北の道26  今日はみんなヘトヘト  Aviles

6/9(日)6:50にキャンプ場をスタート、生憎小雨。Gijonは3年前にも大きく迷い狂った街なので鬼門だ。ここからGijonへは8キロ離れているのでまずは町の中を目指す。前に来たときにカタリナとお昼を食べた公園が現れる。もちろん今回は写真だけ撮って素通り。一応矢印はあるけど、右に左にやたらと振り回される巡礼路になっている。こんなにグネグネと歩かせなくちゃならないのかなー?もっと最短コースとかないのか?

 ヒホンの町に入る直前に私営のアルベルゲがあった筈なんだが今年は見つからなかった。あんまり巡礼が泊まってくれないので潰れたんかな?前に道を尋ねた角地のバルが現れる。じゃぁここは左に行けばいいんだと、また危ない先入観を発揮する。歩き続けても前みたいな風景にならないので心配が顔をもたげる。GPSも相変わらず不調だし、とりあえずもう少し歩いてみよう。大きなロータリーがあったので左に行けば国道632にぶち当たるだろうと勘で左折。進んでいくと遠く正面にはGijonを目指していたときに左に見えていたカテドラルの高い時計台が現れた。これはないだろー!明らかに方向を見失っていた。ここでやっとGPS電波をキャッチできたので現在地が判明。まったく違うほうへ歩いていた。くっそ。

 バルがある最初の地点まで戻ることしばし。本当にこういうのは無駄なことをしていると感じる。位置がわかっているのでさっきとは別方向に歩き出すと舗装路に埋め込まれているコンチャ(ホタテ)を発見!なんだ少し付近を捜せばあったんじゃん。なんどやっても懲りない。歩いていくと見覚えのある大きな体育施設が現れて、やっとこれで前と同じ道になったと安心する。結局4、5回迷って合計1時間ほどのロス。

 ほかの大きな街と同じで、Gijonに矢印はなく歩道に埋め込まれた帆立貝だけが頼りなので近づかないと見えない。その帆立貝も2ヶ所が悪戯で向きを変えられていた。(怒)悪戯した奴を捕まえたら実刑にしてくれ。

その1、大きな交差点にあったコンチャは斜め前方を指していたので横断歩道を二つ渡って歩き続けて行くも次のコンチャが現れないので地元の人に尋ねたところ、あのコンチャは間違いで直進すれば良かったのが判明する。

その2、もうひとつは直進すべき所を90度右を指していたので、3年前に大いに迷い出すキッカケになった憎らしいコンチャだ。もう今回は騙されない。コンチャを無視してまっすぐ歩き続けると次のコンチャがちゃんと現れた。他にも巡礼路から外れた教会に導くコンチャにも騙されて街の中で迷う。Gijonは相変わらず迷ってばっかり。

 やっと賑やかな中心街を抜けられた所にパン屋があったのでホッと一息と休んで行く。雨降りなので屋根のある所で休みたい。腹も減っているのでコラカオとボカディージョ(スペインのサンドイッチ)を頼んだら、パン屋なのに昨日のパンをボカディージョにしたようでとても硬い。挿し歯が危険信号点滅状態なので注意深く食べる。完全に街を抜けたと思われる所にベンチがあったのでカステラを食べて小休止。そこへ女の子の巡礼がやってきたので挨拶したけど反応がない。見ていると巡礼路とは違うほうへ歩いて行ったのでバックパックを背負ったただの人だったようだ。

 ヒホンを過ぎても中々田舎道にはならなかった。やっぱり大きな町なんだなヒホン。歩いていると道路の上を跨いだ不思議な建物が現れる。こんな建築が許されるんだろうかと思うような長ーい建物。山のふもとから駅に接続されてるので、この村の主要産業が駅に製品を直接運び入れるための施設なんかと想像する。背後に政治的な取引があったと推測する。

