何ちゃって四国遍路旅11   今日からは観光モード

11月6日(日) 遍路21日目 ビジネスホテル土佐

昨日の大幅な道間違いによってモチベーションがプッツリと絶たれたので、今日は遍路から離れて高知市内に戻ります。取り合えず高知で二泊して、これからの行く末を考えようと思ってます。考えられる選択肢はみっつ。候補のひとつ目は四国を観光モードに切り替えて名所見物でふらつく。思えば私が四国の地に足を踏み入れたのって今回が初めてだったのにも関わらず、まったく観光らしい観光ってしてなかったんですよ。有名な所に行ったことはあっても、遍路の途中、ついでに立ち寄った室戸岬と桂浜くらいだったので、この観光案は悪くはありませぬ。候補の二つ目は熊野古道にターゲットを移して和歌山に移動する案。三つ目は気力が戻ったら遍路を再開する。どう転んでも誰に相談する訳でも遠慮する訳でもなく、自分だけで判断すれば良いので気楽と言えば気楽です。


取りあえずは高知市内に移動です。ここは完全素泊まりの宿なので朝食も食べずに目の前のバス停からJR伊野駅へ。このバスが何かのキャンペーン中らしく、下車時にお金を払おうとしたら無料と言われる。なんだか分からないが無料なのは良いことだ。2,3日前にもバスを利用したけど、2回乗った2回ともワンコインデーと言うことでバス代は百円だけだったし、タイミングが良かった。

駅の待合室に入り運賃表を見ると高知までは260円だった。歩くと二日も掛かったけど、高知の中心からは幾らも離れてなかったんだな。電車は3番ホームで既に待っていたので乗り込むと同時に発車になった。タクシーじゃあるまいし、私を待ってる訳ないけど乗り物ではラッキーが続いている。


高知駅前にあった観光案内所で市内地図を貰って高知城を目指しました。案内所の前には土佐の英雄三人が揃い踏みしていました。たぶん坂本龍馬、武市半平太に中岡慎太郎か。これら英雄の物語は小山ゆうの漫画「おーい龍馬」で覚えました。土佐藩の龍馬たち下士へのひどい扱いに激しい怒りを覚えたけど、その虐げられた英雄のお陰で現在の高知がどのくらい恩恵を受けていることか。高知、いや日本の大恩人かと思います。


城への途中には大きな市が立っていて人がわんさか繰り出していました。イモモチ200円と言うのを買って、どっか座れる所で食べようと歩いていると、道端に「ひろめ市場」があったので入ってみましょう。入り口には門番が居て、私が持っているビニール袋を見とがめて、外で買ったものを中では食べられませんと忠告される。はいはい見るだけですよ。中はカオス状態で人がわんわんいる。ぐるッと一回りしてそのまま出てくる。後で鰹のタタキを食べにやって来よう。


10時高知城到着。入り口からして立派な城だ。天守へ行く途中には山之内一豊の奥さん千代の銅像があったので、城主より奥さんの方が有名なのって、ここくらいだろな。

内助の功で土佐城主となり、家来を引き連れて土佐に移り住んだ訳だが、そのせいで元から土佐藩の家来だった武士たちは下士としてひどい扱いを受け続け、龍馬の反骨精神はそれで養われたかも知れないことを考えれば、大元はこの内助の功から始まったと考えられはしないだろうか?なんちゃってですけどね。


広い場内はいくら行っても無料ゾーンが続いていました。天守閣に上るときだけ拝観料が必要だったが当然ここも入ります。


時代劇で登場する城はだだっ広い城内が定番だが、ここは入ってみると割合コンパクトで、すぐ殿様に拝謁する座敷などがありました。時代劇と違って実際はこんなもんなんかな。


NHKの大河ドラマだったのか、私は見てなかったけど「功名が辻」と言うのが内助の功の舞台だったらしい。撮影の中で実際に仲間由紀恵さんが着たという衣装が展示してありました。ドラマ見てれば「へー」と思うのでしょうが一回も見てなかったのでハーもへーもなかった。ポスターの背景の城は確かに私が入ってきた城の玄関なので、この城で撮影が行われたのかも知れない。今更だけど、どっかで録画が見られないかな?


