何ちゃって四国遍路旅12   金比羅ふねふね

11月8日 遍路22日目だけど絶賛観光中

高知のビジネスホテル、朝食は昨日と同じオーダーメイドのサンドイッチが二つとプレートには上品に少しずつ載っているが全部食べると腹一杯になります。いつもラーメン、牛丼、カレーなど1種類をガーっと食べることに慣れているので、こう言った上品な食べ方は落ち着かない気がする。自分の他に朝食会場に来たのは3人だけだったが、もっと泊まっている筈なので遅い時間に食べに来るのだろう。

今日はバス移動の日なのでタイムテーブルを作っておさらいしておきます。乗り物を利用するときはポカが出ないようにいつも注意しています。
ホテル 9:20 出発
バスタ  9:35到着
高松行きバス 9:50出発
栗林公園前  12:13 到着 うどんの昼飯
栗林公園見物して15時ホテルへ
とまぁこんな感じ。


ほぼ時間通りに高知駅前を出発、一路高松へ。バスは楽チンだね。


高松到着は予定より少し早くて12時前に着きました。バス停の名前が「栗林公園前」てくらいだから、本当に栗林公園の目の前でした。

ホテルのチェックインまで大分時間があるし昼飯時なので、香川に来たら毎日食べたいと思っていたうどん屋を探すことにする。公園近くは町並みが整いすぎていてうどん屋がある雰囲気ではありませんでした。ここは当てもなく知らない町をさまようより地元の人に聞く方が早いだろう。歩いている人を捕まえて教えてもらうと、一本裏通りに入ればあるだろうとのこと。


裏通りを歩くと確かにありました。昼飯時なので近くのサラリーマンが列をなしています。これはきっと安くて旨いに違いないとピンと来ました。テレビで見たまんまの安いうどん屋で、天ぷらと小さい卵焼き、海老、鶏肉が乗った小皿が100円と言う安さ。


うどんは冷たいのをどんぶりに入れて渡してくれ、温かいのがよければ自分でザルに移してお湯の中で湯がくそうです。これこれ、こう言うのが食べたかったんだよ。汁も自分でお玉で掬ってぶっかけるスタイルだった。もう香川のうどん満喫した気になりました。


初の香川うどん、小皿と混みでも370円と言う驚異的な安さ。遍路に出る前から、うどん県香川に行ったら毎日うどんを食べたいと思っていたので、取りあえず初日のミッションはクリアです。それにしてもこの小皿、百円では安すぎると思いませんか!?


栗林公園は450円だった。でかいでかい闇雲にでかい。公園裏にそびえる山が良い具合に借景になっていて、もちろんそう考えて作られたんだろうと容易に想像できるほどマッチしています。これこそ、The 日本庭園です。右に見えている日本建築に入ったら、ここは工芸館のようで実際に物作りの人がいました。私の菅笠に反応して遍路のうんちくを披露されました。おとなしく聞いてると作っている小物でもくれるんかなと期待したけど何も貰えませんでした。


池には竹竿で動かす和船が浮かんでいて物好きに乗っている観光客が晒し者になっています。庭園では「お茶いかがですか?」と声を掛けられるがお茶の心得ないので恥かくだけです。有料だしもちろんノーサンキュー。大きな庭を歩き回って写真と動画をいっぱい撮りました。


池を見下ろす小高い丘にポツンと一台だけベンチがあったのでザックの中から「おいしいミルク」を出してぐびぐび。堅苦しい座敷で頂くお茶よりこう言う時間が好きです。


チェックインの時間が近づいてきたので大きな地下道をもぐってホテルを目指します。イーストパーク栗林は乗ってきたバス停の通りから路地を通して見えていたのですぐ見つかりました。受付では「◯◯の予約では旅割りは利用できない」と言われてしまう。えっ!?高知の悪夢ふたたびか。またかと思ったが、おかみさんが機転を利かせてくれて◯◯からの予約をキャンセルして、いま直接申し込めば旅割りが付けられると提案してくれました。キャンセル料も掛からないそうなので即決。思いがけずに旅割りで宿泊料40%割引と二日間でのクーポン券6000円分を貰えました。宿泊料が二日間6000円プラス朝食代1400円で合計7400円だけど、朝食代金だけで泊まれることになってしまったよ。すごいラッキー。昨日の不運を取り返したようだった。きっとホテルとしても大手の斡旋会社からの宿泊では手数料を取られるので、いま直接申し込んでくれた方が良いのでしょう。お互いにウィンウィンです。高知の宿もこれやってくれれば助かったのに、チェーンのホテルだし若い子が受け付けだったので小回りが効かないのだろう。今日の受け付け女性は経営者らしいので自由度が高かったと言うわけだ。おかみさんに感謝です。


