北の道42  1日スタンプ2個? Santiago de Compostera 

6/25 O Pedrouzoのアルベルゲ。キッチンに行ってトマトと牛乳、コーヒーにパンを食べて朝飯にする。Tさんとおばちゃん二人は6:45に出発したが私は1時間遅れで出発する。おばちゃん達はバルで朝ごはんを食べていたそうで、45分後に追いつく。今日もファンスは足を引きずっていて痛々しい。後ろから静かにバックパックを持ち上げたらすぐ気づかれて「ノーノー」と言われてしまう。自分も足を引きずって歩いたことが何度もあるが、おばちゃんの姿を見ていると心が痛む気がする。気遣って一緒にゆっくり歩いていると、先に行けと言われてしまう。気遣われるのが嫌なんだろう。じゃぁと先を歩き始めると後ろでけたたましく吼える犬の声が聞こえた。足を引きづった怪しい格好で歩いていたおばちゃんが放し飼いの犬に吠え掛かれていたので飛んでって追っ払おうとしたら、飼い主が側にいてすぐ制した。こんな気の毒なおばちゃんに吠え掛かる奴はぶっ殺すぞ。

 この辺りは何度も歩いている割に記憶があいまいで、こんなに坂だらけだったかなーと呆れる。これは年々体力が落ちているからなのかな?モンテドゴソ手前のティエンダでヨーグルトを仕入れて、モニュメント前のベンチに座ってパンと共に食べることにする。ここはベンチもゴミ箱もある優良お休み所だ。その前を巡礼が引っ切り無しに通り過ぎて行く。多くの人たちはこの奥に有名なゴソの丘があることを知らないのか素通りして行ってしまう。Tさんを案内して本物のモンテドゴソに連れてって上げる。何百キロと言うカミーノを歩き続けた巡礼が遠くに見えるコンポステラの尖塔を初めて目にして歓喜の声を上げると言うのがモンテドゴソの由来だ。一緒に記念写真を撮っていると少数ながらここ迄やってくる巡礼がいる。近くには400人収容の巨大アルベルゲがあるので、その中を案内しながら巡礼路に復帰する。

 町の中を通り抜けてサンチャゴ デ コンポステラ到着~。Tさん初めてのカミーノ達成おめでとう。拳をぐっと握り締めたガッツポーズをして写っているので、かなり嬉しいらしい。まずは巡礼事務所へ移動してコンポステラーノをゲットしよう。Tさんまったくスペイン語が分からないので一緒に付き添ってみたところ、一人ずつと厳命されたが何てことなく巡礼証明書をゲットできたそうだ。きっとまるきりスペイン語が分からない方が意外と簡単に済むのかも知れない。距離証明書も(3ユーロ)もらったそうで嬉しがっている。証明書を入れる筒まで買って合計5ユーロとのこと。私はいつものように証明書だけ貰って持参のクリアフォルダーに入れておく。

※お役立ち情報
 サンチャゴ手前100キロ地点からスタンプは毎日2個必要と言う噂がまことしやかに出回っていますが、私は最初に巡礼した時から1日1個を通してます。2個貰うにはアルベルゲ以外のバル等で貰わなくちゃならないから不経済が理由です。でもそれで証明書を貰えなかったことは一度もありません。Tさんから相談された時にもそう伝えましたが、確証がある訳じゃないから心配なら2個集めてくださいと。でも今回この噂に終止符が打たれました!!
 北の道を5日間一緒に歩いたソリさんが一旦日本に帰国後9月に残りを歩いてサンチャゴに到達しました。巡礼事務所に行くと「1日1個のスタンプでいいですよ」と言われたそうです。事務所の方でもこのデマを良く耳にしているんでしょうね。誰だっ、最初に言い出したのは!

 私のクレデンシャルは今回2通。1つは熊野古道館にプレゼントするんだとここでも説明がめんどい。更にこれからカミーノを逆に歩いてファティマを目指すので最初のスタンプはどうしてもサンチャゴのが欲しい私は説明に苦労する。めんど臭くてごめんね。押してくれたのはいつものスタンプじゃなくて文字だけのだった。こんなの押して貰ったの初めてだけど、サンチャゴスタートのスタンプはこういうモンなんかな。おまけに逆さまに押しやがった。おっちょこちょいは洋の東西を問わずどこにでもいる。人のことは言えないのは重々承知。

 おばちゃんに予約してもらったアルベルゲ O Fogar de Teodmiro を探す。旧市街の地理は多少分かるがアルベルゲが近くなった所で迷いだす。Tさんご自慢のカミノアプリの出番だ。アプリはすごいね、すぐ見つかったよ。ここはアルベルゲの隣でオスタルもやってるらしく、ベルを押すと隣から婦人がやってきた。18ユーロとお高め。2段ベッド2台の部屋には先客が一人いるようでバックパックが置かれている。Tさん上段ベッドでいいとのことなので下段を使わせてもらう。シャワー・洗濯したらパン屋に行って缶ビール3本購入(なぜか高目の3.15ユーロ)、1本はTさんに上げる。Tさんドライマシンを使うそうで、私のも入れて貰える。

 おばちゃん二人は5時50に到着。ファンスの重い荷物はタクシーで送ったそうだけど、まだ着かない模様。全員で夕飯を探しに行くが、おばちゃん達は今日もレストラン選定であっちへ行ったりこっちへ行ったりしているが、結局適当なレストランが見つからないので持ち帰りのピザで済ますそうだ。私たちには説明なしなので、ラッフィーは普段と違ってプリプリしてるように見受けられた。なんでかな?

 じゃぁ私の知ってる所に行ってみようとTさんと二人で移動。安くて量もあって美味しい人気のレストランなので、やっぱり順番待ちができている。でもテーブルが沢山ある店なのでほどなく案内される。ここは定食しかメニューがないが定食の中の種類は選べる。私は安定の鳥でTさんはステーキだったかな。定食とワインで一人13ユーロ。サンチャゴのような観光地でこの値段でしかも量もたっぷりのレストランはここだけかも知れない。

 食後は薄暗くなったオブラドイロ広場に行って賑やかなバンドの演奏なんかを見物する。カテドラルの後ろにはほのかに虹が掛かっていた。


北の道43へつづく