もちろん天辺の天守まで行きましたとも。ここまで上がらなくては何のために拝観料払ったのか分からない。どこの城でもそうだが、階段と言うより梯子段みたいな急階段を上って天守へ。今で言うベランダがぐるっと回った天守なので私もぐるっと回って高知市内を上から見下ろしました。


さて次は「坊さんカンザシ買うを見た」で有名になった「はりまや橋」を見に行きましょう。大昔に姉がやって来たときは川も何もない路上に、取ってくっつけたような橋の欄干だけがあったそうだが、行ってみると今は下に川が流れていた。日本三大ガッカリにランキングされる程、余りにもみっともないので高知市が後から川を掘ったのだろうか。よしゃぁ良いのに欄干にはご丁寧に平成十年完成の文字がありました。夢も希望もありませんがな。


3日前に高知に入ったときは一緒に行動してたK子さんが足の故障で観光どころじゃなかったけど、再訪して立派な城も見られたし「ひろめ市場」で念願のカツオの叩き定食も食べられました。カツオの叩きを焼いてると言うより燃やしてる所を動画で撮りました。この係さん大変だね。

この店のシステムが良く考えられていて、長い行列に並んでまずは受け付けのお姉さんに定食のサイズを伝えビールも飲むと告げると、ササッと書かれた紙をお盆に乗せてくれます。セルフのうどん屋さんみたいに、お盆をスライドさせながら行列に続く途中にはアオサや竹輪の天ぷらなどがあって、食べたい人はそれを小皿に取って自分のお盆に載せる。本命の鰹の皿を載せるときには係の兄ちゃんがお盆に載せてある紙をチェックして鰹の種類別に載せてくれ、最後はビールにご飯と味噌汁を貰って会計になると、まぁこう言う流れだった。セルフうどんのスタイルを真似たんかな。


定食900円と生ビール600円を付けても1500円で楽しめました。ここで食べると鰹のタタキは3000円位すると思ってたが想像よりリーズナブルでした。長い行列だったが、食べている内に幾らも並ばない短さになっていたので行列もタイミングがあるようです。いつもは魚は好んで食べないけど、ここでは別です。鰹の叩きはさっぱりして美味かったです。


「はりまや橋」を抜けた途中の広場ではお祭りの最中で、ステージのよさこい踊りが楽しかった。夕方からもやると言うのでホテルに荷物を置いて出直すことにしましょう。


今後の行く末ですが、和歌山の熊野古道に行くなら徳島に移動して、徳島を見物する案が浮上したが、同程度の距離に高松があるので高松にも行ってみたい気になりました。愛媛は反対方向なので考えない。と言うことで高知駅に行って高松行きの電車の時間を調べましょう。特急なら頻繁にあるが各駅だと1日に2本しかありませんでした。特急なんかで余計な金を使いたくないな。時間だけは腐るほどあるので乗るなら各駅以外は考えられない。

駅の裏にはバスターミナルがあったので、そっちも偵察に行ってみると、バスの方が本数がいっぱいあるようです。高松市内に入ってからは幾つも停留所があって、どこで降りても良いらしいので高松のホテルを決めてからチケットは買うのが良さそうです。まずは高松のホテルを探す方が先決です。

駅前のベンチに座っていたらYさんがやって来た。青龍寺に行ってからバスで戻ってきたそうだ。明日は高知見物してから九州に帰るとのこと。地元で用足しを終えたらまたここから遍路を再開するそうです。いわゆる区切り打ちと言うやつですね。区切り打ちは往復の費用がそれだけ余計に掛かるので大変だね。Yさんは高知のキャンペーン情報を教えてくれて、交通機関を利用して高知に泊まると最大で5000円の補助が出るそうです。そこの観光案内所にチラシがあると言うので早速ゲットしておく。家に帰ったら申し込んでみましょう。


ホテルにチェックイン。既にカードで支払い済みなので簡単。2泊で10682円。もしかしたらと思って、全国旅割りが利用できるかと尋ねたらHotels.comからの予約では適用にならないって、えっ!そんなことあるのか!?2泊もするので40%割引とクーポン券貰えないのと合わせると1万円以上の損だよ。これはでっかい。はいそうですかと諦める気にならないのでHotels.comにチャットで問い合わせることにする。対応してくれた担当もはっきりとは分からないらしいが、調べてくれた結果は、Hotel.comは旅割りキャンペーンには未対応なので特典は受けられないとのこと。なんだガッカリもいいとこだな。Hotels.com、今まで数十回お世話になったけど、旅割り期間中は利用することはないだろう。

夕方になったので昼間見たお祭り会場に行ってみましょう。ホテルから歩いていくので帰り道を迷わないように後ろの景色をちょくちょく見ながら歩いたけど、早速逆方向に歩いることに気づく。いっぱい旅をしてるので方向感覚には幾らか自信があったけど、どうも当てにならないようだと自覚し直さなくては。


夕飯は会場で売られていたカレーライス400円と生ビール500円。コロナのために、この祭りは3年ぶりの開催らしかった。元気なお姉さんが司会しながら踊るよさこい踊りが良かったです。帰りの道端にはバスターミナルがあったので、ここから乗るとどこに行けるのだろうとちょっと覗いてみました。まぁ駅から乗る方が無難なようです。


