北の道4  あれ!日本人?

5/18 歩き3日目。サンセバスチャンの高くて狭いオスタルを8時に出発。町外れの交差点でどっちに行けばいいのか迷っていたら、スペイン親子の三人組がやってきたので後を着いて行く。グッとタイミング。今朝も雨、でも小降りなので昨日よかずっとマシです。海岸線を行く北の道らしくずっと上り下りが続くけど、昨日のようなドロドロの濁流がないのでどすこいです。でもやっぱ昨日の疲れが蓄積してるので体調の方はイマイチ。今日はショートコースにするのが身のためです。過去3年連続で巡礼中に体の不調が出ているので、今年は極力無理はしないことと出発前から自分を戒めています。綺麗な海岸線が現れたので写真を撮っていたらオーストリアの女の子も同じ風景を撮りだしたので一緒に撮りっこする。

 オリオの町が近づいた所で、赤いポンチョの女の子が私の雨カバーが外れたままだと教えてくれて、背負ったまま掛け直してくれる。女の子は今日はサラウツまで歩くのでオスタルを予約済みだそうだ。自分は電話を持ってないので予約は出来ないと言ったら、電話してやろうかと親切に言ってくれたが、疲れているのでそこ迄は行かないほうがいいだろうとノーサンキュー。巡礼同士はみんな助け合いの心を持っている。

 11:40の早い時間にOrioの町手前のアルベルゲにたどり着いてしまった。ここを過ぎると9.6km先のゲタリアまでアルベルゲはないのが分かっている。今の体調で9.6kmの山道は辛いので時間は早いけどここで手を打つことにしました。ただしオープンが2時なので2時間待ちだがここは我慢だ。

 10分したらアジアのご婦人が到着。英語でどっから来たのかと聞かれたのでフロムジャパンと答えたら日本人でした。お互いに北の道で日本人に会えるとは思ってなかったのでビックリです。日本語で会話できるだけで楽しい。広島からやって来たソリさん、名前と顔出しも了解得ています。その後も4人のヨーロッパおばちゃんが到着してきてアルベルゲにあった太鼓を叩き出した。楽しくなったので、バックパックからクッキーを取りだしてみんなに勧めました。クッキー持ってて良かったかな。

 チェックイン後に二人で町まで下りてって食材の買いだし。ソリさんは日本から米を持ってきているそうで、リゾットを作ってくれることになりました。持参の米の量も半端でなく、5・6合の重たい米を運んでいるようです。他にスパゲティーペペロンチーノも作ってくれて腹一杯。食後は煎茶セットを出してきて(小型急須と茶碗)人生初の煎茶体験。あいだに食べる小型羊羹まで持ってきてました。バックパックを軽くするのが至上命令な私はびっくりです。近くの夫婦にも煎茶の説明をしながらご馳走して、その様子を撮ってほしいとカメラを渡されました。お茶セットが重たいのに持ってきたのは、こういう使い方をしたかったのだと甚くご満悦の様子です。願いが叶って良かったですね。

 アルベルゲも良いし、日本人との嬉しい出会いもあったし「踏んだり蹴ったり」だった昨日の不運を取り返したような一日でした。ここでストップして良かったこと。ソリさんに教えてもらったところ、このアルベルゲは良いと評判のようです。確かにそのとおりでした。雨の中を後から後から巡礼が到着してきて、やがてベッドは満杯になりました。


北の道5へつづく