北の道43  サンチャゴの休日 Santiago de Compostera 

6/26 サンチャゴの私営アルベルゲ。カメラを無くす夢を見た。あー良かった夢だったか。こちらは現実で、高い所に置いて充電していたカメラを不用意に手探りしたらガチャッと落としてしまう。すぐ起動してみたら画面が真っ黒で焦る。取り返しのつかないことをやっちまったか!?でもこれはレンズが開かなかっただけらしく、指で開いてやったらモニターにちゃんと写ったので一安心。ヒヤッとした。このカメラは丸5年使っていて、もう数年前から大きくズームするとレンズが引っ込まなくなってしまっている。ギチギチギチと音を出して「引っ込まない」サインを出すので指で補助して引っ込ませてやらなくてはならない。デジカメは長く使っていると埃が災いしてこうなるらしい。モニターを指で操作するのも感度が落ちてるし、ぼちぼち寿命なんかなぁ。

 おばちゃん二人は知らない内にフィステラに行ってしまったらしい。歩きかバスかは不明。十日も一緒だったのに終わりはあっけなかったな。同室のおじさんはここで連泊するそうだ。私はやっぱり二泊目はメノールに泊まりたいのでTさんに提案すると簡単に同意してくれる。今日はTさんをサンチャゴの町を案内したげることになっている。まずメノールに早い時間に行ってベッドを確保。メノールはHotelscomでもBookingcomでも予約できるが、今回はどちらでもフルと出て予約ができなかったが、飛び込みの客の分があるので早い時間に行けば泊まれないことはない。

 メノールの玄関までやって来ると、あのキャンピング母子が出発する所だった。あんらー、また会った。今日はサンチャゴなのでさすがにキャンプじゃなくてアルベルゲ泊まりだったんだね。相変わらず明るくて愛想がいい。こんな感じで親子でキャンプしながらサンチャゴ巡礼するなんて何て幸せな家族なんだろう。楽しい母子と一緒に写真を撮ってバイバイする。聞くのを忘れたけどこれからフィステラへ行くのかな?最後に会えて良かった。

 チェックインは出来てもベッドルームは掃除の時間なので入れるのは午後だ。バックパックは地下のロッカールームに入れて身軽にサンチャゴ見物に行く作戦。ロッカーは大枚2ユーロも必要なので荷物を取り出したらコインが戻る方式にして貰いたい。バックパックを放り込んで鍵を掛けてからスティックを入れ忘れたことに気づく。また2ユーロは勘弁なのでレセプション辺りに立てかけて置くことにする。

 Tさんは明日からフィステラの道を行くので、その巡礼路を教えるために分かりづらい所まで一緒に歩くことにする。まずここのアルベルゲからオブラドイロ広場まで行ってからパラドール前の坂を下って、凡そ500mほど歩いて迷いやすい交差点まで行けば後は矢印とモホンがずっと続くので大丈夫。

 次は熊野古道とサンチャゴの両方を歩いた人がもらえる「Dual Peregrino」のバッチを貰いたいのでサンチャゴの観光案内所へ。昨年12月に田辺市の観光案内所でも貰った物と同じだが、ここでも申請できる。複雑な通りでちょっと迷ったがTさんのGPSのお陰で難なく到着。クレデンシャルを出してお願いすると簡単にバッチをゲットできる。ネットで紹介するための記念写真も撮ってくれるそうだ。顔がにやけて引きつるので思うように撮れない。

 アラメダ公園の二人のマリア像とカテドラルが一番きれいに見える公園のスポットにも案内する。サンチャゴには何度もやって来ているのに知ったのは昨年だ。このスポットは意外と知られてない気がする。これからは暑くなって来るので着替えが長ズボンのジャージしかない私は半ズボンが欲しいのでデカトロンに付き合ってもらう。5ユーロの黒い短パンを購入。安いし気に入ったのが買えて良かった。

