おまけ1 サンチャゴからマドリッドへ Madrid

8/6 メノールのアルベルゲ、キッチンへ降りていってジュースとブドウパンの朝飯をもそもそと食べる。これから10時間もバスに乗るのに、さすがにこれだけじゃ淋しいので売店からクロワッサンと飲み物のモーニングセットを買ってみる。飲み物はコーヒーかオレンジジュースを選べるので、もちろんビタミンのあるジュースだ。同じオレンジジュースの1リットルパック持ってるので微妙。今日も朝から沢山の人たちが朝飯を食べているが、さすがに朝から自炊する人はいないようだ。ニーナ婆ちゃんがくれたスティックコーヒーを飲みたいのだが何処にも見当たらない。何気にしまうと必ず分からなくなる。老化か、それとも生まれつきか。

 9:45のバスなので早めにメノールを後にする。玄関から外に出たら、カテドラル方面の空がこの世の終わりみたいなことになっていた。中世の街並みと相まって何か出てきそう。でも雲が厚いだけで雨が降るのでもなさそうだ。バスターミナルへは歩いて20分だったかなと記憶していたが、25分ほど掛かった。覚えておこう。早目に出たので出発40分前にバスターミナル到着。いつものようにターミナルにはバックパックを背負った巡礼が沢山集まってくる。

 ALSAのバスが1台停まっていてフロントガラスには「Madrid」の文字が見えたので係員に確認すると「そうだ」と言うが、私の乗るのはこのバスではなかった。もう1台ALSAのバスがやって来て、こっちが本物だった。貴重品とバスの中で食べる菓子とジュースをナップザックに移し、バスのトランクルームには一番にバックパックを入れたので一番奥になってしまった。出すときは最後か。

 最初に停まっていたバスは同じマドリッド行きだが、途中であちこちの町に停まる表示が出ている。Santiagoを出発して最初に止まるのがヘラクレスの塔があるA Coruna、 次がプリミティボの道巡礼路上にある城壁の町Lugo、その次もフランス人の道上にあるPonferadaだった。それでやっとマドリッド到着なので、きっと直通バスより1時間以上は余計に掛る気がする。しかし私の乗る方はマドリッドへは直行だ。これはラッキー、タダでもマドリッドへは所要10時間となってるので、少しでも早く着いて貰いたい。バスはほぼ満員で定刻どおりに出発。

 マドリッドに向かって絶賛激走中。座席は指定で1番前の通路側なので大きなフロントガラスから前が丸見え。非常に気分がいいが追突したらフロントガラスを突き破って外にダイビングだろう。言われなくてもシートベルトをカチンとはめる。このバスは10時間の長距離なのにトイレが付いてなかった。でも2時間ごとにサービスエリアに寄ってくれる模様。気分転換になるしこっちの方がずっとありがたい。車内にはWi-Fiもあるし言うことありません。停車するたんびに軽く運動したりトイレも借りてスペインのドライブインを見物することが出来る。日本とは大分様子が違うので面白い。

 3回ドライブインに寄ってからマドリッドが近くなってきた所で、遠くに特徴のある4本の鉛筆ビルが現れる。じゃぁあそこがチャマルティン駅か。2年前はビルは3本だった気がするが記憶違いか、それとも新しく建ったのか?気持ちが悪いので過去の写真で確認したら最初から4本だった。ホントに当てにならない記憶で困ったもんだ。昨年はその脇を歩いてサンチャゴを目指したんだよなーと、矢印がまったくなかったマドリッド市内での苦労が蘇った。昨年に比べれば今年は楽だった方だ。逆歩きの苦労はあっても殆どが一度歩いた道ばっかだったから。