ホテルに戻る前に3日前に覗いたファミマで明日の朝用に飲むヨーグルトと寝酒用の缶酎ハイとつまみ一袋を仕入れる。3日前に泊まったドミトリーが本当に目の前だったので、愛想の良かった受付のお姉さんに挨拶したいところだが、それもいやらしいので止めておく。

高松にはここと同じ系列のホテルエリアワンがあるので、フロントから電話予約して貰えれば確実に旅割りが付くかとお願いしてみるが、そういうサービスはしてないそうだ。同系列と言っても関係ないのかな。あした自分で電話してみようか。


11月7日 遍路21日目だけど観光中

このホテルの良いところは朝食のサービスがあるところ。ビジホの朝食はバイキングが多いけど、ここのは一人ずつプレートで供されるスタイルだった。それだけにサンドイッチの好みなどを聞いてくれてオーダーメイドで作ってくれるそうだ。サンドイッチだけどちょっとだけ高級そう。コーンフレークと飲み物は自由に飲むことが出来ました。仕上げはいつもコーヒーです。

部屋に戻って明日からの高松二泊の宿を調べ倒す。それと高松市内のバス停留所。宿はビジネスホテルイーストパーク栗林に決定。バス停は栗林公園前で降りれば良いらしい。どちらも分かりやすくて良かった。二泊で8800円で朝食付けると一泊700円増し。携帯持ってないけどもしものために電話番号もメモしておこうかい。

今日の高知は雨です。桂浜は遍路途中で見ちゃったし(竜馬像見忘れたことをハッと気づく!)、高知城は昨日見たし、今日は明日乗るバスのチケット買ったり博物館にでも行ってみましょうかね。ホテルのビニール傘を借りて出発。ホテルは何でも貸してくれるので有りがたいね。


まず高知駅裏のバスターミナルまで足を運んで「とさでん交通」の黒潮エクスプレス号11/8 9:50発のチケットを購入、高松栗林公園前下車12:13なのでチェックインの3時まで栗林公園でも見物してれば調度良さそうです。バス代3800円也。1号車の座席5Aと指定席だった。チケット買ったのでYさんに教わった高知のキャンペーン応募に必要な領収書発行をお願いする。キャンペーン上限の5000円には届かないが、3800円でも戻ってきたら儲けものだ。もし振り込まれたら発泡酒1ケース買おう。


雨降りだし、これと言って目的のない一日なので駅前にある高知物産館に入って飽きるほど見ている。そんな広くもない店内を二周してしまった。お陰で高知は酒造りでも有名らしいのが分かった。荷物になるから買わないけどね。


お昼は昨日と同じ「ひろめ市場」でカツオ塩叩き定食900円とあおさの天ぷら150円。別の店で千代登と言う1合瓶350円を買って市場のテーブルで細々と楽しみました。のんびり飲み食いしながら日記も書いている(これ)。昨日はタレの叩きで今回は塩叩きだけど、どちらも美味い。あおさの天ぷらもシャリシャリして旨かったです。こういう事してると自分も一丁前の観光客だという気がして気持ちが華やぐ。


雨の当たらない国立博物館へ行って高知を紹介するデカビジョンを暇にまかせて飽きるほど見ている。ここは昨日、見物した高知城の目の前にあるので昨日の内にチェックしておきました。あとは館内の展示品を見て回り、外に出るとようやく雨も上がっていたので気分も少し上向く。


高知名物の路面電車やアンパンマンの写真を撮りながら、4日前にK子さんと買い出ししたスーパーで夕飯を仕入れる。酎ハイ、白牛乳、オロナミンC、駄菓子ぽい薄いカツのつまみに主食にはカップ麺を調達。今回は妙に梅酒が飲みたくなったのでチョーヤの梅酒の小瓶を追加。

ホテルに戻ると若者がチェックインの最中だった。ちゃんとクーポン券貰っているよ。う、羨ましいたらない。自分もHotels.comさえ利用しなかったら貰えたのにな。せめて後から高知キャンペーンに申請できるようにと宿泊証明書だけお願いしておく。受付の青年に観光案内所で貰ってきたキャンペーンのチラシを見せながら「これ」と言うだけで通じる。


ホテルの浴槽で洗濯したらお待ちかねの一人宴会。ちょっと風邪が悪くなった気がするのでビールは止めといたけど、シャワーで汗流したら飲みたくなったのでホテルの発泡酒を追加しました。右下のサラダみたいのはサラダです。別売りのドレッシングを買ったので直接袋に振りまいての袋喰い。食べきれないほど買い込んだ食料が多すぎたので明日まで持ち越しになりました。オロナミンC、白牛乳とアップルパイ。足りないよりは良いけど。

明日は高速バスで高松に移動します。一応「全国旅行支援」のホテルだけど、今回みたいに利用できないとガックシだな。さっきチェックインしてた兄ちゃんがクーポン券貰ってるのが羨ましかったとまた思い出す。


何ちゃって遍路旅12へ続く