北の道35  チーズたくさん Gontan

6/18 ロウレンサのアルベルゲ、コーヒーとチョコパンで朝飯にする。おばちゃん二人は6時に出ると言ってたがキッチンで朝飯を食べていてまだいるな。これだと私と同じ7時スタートになるよ。

 少し先に出発したおばちゃんにすぐ追いつく。せっかくなので暫く一緒に歩くことにする。Mondoned はこのルートでは大きな町なので教会前のバルでみんな休んでいる。きっとここを通りかかる巡礼の全員が休憩していくと思われる。私たちも寄って暖かい飲み物で一服して残りのチョコパンを食べてみる。ラッフィが「セルベッサ」と言いながらビールを持ってきてくれたので、昨日私がビールを奢ったお返しの積もりらしい。コラカオもラッフィーが奢ってくれた。

 日本人のTさんがやって来たのでお喋りできる。Tさんは殆ど私営アルベルゲを泊まり歩いているらしく、昨日も同じロウレンサに泊まったが別々だった。ロウレンサに到着したらアルベルゲを探すのが面倒だったので、最初に目にした宿に入ってしまったそうだ。多くの巡礼は安く上がる公営アルベルゲに泊まるだろうが、こうして私営やオスタルに泊まる人もいるのでバランスが取れているのかな?

 このバルの角からルートは二つに分かれるが、殆どの巡礼は同じ道を行くようだ。たまーに物好きな人が別ルートを歩き出している。おばちゃんと一緒に再スタートしたが、歩くスピードが違うので段々と離れて行きやがて一人歩きになる。

 急な山道を喘ぎながら登っているグループはドイツの8人パーティーだった。やっぱりメタボの女性が最後尾でへろへろ状態でがんばっている。再会するのは5日振りになるかな。体力差があるので登りでは長い列になっている。先頭はやっぱり健脚の女性だった。ここでもまず言うことは「ぐーてんたーく」。英語が喋れる人と交歓してると今回もみんなが周りに集まってニコニコしている。私の個人的見解かも知れないが、グループで歩くとその中で完結してしまい、世界中からやってくる他の巡礼と出会う機会が少ない気がする。特に英語が話せなくてもグループの誰かが話せると自国の言葉だけで事足りてしまうので尚更他国の人と交わらないんじゃないかな。巡礼同士の出会いこそがカミーノの一番の魅力と思っている私としたら勿体ない気がする。何ちゃって個人的見解ですけどね。私はグループでもソロでも後先考えずに誰にでも話しかけるので(学生以外)このグループと会うたんびに話しかけているから貴重な巡礼仲間だったかも知れない。みんなと再会を喜びあい一緒に写真を撮って先を行く。

 またTさんと会ったので今度は一緒に歩いて行く。大きなトマトを2つ持っていて1個くれた。時々トマトを持ち歩いているそうだ。トマトは重いので私は持ち歩かないがたまにオレンジやパプリカを持ち歩くことはある。オレンジは水分が豊富で休んだときに食べると美味いのだが、いかんせん手がべとべとになるのが玉に瑕だ。運良く水場が近くにあるとそこで食べたいが、いつもとは行かない。あとはバナナ。バナナは手も汚れないし食べやすいので優良行動食。でっかいパプリカの種を取り除いたのを持ち歩くこともある。パプリカも水分があるので休憩時に食べるとシャキシャキして美味い。日本では一度も食べたことなかったのに、ここスペインで数年前に覚えてからは日本でも食べるようになった。でも日本のは小さくて高い。

 今日はGontanの公営アルベルゲ、2:20の到着6ユーロ2番乗り。まだベッドはガラガラ状態なので入り口に近い下段ベッドを確保する。夜中にトイレに起きるので入り口近くが空いていると大体そこをゲットしている。3年前と同じベッドだ。時間とともに下段ベッドが埋まってきたのでフランスおばちゃんが早く到着しないかなとハラハラする。暇なので村の入り口まで行って出迎えてみよう。時間的に私より30分ほど遅く着くはずだ。予想どおり30分後に歩いて来るのが見えたので物陰に隠れてて脅かしてやるとファンスの反応が良かったので楽しい。二人とも下段ベッドを無事にゲットできる。ひと段落したところで村唯一のバルに出かけてビールを一杯ずつおごったる。バルの奥にはミニティエンダ(店)があるので三人でお買い物。ラッフィーがパスタを作ると言ってたが、気が変わったようでてんでに好きな物を買って帰る。私はチンして食べるパスタとワインを一本。明日の行動食用にチョコパン一袋。

 昨日ひどいマメの青年が傷絆を持ってないかと言ってきたので3つ上げたが、今日はその青年が洗濯乾燥を4人でシェアしようと提案してくれる。勿論乗る。一人1.5ユーロでフカフカの仕上がり。毎日手洗いしてるけど、石鹸も普通の固形石鹸だし洗い方もロクなもんじゃないので白いTシャツは段々と黄ばんでしまう。毎日洗濯機で洗えばいいんだろけど、それは有料なので節約を旨としている私は滅多なことでは利用しない。

 フランスおばちゃんはアルベルゲにチェックインすると大体近くの探検に出かけている。今日も誘われて近くのフエンテ(泉)に行くことになったが、間違って工場の中に入ってしまったようだ。会社の人が来たけれど、東洋人(私)が混じっているので一目で巡礼とわかるだろう。チーズの展示施設らしい建物に招かれて試食させてくれるようだ。その量たるや出るわ出るわ、食べ切れないほどのチーズを切り分けてくれる。て言うか本当に食べ切れる量ではなく試食レベルではない。チーズの他にジャムの塊みたいのもくれるが、これ何だろうな?余りに沢山くれるのでこちらがそのたんびに驚いていることにテンションが上がったのか、最後には大きな固まりまでドカンと持たせてくれる。あまりに大げさにくれるので、きっとこの人はシャッチョーさんと想像する。

 アルベルゲに戻ってからそこに居たみんなに経緯を述べてからファンスが持っていた大きな塊をナイフで切り分けてお裾分けしたげると、みんな大喜びでアルベルゲ内が一気に華やぎ計らずも楽しいイベントになった。ここに一昨日の夕方、アルベルゲ隣の芝生でテントを張っていた母子がいることに気づいた。たまにはアルベルゲに泊まるようだ(左の女性三人)。シャワーも浴びたいだろうし洗濯だってしなくちゃね。三人ともとてもフレンドリー。しばらく前にキッチンで料理を作っていたのもこの子たちだった。馬鹿に愛想がいいなーと思っていたが、前に会っていたからだった。日本人は滅多にいないので良く覚えてくれるが逆に私は昨日会った人も忘れる始末で、この二日後に彼女たちに会った時も既に顔を忘れていた。脳軟化か!?

 おばちゃん達とは明日も同じVilalba のアルベルゲを目指そうと相談する。距離的にそこしかないし。きっと楽勝の筈


北の道36へつづく