 マドリッドの南バスターミナル到着~。予定より1時間半も早かった。ここは市内から大分離れてる模様なので、まずは市内へ移動しないとだ。大きなバスターミナルの情報は何も持っていないので、取りあえず中をウロチョロしてたら「セルカニアス」の表示を見つける。セルカニアスは近郊電車のことらしいので、これでアトーチャ駅まで出られればオスタル迄は半分歩くだけで済む。チケット売り場で良く分からないスペイン語でチケットを購入。2ユーロなので乗車賃の他にカード代金も入っているのかな?カードを持っていればチャージ分だけで済むようなことをネットで読んでいたので。

 ホームへ向かうと壁に大きく「Atocha」の文字を見つけたのでこのホームでいいらしい。やって来た電車に乗り込んで一安心。でもなかった!いくつ駅を通り越してもアトーチャが出てこないのだ。これはおかしいと気がついて近くのお嬢さんに尋ねたところ(ほとんど身振り)、この線はアトーチャには向かわないそうだ。え、じゃぁあのアトーチャと言う表示はなんだったんだと思うがスペイン人にはあれで伝わるのかも知れない。後で写真を見直してみたところ、どうやら「C-5」は向かいのホームだったのかも知れないと思った。と言うことは私が乗ったホームは「C-4」とかだったのだろか?それは置いといて、さっさと次の駅で降りて反対側のホームへ移動。改札を通らなくて済んだので同じ切符で乗れたのが良かった。ちょっと間違いがあったけど無事にアトーチャ駅へ辿り着ける。アトーチャから地下鉄でオスタルの近くまで行くことも出来るらしいが、もう神経を使う乗り物はうんざりなので歩いて目指す。歩くのが一番簡単。

 マドリッドで一番有名な広場ソルを通り越すが、支線になっている通りがどこもかしこも凄い人出。高級ホテルみたいなマクドナルドの前を通り越して、目指すオスタルの前もぞろぞろと人が歩いているので、この先に有名観光地でもあるんかなーと不思議だった(次の写真)。今まで泊まっていたマドリッドの宿は、毎回メインの通りから少し入った地元の人しか歩いていないような通りに面していたのでちょっと面喰った感じがする。こんな観光地みたいなオスタルはマドリッドで初めて泊まるよ。その割りに宿賃は安くて2泊で50ユーロだから良い宿をゲットできたのかも知れない。

 余りの人出に、ほーとかはーとか言いながらオスタル「Casa Bueno」には7時45に到着。予定より早くて上々だ。玄関に幾つもある呼び鈴の中からオスタルのを押して「ソイデハポン(日本から来た)」と言うと遠隔操作でガチャッと鍵が開いた。3階まで極狭のエレベーターで上がるとオーナーのホセが扉の前に出てきて出迎えてくれる。久々の一人部屋、シャワーはあるがトイレがない。シャワーは一度浴びれば用がないがトイレはそう言う訳にはいかない、逆の方がありがたいんだがな。ベッドはでかいWベッドだった。今までずっと二段ベッドばかりだったので、本当にダブルの広さがある。一人部屋は凄くありがたいけどオスタルにはキッチンがないのでなー。

 少し離れたスーパーDiaで1リットルビールとバケツ野菜にパン1ケース、ゴルゴンゾーラチーズとオレンジ、インスタントコーヒー1箱で9ユーロと少し。狭い部屋なので買ってきたのを小さいテーブルで食べるしかない。プラのカップを持ってたのでビールのラッパ飲みだけは避けられて良かった。また使うので捨てないでおこう。明日は一日マドリッド観光だ。

 毎年、マドリッドにやって来ると「いまマドリッドにいます」とメールを送っている知り合いがいる。マドリッド出身で今は日本人と結婚して私と同じ前橋市に住んでいるスペイン婦人だ。すぐ返信が来て、なんとその人も今マドリッドに里帰りしているそうだ。どこのホテルに泊まっているのか教えてと言ってるが、滅多にない里帰りなので妹を訪ねたり何かと忙しそうだ。結局、ここで会うことはなかった。まぁもっともだよね。


おまけ2へつづく 明日はマドリッド観光