私は同じテーブルで高校生にまじって一人だけ1リットルビール飲んでいる。これって教育的にどうなんだろう?ところで今日買ったカット野菜は大盛りすぎた。いつもはビニール袋に入った野菜だけど今日のは大きなプラスチックパックにギューギュー詰めに入っている。食べても食べてもなくならない。と、昨日大騒ぎした女子大生6人グループが到着してきた。私を見とめると喜んでくれてるのでこちらも嬉しくなる。オール高校生の中で少しブルーだったが、これでちったぁ楽しくなる予感がするようなしないような。女の子達は貸切6人部屋の平ベッドだったので、とても豪華に感じた。6人グループで1部屋独占とは良くこんないい部屋があったもんだ。「エスタ ノチェ タンビエン(今晩も同じに)?」と飲む手真似をしながら言ったら受けたが残念ながらそう言うことはなかった。


イギリス人の道7へつづく