部屋はコンパクトで私には分相応の部屋でしたがドミトリーから比べればたいそう豪華です。基準がドミトリーで、ビジネスホテルが上位に位置する私は贅沢とは無縁なので便利です。こういうの京都のどっかにありましたよね「吾唯足を知る」とか言うの。あれですよ。誰ですか「アシを知る」って読んじゃった人。

南の高知からやってくると四国北側の香川は思いの外寒かった。長袖はフリース1枚しか持ってないのでさっき貰ったクーポン券を掴んで何か防寒着になるものを求めて外に出ました。しまむらでもないかなと探したが土地勘もないし簡単に見つかる訳がない。結局、ファミマにあった長袖のヒートテックに目星を付けて、昼に食べたうどん屋で夕飯を食べることにしました。


ずっと開いてるかと思ったが夕方は5時からだそうなので店先で10分待って入店。もちろん私が最初の客で誰もいません。夜は居酒屋になっていて、瓶ビール1本ともつ煮。それと店主が勧めるままに刺身を追加して〆にうどんで3040円もしたのでクーポン券3枚が吹き飛んでしまいました。刺身はどうも店主の口車に乗せられた気がした。昼間の安いイメージとは違ったので、もうここんちに夜は来ないことにする。

帰りにチェックしといたファミマで長袖のヒートテックシャツとチューハイ、飲むヨーグルト、牛乳に柿の種を仕入れて1800円。これでもまだクーポン券が2000円分残っています。ありがたいね~クーポン券。明日は琴電に乗って金比羅さんを訪問して、香川から遍路を再開しようか考えながら寝ました。家には12月のはじめに帰ってくると言ってあるのでまだまだ遊び放題です。風の向くまま気の向くままの旅です。


11月9日 遍路23日目だけど今日も絶賛観光中

夜中にまた寝汗をたんまりかく。ここんちの寝巻きはバスローブタイプだが、バスローブの背中がびっしょりになったので衣紋掛けに干してバスタオルを肩に掛けて寝続けました。風邪引いてからしょっちゅうこんな事やってる。


別料金で二泊とも朝食を付けて貰ったので二階の食堂へ。もの凄く普通の朝食でした。家で食べるのと大差ないですが、むしろホッとするような朝ご飯です。ここは本通りから一本入ってるので窓からは住宅街が見下ろせて出勤途中の会社員さんが歩いているのが見えます。平日なのに遊んでいるのが恥ずかしいからサッと身を隠します(うそ)。

今日は電車を使って金比羅詣でです。「こんぴら舟々追いてに帆かけてしゅらしゅしゅしゅ」と言う歌は子供の頃から知っていたけど、その金比羅様にやっと60年後に詣でることになるとは。

交通機関を利用するときはいつもタイムテーブルを事前に作って漏れがでないようにしています。
8:41 琴電の栗林公園駅で乗車
 1時間程乗って琴電琴平駅に到着
 駅から歩いて金比羅様へ
 お昼にはうどんが食べたい
とまぁこんな作戦です。単純。


琴電栗林公園駅です。写真の電車は私が乗るのじゃなくて(当たり前です反対のホームです)高松駅に向かう電車です。こんぴら宮へはここから1時間ほど電車に揺られます。遍路の途中でちょっくら歩いていける距離ではありません。


金比羅さんのある駅には大きな灯籠みたいのがあって、どうやら有名らしい。分からないままにしてるのが気持ち悪いので帰ってきてからググりました。高灯籠という名前で日本一高い灯籠だそうです。瀬戸内海を航行する舟から金比羅様の方向が分かるように建てられたとか何とか。恐れ多くも国の重要文化財とのこと。へへー。

駅前は割りと閑散としているので、ここで食事はできなそうなのが想像できました。楽しみにしているうどん屋さんも見あたらない。とりあえず金比羅宮を目指しましょう。この町は何と言っても金比羅様で成り立っている町なので道のそこかしこに案内があるので迷うことはありません。て言うか、駅を出て一度曲がるだけでこんぴら様だよ。間違いようがありませんがな。


金比羅様に近づいて行くに従って土産物屋や食事のできる店が増えてきました。中には「うどん道場」なんて看板を掲げている店もあって、いくら香川がうどん県と言っても観光地まできてうどん打つ人いるのかな?


さて有名な石段の登り口までやって来ました。テレビで何度も見ていた石段で、これがエライ大変で有料の篭に乗って横向きに上る様子も見ていたが、まだ時間が早いからかカゴは見あたりませんでした。いざ登りだしてみると何てことない普通の石段だった。これそんな大騒ぎすることかな?石段の段差が狭いので、むしろ今まで歩いてきた寺の石段より楽に登れます。

本宮近くになると参道端で板一枚の上で商売している婦人達がいたので不思議だったが、これは五人百姓と言って古くから加美代飴と言うのを境内で売ることを許されている由緒ある人たちの子孫らしいと後で知りました。それなら写真撮らせてもらえば良かった。


どう言う謂れがあるのか馬屋には二頭の馬が繋がれていました。ダービー馬の流れをくむ馬だよとの看板まであります。金比羅様と馬って何の関係が?競馬にご利益でもあるのだろうか。馬もこんな狭い所で飼われてたんじゃ大変だね。たまには運動させて貰えてるのかい?