※お役だち情報
 知ってる人は知っている、デカトロンはフランスが本社のスポーツ用品店。日本のユニクロみたいな位置づけらしい。スペインのあちこちにあるので、見かけたら寄ってください。欲しいものが安く買えます。

 11時半、巡礼者の為のミサが行われるサンフランシスコ教会へ移動。今年はカテドラルの内部工事が始まっているのでカテドラルではミサはないし当然、ボタフメイロのぐるんぐるんもない。今年サンチャゴに到着した巡礼はちょっぴり不運かもね。来たときはガラガラだったがミサの始まる12時には立っている人が回りにずらり。日本人のSさんが前の方に座っているのが見えたが、ミサ後に挨拶しようと思ったが会えず仕舞いに終わってしまい残念。ミサが終わって教会の外へ出ようとすると、こんな大勢が良く入れたなと思うほどの巡礼が大行列を成していた。Gijon手前のキャンピング・デバで一緒に夕飯を食べた韓国のおじさんがいたのでハグして再会を喜ぶ。焼肉を食べたのかすっごいニンニクの匂いを撒き散らしている。さすがコリアン。

 Tさんがお世話になったからと昨日のレストランでお昼をご馳走してくれるそうだ。私も楽しかったし大したことはしてないけどありがたく御馳走になる。Tさん2皿目に魚のフライをチョイスしたら、これが大皿に乗り切らない程のでかい魚でびっくり。写真を撮っておこう。この後はフィステラからムシアへと歩き、ムシアで奥さんの足が治ったお友達と合流するそうだ。最後はまたサンチャゴに戻ってくるので、ここのレストランに連れてくると言っている。「Tさんサンチャゴはお友達より詳しくなりましたね」と言ったら「はい」と嬉しそう。

 Tさんははもう少しオブラドイロ広場を見たいと言うので一人でスーパーへ買出し。到着祝いにカバを買ってみる。その後、アルベルゲの地下食堂でTさんと酒盛り始めたら日本婦人が「混ぜてくださいー」とやって来る。一人でフランス人の道を歩いたらしい。すっごいお喋りで雪崩のように喋り続けていて、こちらの言うことには耳を貸さない。日本語に飢えていたようだ。Tさんと顔見知りの二人の婦人とカルボナーラを食べさせてくれた女性も加わって更に楽しく盛り上がる。Tさん英語もスペイン語もまったくダメと言ってたが、片言で英語は喋れるようで楽しそうにやっている。ワインを買い足して楽しい宴会。

 今日の悪いこと、メノールに戻ると壁に立てかけて置いたスティックが2本消えた。ていうか盗まれた。ここは行儀の悪い巡礼がいるのを忘れて、いつものアルベルゲの積もりだったのが敗因。100km手前から歩き出す巡礼はずっと長距離を歩いてやってくる巡礼とは別物が多い。ズボンも無くしたし今回は下らない出費が多いので気をつけよう。

 良かったこと、デカトロンで5ユーロの半ズボンを買えた。Tさんが感謝してお昼をご馳走してくれた。サンチャゴで北の道で仲良くなった人8人に再会できた。それと夕方の酒盛りで盛り上がったこと。プラマイでプラス。

 帰国後、足を故障したファンスからメールが届いた。フランス語なのでGoogle様に翻訳してもらう。長文なのでその一部だけ披露します。

 「あなたのことを考えました。私たちの側にあなたの存在の暖かい記憶を保ちます。私に関しては、私ははるかに優れています、私は私の医者に相談しに行きました、そして、診断は素晴らしいではありませんでした。私はいくつかの腱炎がありました、治療法は3ヶ月で休むことです。」

 変な日本語になってる所もありますが、意味は通じます。Google様にフランス語に翻訳してもらった返事とともにファンス達を写した写真を40枚以上添付してあげました。

 北の道これにて完結です。明日からはファティマを目指してここサンチャゴから逆歩きが始まります。ドキドキ