北の道24 今日も楽しいアマンディ Amandi 6/7 みんな今日はGijonを目指すらしく、めちゃ動きが早い。近くのベッドの3人組はなんと5:10から動きだしたよ。夜明けの2時間も前だ。Sさんも薄暗い内に出発していったな。Sさん昨日は国道N-632を歩き盛大に遠回りしたので今日は矢印どおりに歩くと言ってたな。「またどっかで会えるといいですね」と嬉しいことを言って出発していったが、残念ながらSさんとはこれで最後になった。ブエンカミーノ。 コリアのヘイワン姉ちゃんも続いて出発し、最後まで残っていたのは私と子持ちのドミニカだけだった。我々はアマンディまでの8キロコースなのでのんびりと準備をしている。オスピタレラが8:20にやって来た。ずいぶんと早く出勤してくるんだな。楽しいおばちゃんなので一緒に写真を撮って8:35に出発する。 結構な上り下りが続く。後ろから二人の日本人女性と欧米青年が追いついてくる。この青年、まだくっついていたのか。サンチャゴまで一緒に行くのかな?昨晩は私たちが泊まった手前のアルベルゲ12ユーロに泊まったそうだ。あそこも新しそうなアルベルゲだったが、店もバルもないのは同じだ。山の中にぽつんとあるアルベルゲはありがたいけど不便。三人はこの後プリミティボの道を行くそうだ。私は今回も海岸沿いを行くラ・コスタを選ぶ。 ※お役立ち情報 アマンディを過ぎると北の道は二つに分かれます。どちらを歩いてもサンチャゴまで300キロの道のり。プリミティボの道を選ぶ人は全体の2割か3割くらいかな。多くはそのまま海岸沿いのラコスタを行きます。プリミティボの道の出発点オビエドへはサンチャゴから簡単にバスで行くことが出来るので、両方歩くならラコスタを先に歩いた方がいい気がします。私もサンチャゴ到着後にオビエドまでバス移動してプリミティボを歩いたことがあります。 アマンディ手前の大きな町 Villaviciosa に入ってきた。ここで時間を潰さないと後で困りそう。大きな公園の横を通ったので、この近くにスーパーがあれば公園のベンチで飲み食いしながら休めるなぁと考えながら通り過ぎる。巡礼路から少し入った所にフルテリアがあるのを見つける。中を覗いてみるとビールも売っているようだ。缶ビール、カステラ6個入り、さくらんぼ2掴みで0.8ユーロ、合計でも2.5ユーロ。公園に戻って近くにゴミ箱のあるベンチに陣取ってのんびりと休むことにする。日記も書いて中々いい時間だ。こういうのが大好きだ。歩いているとじんわり汗ばむが、こうして座りっぱなしだと風があり少し肌寒く感じる。出発しようとしたらコリアの巡礼夫婦がやって来た。私と同じアマンディに泊まりたいと言っているが予約はしてないらしい。英語は私よりマシなくらいかな。 ときどき英語で会話してるようなことを書いているので、英語が堪能なんだと思われると困るので書いておきますが、まるで片言です。でも東洋人が喋る英語なんで聞く方は割り引いて聞いてくれるし実際に喋った以上を推理して聞いてくれるのでそこそこ通じます。冠詞はつけない、toやofなどはちゃんと理解してないので省くこと多し。文法がどうのこうの言う英会話スクールなんかじゃ聞かせられない英語です。でも大丈夫、英語の苦手なあなた!ここではフレンドリーな気持ちがあればやってげます。少しの度胸と笑顔が決めてですよ。 歩き出すと通りの反対側にチュロス屋があったので入ってみる。表の看板にはチュロス1.5、チョコレート1.5と親切に書かれているのが好感が持てる。時間が半端なのか、ガラガラの店内に入って行き両方頼むと目の前でチュロスは揚げてくれる。熱々を食べてみたが、やっぱり私にはこの組み合わせは濃すぎるようでげんなりするが欲で完食。次に食べるのは来年でいいや。 早く到着しても迷惑か知れないから、のんびりのんびり歩いてアルベルゲには12時に到着。誰かのバックパックが二つ置かれているが、これは配送サービスで届いた物だろう。ドアが開いているが家の人の姿は見えないので外のベンチで待つことにする。白黒の毛長犬がお出迎えをしてくれる。