北の道40 民族衣装の祭り Arzua 6/23(日) まだみんなが寝てる内からベッドルームで音を出すのは悪いから荷物を抱えてキッチンへ移動。同じことをしている人たちが何人もいる。いつもは明るくなってから皆が起きた中でのパッキングなので忘れ物はしないのだが、今回はこんなことしてたので大事な物を忘れてしまう。それに気づくのはアルスアに着いた午後だ。 パンとコーヒーで朝飯。近くでバックパックを送るファンスが背負って歩く物と配送サービスで送る物を選別している。バックパックごと送るかと思ったが、バックパックは背負って中身の重たいのだけビニール袋に移して送るらしい。今朝はTさんが塗ってくれたのと同じ痛み止めジェルを持っていたので薬局に行ってきたらしい。同じのを買うってのは幾らかは効いているようだ。 修道院の中を移動するファンスの様子が最悪で酷い足の引きずり方をしている。それを見ている他の巡礼も驚くほど。あれで歩くのは無理なんじゃ?と思ったけど痛み止めを飲んで7時に果敢に出発して行った。こちらは日本人同士で30分後に出発したけど30分で追いついてしまうほどの鈍い歩み。追い越してしまうのが忍びないので一緒にゆっくり歩くことにする。両手のスティックを頼りに歩くファンスの顔が必死。でも時間が立つに連れて痛み止めが効いてきたようでずっとマシになって来た。「痛いか?」と聞くと「ウンポコ」と言うので少し痛いだけならいいけど、きっとうんと痛いんだろな。ファンスはスペイン語が喋れない筈だがウンポコと言ったな? 次の村にあったバルに全員で寄って一休みしていく。バルの前ではサクランボ売りの屋台があったので、Tさんが4ユーロ分買ってみんなに振舞ってくれた。私も買おうとしたがショボイ金額では売らないそうだ。しつれーしました。 歩いた先の教会からは聖歌が聞こえてきた。そう言えば今日は日曜日だ。主日のミサってことか。好奇心旺盛なおばちゃん達が中を覗き込んでいたが中には入らずに通過する。人里はなれた所でラッフィーがピッピと言ったのでトイレタイムなのが分かった。トイレだってよとTさんに教えて二人で先を行くことになった。いったん離れてしまうと通常のスピードで歩くことになるので、それからは離れ離れ。Tさんともペースの違いで離れ離れになり一人でアルスアへ向かうことになった。 アルスアの町に入ってフランス人の道と合流。巡礼が今までの50倍くらい歩いている。すぐ公営アルベルゲに到着。まだ時間は1時半を過ぎたところだ。アルベルゲはオープンしてたのですぐチェックイン6ユーロ。オープン後に待たずにチェックイン出来るのは気分がいい。ここはベッドを指定するタイプで、シニアは必ず下段ベッドにしてくれる。少し遅れてTさんも到着。隣の下段ベッドになった。 シャワーに行こうとして着替えの長ズボンを探したがどこを探しても見当たらない。あんな大きな物がどっかに潜り込む筈はないので修道院に忘れたのに間違いない。朝方、キッチンに移動してパッキングしたためだ。いつもは明るくなった頃、ベッドルームのみんなも動きだしているので遠慮なく音を出せるから忘れ物することは殆ど防げる。最後は毎回必ずベッド周りも床も入念にチェックする。やっぱり違うことすると忘れちゃうな。ズボンは昨年サンチャゴ市内のデカトロンで購入した膝から下が切り離せる山用ズボンで気に入ってたので惜しいことをした。まだ買って1年だったし。くっそ。他に着替えのズボンは持ってないので、これは早急に買わないとだ。まだ時期的に半ズボンでなく長ズボンが必要だろう。安いジャージでも売ってないかな。さいわいここは大きな町アルスアなので店探しに出かけて行く。歩いていくとそれらしい店が見えたが、近づいた所で店主らしき女性がドアに鍵を掛けて行ってしまう。シエスタだ!くそまたシエスタか。 これより先は町外れになってしまうので今度は町の反対側へ歩いて行くと中国人の雑貨屋があった。こういう店には何でもあるので必ず衣類もあるだろう。長めの水泳パンツがあったが、やっぱりまだ寒い日もあるので却下。黒いジャージタイプがあったのでその場で半ズボン(て言うか海パン)の上から履いてチェック。裾がしぼんで少々きつく感じるがウエストも長さも手ごろなのでこれに決める。9.95ユーロ。やっぱり日本と同じだね、ほんのちょっぴりだけど桁が上がらないようにして安く見せてる。安物感がぷんぷん臭うジャージだがスペインにいる間だけ履ければいいや。それと帰りの飛行機内がきっと寒いので長ズボンと長袖は必須。成田に着いたら捨ててしまおう。 アルスアには大きなスーパーDiaとFroizがあるのに、二つとも日曜でシャッターを下ろして買い物ができない。本当に不便。交代で日曜オープンにする訳に行かないのかね?おばちゃん二人が遠くに見えたので手を振って知らせる。私が6時間でおばちゃん達は7時間かかっての到着だった。同じ公営に泊まるかと思ったが、今日は私営アルベルゲを予約済みだそうだ。ファンスの歩くのが遅いので予約はきっと安全策だろう。 買い物ができないので巡礼定食を食べさせる店を物色する。一番安い店に目星を付けたが表の看板にはワイン付きと書かれてないので、中に入ってワインも付くかと確認する。あとで友達と来るよと伝えて5時過ぎにTさんと夕飯を食べに行く。バルの兄ちゃんはちゃんと覚えていてワインも出てくる。Tさん別々の皿を頼めば違う味が楽しめると提案してきたのでそうすることに。実はそういうの面倒なタイプなんだよね。食べ物に余り興味がないので色んな味なんて知らなくてもいいし、毎日同じもの食べるのも平気。でも折角の申し出なので付き合う。 食後、一人でふらついていると広場でこれからフィエスタが始まるようだ。急いでアルベルゲに戻ってTさんにも教えたる。民族衣装の女の子が何人も集まって出番を待っている。子供はいつも可愛い。仮設ステージで歌と踊りが始まった。緊張のためか舞台で待ってた女の子がお漏らしをしてしまったようだ。でも泣きもしないので不思議だった。こういうとこも日本人とは違うのかな? ステージの上で子供のダンスの他に大人のダンスもあった。バグパイプに太鼓の演奏とか歌と踊りが終わったら反対側の広場でオーケストラ演奏が始まった。こちらも大所帯で中々の迫力。でも子供の踊りには負ける。 スペインは祭りが多いので、運がいいとこうして見ることができる。フィエスタ大好き。アルベルゲの庭ではすっごいビキニの女性が二人、ずっと肌を焼いている。ほんとに何時間もそうやっているのでよっぽど陽の当らない北欧あたりの人なんかな。 北の道41へつづく |