北の道38  グルメふたつ Miras

6/21 Baamondeのアルベルゲ。キッチンでコーヒーとパンで軽い朝飯を食べる。8時スタート。Tさん交えて4人でずっと歩く一日になった。少し歩くとサンチャゴまで100㎞のモホンがあったので二人が100㎞の数字を指さして記念写真を撮っている。その後も山の中の教会でひとしきり撮影大会したりアチコチで撮影タイムを入れている。おばちゃん達が頻繁に寄り道してくれるお陰で汗ひとつかかない。

 面白かったのはカーブミラーがあった所で示し合わせたように全員で同じ所を撮ったとき。Tさんだけはスマホだったが、あとの三人はみなデジカメ。今は歩く人の多くはデジカメよりスマホで写真を撮るようになったが、ここではまだデジカメは主流だった。この後は石を加工してる芸術家の工房を見学。爺さまが大音量で音楽を掛けながら一人でコツコツと作品を作っていた。なかなか魅力的なのもあったが、重たいのは御免なので買うことはない。その後もおばちゃん二人はそこかしこでやたらと写真を撮るので、疲れとは無縁で歩くことができる。Mirasが近づいてきた所に出てきたバルに全員で寄ってティータイム。

 12時半、今日のアルベルゲMirazに到着~。オープンは2時半だが気の良さそうな老人が2時間も前に受け入れてくれた。スペイン語は話せず英語とフランス語のみ。3年前に泊まった時の写真を見せたら、老人の知り合いのオスピタレラだった。同じ国同士なので知ってるのかな?ここはドナティーボ朝食付きなので10ユーロを貯金箱に入れさせてもらう。Tさんは Wi-Fi が使いたいので近くの私営アルベルゲに向かった。友達に毎日連絡を入れているようなので Wi-Fi が必要らしい。シャワーは暖かくならないので浴びないことにする。のんびり歩きが幸いして、ほとんど汗かかなかったし。

 この村には店がないので久しぶりに巡礼定食を3人で食べに行く。バルとアルベルゲが一緒になった店で、村にはこれ一軒しかないようだ。Tさんもここに泊まっているだろう。外のテーブルで女性三人の巡礼が定食を食べていたので、我々も同じ巡礼定食10ユーロを注文。おばちゃんは早速三人とお喋りを始めている。巡礼定食には必ず水かワインを選ぶことができる。私はワインだが二人は水を頼んだな。二人はビールもワインも飲めるのに水と言うのは、フランス人にとっては水もワインも同じ感覚なんだろう。日本人は水と空気はタダと思っているので、同じ料金でどっちか選ぶとしたら絶対にワインの一択だ。

 足元にずっと犬がいておこぼれを待っているので二人して鶏肉の皮を上げたけど、パンをやったら食べない。毎日こうやって巡礼が肉を与えているのでグルメ犬になったんだろうか。何て贅沢な犬なんだ。Tさんがやってきて同じテーブルでお喋り。GPSは電波を捉えだしたそうだ。まぁ、そうだと思ったよ。私のGPSなんか捉える方が珍しいんだから。でも明日も一緒に歩かせてと言ってるのでもちのろんだ。

 食べているとお揃いのシャツを着た高校生の団体が5,60人うじゃうじゃやってきた。よくある学校行事でカミーノを歩いているようだ。団体は公営アルベルゲには泊まれないので、この私営アルベルゲに全員が泊まるらしい。Tさん大丈夫かな。定食の支払いにカードを使ったら、通信がうまくいかないのかピンコードを2回打たせられたので二重支払いにならないかと不安になった。帰りにラッフィーが鶏肉が不味かったとこぼしている。そうかなぁ?私が食べたのと同じ鶏肉と思うけど、グルメのフランスマダムなので私とは味覚が違うのかもね。

 5時過ぎにオスピタレラの車に三人で乗せてもらい、村のティエンダ(小さな店)に買い物に連れてってもらえる事になった。車は小型のフィアットだった。フィアット乗ったの初めてなので嬉しい。ティエンダは歩いて来る途中に目にした店だった。私はトマトと二人の為に缶ビールを買っただけ。アルベルゲに戻ると留守の間にTさんが訪ねて来たことを知らされる。Tさん今日もこっちに泊まれば良かったのに。

 夕方(と言っても9時過ぎ迄明るい)、おばちゃんが声を掛けてくれて散歩に出かける。小さな村なので見るところもないから教会墓地の見物をするらしい。塀に囲まれた墓地の中を一通り見るが、こういうのもフランスじゃ普通なのかなと不思議になった。有名人の墓ならともかく、日本じゃ知らない人の墓めぐりなんて絶対にやんないよね。近くにあった小さな公園のベンチに三人並んで座り薄暗くなるまで暫くまったりする。今までは夕方の早いうちから寝るっきゃなかったけど、いい時間を過ごせたかな。


北の道39へつづく