少ししたらコレオス(郵便)の黄色い車が停まってバックパックを回収しだした。昨晩泊まった人がこれから次の宿に送る物だったのが分かる。 公園で会った韓国夫婦も到着してきた。さっさと部屋の中に入ってベッドを確保、シャワーも浴びだした。無人のアルベルゲではこういうのも有りだけど、ここはオスピタレロの住まいが2階にあるのにいいのかな?慣れているのか国民性か?続いてドミニカが到着。ちゃんとバックパックを外に置いて中には入らずに外のベンチで待ちだした。やっぱここではこれでしょう。 昼休みが終わったのか、やがてオーナーが「オーッミチオーッ」と言いながらハグで迎えてくれる。四国遍路に憧れている息子のディビットは背が10cmも伸びていたし髭面に眉毛も細くしているので純朴だった少年がプチチンピラに退化したように感じた。これはちょっと変わり過ぎだろう、これが今時のスペイン青年なんか!?まだ高校生かなと思ったが、もう学校はフィニッシュで今はカミーノ沿いでアルバイトをしていると言った。良く分からないでいたら明日会えるよとのこと。ちょっと謎だ。四国遍路の夢はまだ持ち続けているそうなので、いつか日本にやって来るだろう。マリアカードと近藤さんが持たせてくれた日本手ぬぐいをプレゼントしたげると早速捻り鉢巻を隣の女性に教わっていた。そうそう、今回は日本人のお嬢さんがボランティアしていたのでびっくりする。「話は聞いています」と、日本人同士なので私のことは事前に聞いていたそうだ。名前はユキさんで名前も顔も出していいとのこと。日本のせせこましい就業形態が嫌で飛び出してきたようなことを言ってたが詳細は不明。 最初にベッドを確保してシャワーまで浴びていたコリア夫婦はコンプリートだと言われてびっくりしていた。シャワーを浴びてしまったと誤っているが、外に設置してあるテントなら泊まれると聞いて、そこに二人して泊まることになった。一番にやって来てコンプリートとは、このアルベルゲの人気の高さが伺える。夫婦は日本語を幾らか喋れて、徐々に思い出して来たのか色んな日本語を繰り出してきたので楽しくなる。今年定年退職した高校の先生だそうだ。やっぱり定年退職してから歩きに来る人が多いんだなー。自分もそうだったし。テントに落ち着いた所でどんな様子なのか聞いたら快適だそうなので良かった。 外のテーブルでみんなして Kiriki と言うサイコロゲームをしてみた。みんなに教わりながら後半になってやっとルールを理解できる。単純に見えるが心理戦なのが分かった。今日はそのほかに人生初体験を二つした。革袋に入れたワインをチューっと離して飲むのと鉄の重たい玉を放るぺタンクと言うゲーム。日本にいたら三つとも経験できなかったろう。 アルベルゲの食堂には3年前にプレゼントしたマリアカードを飾ってくれてた。まだカルメル修道会から買えていた頃の本物のカードだ。こういうのも嬉しい。曲がりくねった木の杖を途中でジョイントしてる面白夫婦も到着。また旦那の方がジョイント部分の調整に余念がない。相変わらずの酒飲みで、私にもグラスに入った強い酒を無言で手渡してくれる。ここはフレンドリーなオスピタレロの影響なのか、みんな和気藹々と過ごしているのでいつもの何倍も楽しくしていられる。無料で洗濯してくれるのは3年前と同じ。洗濯物があったらこのバスケットに入れてと言いながらみんなの洗濯物を回収して回っている。 明日、カミーノは二つに分かれる。内陸に入るプリミティブの道とこのまま海沿いを行くラコスタ。多くはラコスタだが、コリア夫婦はプリミティブへ行くそうだ。明日はラコスタへ行く道も Gijon 迄はハードな山越えが待ってるのでちょっと緊張ぎみ。 楽しい夕食の時間がやって来た。全員で囲む食卓はいつも楽しい。当然、ワインも出てきて盛り上がる。特にファイアーボルトの杖を持った酔っ払い夫婦がぶっ飛んでいて面白い(右側一番手前の二人)。他にも数人の知り合いがいる中で、顔なじみの三人組も到着してアウレイリオとはサイコロゲームを一緒にした。ただひと組テント泊まりの韓国夫婦ももちろん皆と一緒にここで夕食を食べられたのは言うまでもない。 北の道25へつづく |