手の上にエサを乗せて野生の小鳥に食べさせている人たちがいました。これもまた珍しいものだ。最初に人間の手から食べた小鳥はエライね。ここは小鳥だけど、そういうのをファーストペンギンと言うらしい。


本宮前の石段には108段あると書かれていて煩悩がどうとかの由来らしい。すぐ隣にはお百度参り用に使われるそろばんみたいのまでありました。石の表裏に4つ木札のセットがあるので、これ4人が同時にお百度参りができるようです。木札を勘定すると10枚じゃなくて15枚なんですよね。15×6なら90回、15×7なら105回なので15枚の木札の往復ではきっちり百になりませんね。105回上り下りして5回はオマケにするのでしょうか?


とりあえずここが終点らしく、たくさんの人たちがわんわんいました。どっかの修学旅行の一団も来ていて先生は交通整理で忙しそう。石段はここで終わりなのか売店のミコさんに尋ねると、これより上に行く石段もあるそうだが、まぁ本宮まで行ければ良いので広場をぶらぶらして降りることにしました。

金比羅宮の石段がきつくて話題になってたけど、のんびり登ったので何てことなく着いてしまいました。今までの登って降りてまた登る鶴林寺なんかと比べたら屁の河童です。でもTシャツは汗で濡れたので石段からちょっと外れたベンチで着替えておきましょう。参道脇だけど誰も来ない空間なので、植え込みにTシャツとタオルを広げて干してみました。まぁ短時間では乾かないだろけど気分的に。


また琴電に乗って高松に帰ってきました。栗林公園駅に戻る直前「うどん」の大きい看板を窓越しに見たので、降りてから看板があった方向に歩いていくとあったあったありました。大きなセルフのうどん屋です。来る前は香川のうどん屋って客が薬味のネギを畑から引っこ抜いてくるイメージが強かったけど、そんな店はひとつもなくて、圧倒的に多いのがこのセルフスタイルでした。地元の群馬県にも丸亀製麺があって、同じセルフスタイルなので余り新鮮味はないな。


店先で大きく宣伝している肉うどん550円。汁がやっぱり透明です。こっちのうどんは醤油で味付けすると言うより出汁で食べさせるそうです。ここが関東で食べるうどんとの決定的な違いと思いました。こっちの方が好きです。

ホテルに戻ってメールを開いたら明日の予約を問い合わせてあった宿から返事が来てました。宿泊オーケーだけど素泊まり9000円の部屋しかないそうです。素泊まり9000円~っ!!未知の領域です。部屋にプールでもあるのかな?でも全国旅割りとクーポン券を差し引きすると2500円で泊まれると強調するのでお願いしました。でなくちゃ9000円もする素泊まり宿なんか絶対に泊まらないよ。今までは奈半利のビジホが素泊まり7000円で一番高かったけど、それを一気に2000円もオーバーしてしまうと言う驚異的な価格です。

色々検討した結果、気持ちも上向いてきたので明日は68番 神恵院から遍路復帰です。68番から最後の88番大窪寺まで歩いてみよう。まぁこの気持ちがいつまで持つのか自分でも分かりませんが、どうせ御朱印も集めてないニセ遍路だし自由気ままに歩きましょう。

四国遍路を計画した段階では88番まで歩き通す気満々で、最初の頃もその気持ちを維持していたけど結局、信心から始めた遍路じゃないし徐々に疑問が沸くのは当然の成り行きでした。それと、寺で書いて貰う御朱印を順番通りに集めていたらモチベーション維持に役立ったかもしれないけど、それも最初からやらなかったしね。結局不真面目な心が災いしたってことかな。

明後日の宿の調査を始めて、風のくぐると言うのが距離的にも宿の紹介でも良さそうだったけど、フルですとの返事が来てしまいました。ホテルの電話機で丸亀のうえるカメと言うドミトリーに連絡したら、こちらは気持ち良くオーケーしてもらえる。旅割りが使えることも向こうから言ってくれたのでひと安心。うえるカメは沢山読んだ遍路ブログに何度も登場していた宿なので、泊まれて嬉しい。2日先までの宿が確定したので、気持ちも上向きました。


写真はお馴染みになった今晩のコンビニ飯揃い踏みです。高松最後の夜なのでいつもより豪華になってます。まぁ高松最後は関係ないですが、明日は香川県なので高知県のクーポン券は使えなくなる事情があります。

何ちゃって遍路旅13へ続く