北の道18  アルベルゲ難民がいっぱい

6/1 アルベルゲの朝食はいつものことながらトーストの小さいの3枚とコーヒーだけ。ドナティーボには10ユーロを入れてみる。オスピタレロはつるぴか頭であまり愛想がないがこれからのアルベルゲ情報を教えてくれたり親切のようだ。壁に3年前に泊まったペンデュエルス・アルベルゲの写真が貼ってあった。でも写っていたオスピタレロは前と違うなぁ。聞いたところ前のオスピタレロは交替になったとのことで、今のオスピタレロはつるぴか君の友達だと言った。ペンデュエルスのオスピタレロと一緒に撮った写真をタブレットに保管してきたので、そこに泊まるのを楽しみにしていたけど、オスピタレロが変わったのなら泊まる理由はないのでそこはスルーすることに決める。

 日本人のSさんは早めに出発して、一昨日が誕生日だったと言う68歳のオーストリアの婆ちゃんも出発。私は少し遅れて7:18にスタートする。少し歩いた所で婆ちゃんに追いつき一声掛けて抜いたらそのまま一人歩きになる。涼しいのでぐいぐい快調に歩いていられる。

 3年前にお世話になったコブレセスの教会前に到着。今年は休んでるアルベルゲだらけだけど、ここのアルベルゲはやっているのかな?今回は泊まらないけど写真だけ撮っておく。ここいらは腰痛を抱えて苦労して歩いた所なので一層思いで深い。アルベルゲから近いレストランでお昼を食べたことがあったので、そこも外から写真を撮っておく。今回は覚えている所は手当たり次第に撮ることにしていて単調になりがちな歩き旅に少しばかりの変化を加えてみる。通りにパンの工場があって朝からいい匂いがしているのに吊られて入って行く。中ぐらいのとでっかい焼きたてのクロワッサンを買って歩きながらパクパク。思ったより高かったが美味いからオッケー。

 海が見えるベンチで休んでいたら「みっちゃん」と声を掛けてくる人がいた。ラレドの修道院アルベルゲで中々チェックインできずにいた韓国青年。私の名前を覚えていたとは驚きだ。ニコニコととても愛想がいい。手には小型扇風機を持っていて風を送ってくれている。今日はサンビセンテのアルベルゲに泊まると言うので、公営はクローズだよと教えてやったら、それを知らなかった。ガイドブックも持っていないようだし情報不足のようだ。自分が作ってきたカミーノの道と宿情報の紙をスマホで撮らせてと言ってきた。みんな歩くための情報は千差万別で、すごく便利なアプリを入れてる人もいれば、この兄ちゃんのように休眠中のアルベルゲ情報さえ持ってない巡礼もいる。私は中間くらいかな。

 Comillasの町に入ってタブレットの地図を頼りにアルベルゲ方面に向かっていたら近くにスーパーDiaがあったので、缶ビールを買って広場のベンチで飲む。そこへSさんがやって来た。アルベルゲのオープンまでには早いので時間つぶしをしていたらしい。Sさんは既にアルベルゲを見つけて、バックパックはアルベルゲに置かせて貰っているとのこと。アルベルゲは近くの坂を上がった所にあると教えてくれる。

 ビールを飲み終えたので坂を上って私営アルベルゲ到着~。珍しく予約しといたのですんなりチェックイン出来たけど、オーストリアの婆ちゃんは予約なしの飛び込みで来たので私を見つけると「あなたの上のベッドにする」とか言ってるけど、もう既に満杯なので泊まれなかった。この町にはアルベルゲはひとつだけだが、他にオスタルやホテルはあるので、町の地図を渡されてインフォメーションで探すように言われていたようだ。

 レセプションの前には配送されてきたバックパックが7つも8つも置かれていた。この人たちがみんな予約済みで、他にもバックパックは送らないけど予約済みでここを目指している巡礼が何人もいるだろうから、簡単にコンプリートになっちゃうんだろう。予約しといて良かった。その後も予約なしでやって来る巡礼が後から後からやって来てはことごとく撃沈されて気の毒だった。みんなペンションを紹介されていたな。利用したことないけどペンションって幾らなのかな?ここもアルベルゲとしたら最高値の20ユーロなので、値段的にはそんなに違わない気もするが。

 高いだけにこのアルベルゲの設備はぴかいちだった。ベッドの上にはバスタオルとハンドタオル。シャワールームにはボディー・ヘアーシャンプーが備わっている。ベットも2段にしては頑丈に作られていて専用コンセントに専用室内燈。プライバシー保護のためにベッドごとにカーテンまであり最高峰。シャワー後にさっきのスーパーへ行って食料を買い込み、エレガントな食堂で一人宴会。Sさんもやってきてワインと共に何か食べだした。私は勿論今日も1リットルビール。

 最近11時を過ぎると格段に暑くなって来る。これからは早めに出発して12時ころにはチェックインするほうが身の為かも知れないな。


北の道19へつづく