北の道25  初顔の日本人Tさん登場  Canping Deva

6/8 アマンディのアルベルゲ。7時から朝食を食べるためにキッチンへ移動。カステラ、シリアル、コーヒーと平均的な朝飯。今日は山越えなので途中でガス欠にならないようにいっぱい食べておく。感謝を込めてドナには20ユーロを入れさせてもらう。出発前にオーナー親子とユキさんにサインを貰って写真を撮っていたら他の人たちもやって来て一緒にカメラに納まる。7:40元気に出発。

 数人がほぼ同じ時間に出たので前後にパラパラと巡礼が見える。町を抜け歩いているとオビエドとの分岐点が現れる。分岐の真ん中にはどかんと家があって、とても特徴的な分かれ道だ。ほとんどの巡礼がここで写真を撮るだろう。そこを過ぎると徐々に山登り。昨日のアルベルゲで一緒だったイタリアの女の子が二人で歩いている。白い体育帽みたいのをかぶっているのがお洒落なイタリア女性らしからぬダサダサな格好に見える。

 山の中でディビットが商売していた。テーブル1つで土産屋みたいなことをやっている。荷物になるものは極力避けたいので何も買うことはないが、コーヒーを一杯飲ませて貰ってドナティーボに細かいコインをバラバラと貯金箱に入れる。デイビットのスタンプは得意なルービックキューブ柄だった。目の前のキューブを見ながら枠だけ書かれたスタンプにサインペンでせっせと色付けをしてくれる。北の道を歩く人はそう多くはないので、ここでこんな商売しててやってけるのかなー?目の前を通る人の全員が何がしかの寄付をする訳でもないだろうし。事実、後からやって来たイタリア女子達は素通りしていった。こんなショボイ商売やってたら四国へ行けるのは夢のまた夢だぞ。荷物はどうやって運んでいるのか聞いたら、パパが車で送ってくれるそうだ。そこを20mほど上ったら舗装路が現れたので運ぶのは簡単にできるようだ。

 日本人のおじさんTさんと会った。あら珍しい初対面の日本人だ。本当に今回は日本人と良く会うなー。Tさんは友達夫婦に誘われて初めてのカミーノだそうだが、友達夫婦は昨年フランス人の道を歩いたそうだ。今回奥さんの方に故障がでたため夫婦は治療のためにカミーノを離れてしまったが、Tさんはその後も一人で歩き続けているとのこと。英語もスペイン語も駄目だし初めての巡礼なので不安だったがスマホに優秀なアプリが入っているので何とか歩けているとのこと。詳細な巡カミーノ情報に加えてアルベルゲ情報も見られるアプリで、GPSと併用して迷うことはないそうだ。これが無かったら歩けないと言っている。

 TさんはSさんとも出会っていて、彼は犬に咬まれてしまったこととプリミティボの道へ行ったことを教わる。山の中のレストランで小休止を一緒にしたあと別々に歩き出す。

 Gijonの町が遠くに見えてからが長かった~。半端に道を覚えているから尚更ながく感じるのかも知れない。24キロふた山越えてGijon のキャンピングデバに到着。チェックイン前に着いたので大きな施設の中を探検。外のテーブルで一杯やってる昨日の3人組がいたので仲間に入る。イタリア、ドイツ、スペイン日本と誰も英語ネイティブがいないけど結局共通の言葉は英語になった。トシに見える割に軽い感じなのでイタリア人かと思ったのはドイツ、口数が少なく実直そうでいかにもドイツに見えたのはイタリア人、スペイン人はラテン系そのもの。

 ドイツのマイケルは昨日のアマンディでベッドに短パンを忘れたので教えてやった男。スペインのアルトゥロは竹の杖を突いており、カタカナで「アルトゥロ」と彫られていた。日本の女の子が彫ってくれたらしい。

 Gijonはスペイン語読みでは「ヒホン」になる。英語ネイティブは「ギジョン」と発音してるがどう読んでも通じる。でもスペイン人には通じないんじゃないかな?

 チェックインしてベッドは好きなのを選べたが2段ベッド4台の部屋に5人。他に空いてる部屋が2つもあるんだからゆったり使えばいいと思うんだけど、スペイン人が気を効かせて自分は上段にするなんていうので移動できない。なんでかな?同じ部屋に何度も一緒になっているスロバキアのドミニカも入ってるし狭い部屋が一層狭く感じる。

 その後、コリアの男性がチェックインしてきて別の部屋に一人で入ったので自分も部屋をチェンジするよと断って誰も入っていない部屋に移る。あとからこの部屋には女性のソロが入って来た。やっぱりこの方が何倍も良い。別々の部屋に入った三人でキャンプ場のレストランに夕食を食べに行くことになった。キャンプ場には小さな売店もあるが、このドミトリーはベッドルームしかなく堂々と食べるスペースはないので外食は仕方ない。でもお陰で楽しい夕食になった。コリアの人は英語を上手に喋れて女性はどこの人か日記に書き漏らしたので分からないがヨーロッパの人だった。後から3人組とドミニカもやって来て隣のテーブルで夕飯を食べだした。明日はアビレスまで34キロオーバーの長丁場なので早寝しよう。


北の道26へつづく