 3年前はGijon脱出で別方向に歩き続けてしまい、なんと5時間も矢印を見つけられないまま歩き続けた。一緒に歩いたカタリナのカミーノアプリを信じてどんどん違う方へ歩いてしまったのが主な原因。最終的にはカミーノに復帰できたが、そのときの決め手が「あっちに教会があるからカミーノはその側にある筈だ」という共通の考え。今回、正規のカミーノを歩いてきたらその教会が現れたので写真を撮っておく。パチリ。

 小雨の中を5時間歩き続けて山の中の薄ら寂しい道になり、あとどの位で着くのかMaps.meで残り所要時間を出したら4時間20分と出たので気が遠くなりそうになる。でも歩かないことには一個も進展しないので歩くっきゃない。選択肢がないのは諦めが付いて良いのか悪いのか。

 やっと山から脱出して舗装路歩きになり、見覚えのある大きな工場も現れてきた。ここまで来ればもうひと頑張りだ。大柄の女性のドミニカが土手に座り込んでタバコをふかしているな。一声掛けて通り過ぎ、100mほど歩いてから振り返ったらまったく動かないのでかなり疲れているようだ。ドミニカも私と同じ距離を歩いているので、幾ら若いからといっても疲れるよな。一応女性だし。

 今日は面白いことがあった。かなりへロヘロになって来たのでエネルギー補給のためにコーラかビールが飲みたい飲みたいと歩いてたらゴールまで4キロの所に小さな店が現れた。道路を渡って缶ビール1本だけ買って店先の縁石に座って飲み出したら近くの車の青年が何か言っている。コメール(食べる)という単語だけ聞き取れるるので、道路で酒を飲んではいけない条例でもあるのかと寄ってったら、自分のお金で払う仕種をしたので理解できた。この青年は金の無い巡礼に何か食べさせて上げようとしてたのだ!!勿論丁重に断ったが、私ってそんなにみすぼらしいかな?色んな親切はされたけど、こんなの初めてだよ。

 アルベルゲまでもう一息と言う所で異様に長細いバックパックのカップルに出会う。近づいてみると何と奥さんの方が幼児を背負って歩いていた。色んな乳母車で幼児を乗せて歩いている巡礼は何人も見ているが、背負っているのは初めて見たよ。奥さんは子供を背負っているので旦那の方が全ての荷物を背負っているらしい。大変だろけど楽しそうだなーと思った。

 地図アプリでは4:20に到着予定だったけど、頑張って3:40に到着!!へとへと。自分を褒めてやりたい(有森裕子風)。有難いことに遅めの到着でも下段ベッドは空いていた。昨日の3人組は宣言通りバスで到着したので既にテーブルで寛いでいる。若くて何処も悪くないのに安易に交通機関を利用する人は巡礼ではありません。三人の印象が一気に悪くなる。おまえら女性なのに歩いて到着するドミニカの顔を真っすぐ見られるのか!?長身のサイラスも今日はバスを使ったそうだが、サイラスは膝を故障しているので仕方ない。

 シャワー後に買出し。今日は日曜日なので心配が当たってスーパーは軒並み休みだった。困ったなー、仕方ないからバルで食べるっきゃないかなと町をうろついてたら買い物帰りの婦人が歩いていたので開いてるスーパーがあるかと尋ねると少し離れるがあるそうだ。買えるんならどこまでも行きます。1リットルビール、チーズにハム。トマト2個とパンを買って意気揚々と引き上げる。

 アルベルゲに戻って飲み食いしていると、ローラーゲームする楽しい夫婦が到着してきたので嬉しい。土手でタバコを吸っていたドミニカも到着してきたので、疲れたかと聞いたらとっても疲れたそうだ。みんなこうやって頑張っているのに、あの三人組はしょうがねーな~。ドミニカが私のナイフに付属しているワイン抜きを今日も借りに来た。なんと更に2本目も借りに来る。体が大きいだけに飲むのも半端じゃないようだ。いっぱい歩いて疲れたからいっぱい飲みたいんだろな。自分への褒美だ、飲め飲め。


北の道27へつづく