何ちゃって遍路旅19  今日から京都観光

11月22日(火) 旅に出てから38日目 京都2日目


6時50に館内電話で朝御飯の用意ができたと連絡がありました。日本館は建物が和なら朝食も和です。和食の朝食が一番食べた気になります。京都らしく湯豆腐が付きました。ごはんは小さなおひつで供されるので一粒も残さず頂きました。出して貰ったものは全て頂くスタイルです。それでこそ節約旅行者ですエヘン(エヘンじゃない)。


食後は帳場横の小さいロビーみたいな所に移動してコーヒーを頂きました。そう、この宿は毎朝コーヒーが飲み放題なのです。無料のものは何でも頂きます。と言っても一杯だけ飲めれば満足ですが。私は家にいると暇に任せて一日に何杯もコーヒーを飲むのですが、インスタントばかりなので本物のコーヒー好きではありません。でも、コーヒーは飲むと何となく落ち着くので大好きです。


ここの宿は出かけるときに履き物を出してくれる宿でした。いつも自分のことは自分でやっていたので、有りがたいけど何だか落ち着きませんね。貧乏育ちですから。


歩くのに必要な物だけバックパックに入れて歩く準備完了。まず手始めに東本願寺に行きました。大昔に自転車でやってきた時は運悪く一日雨の中での京都観光でした。五日も六日も掛けて群馬から京都まで来たんだから雨だからと言って休んでなんかいられませんでした。仕事持ってたし決まった休みの中での旅だったのです。なので当時は写真一枚撮ってノルマがあるかのごとく次に移動してましたが、今回は時間はたんまりあるし何度も来ている京都なのでガツガツ見て回ることもないのでゆっくりのんびり境内を歩き回りました。本願寺は何か大きなイベントが催されているようでした。本願寺は立派な寺だけど無料なのが良いです。是非ほかの寺社も真似してください。タダにしなくてもせめて半額にするのはどうでしょう?


本願寺からは京都の東側を攻める作戦です。清水寺を目指してヒタ歩きます。途中、牛若丸と弁慶がじゃれ合ったと言う五条大橋を渡りました。鴨川はとても川幅が広いので、あんな昔に良くこんな大きな橋を架けたなと感心しました。


五条方面から清水を目指すには茶わん坂と言うのを登って行きます。坂の上に小さく清水寺があるのですが、見えますか?ここに来る手前にゲストハウスSantiagoと言うのがあったので、サンチャゴ巡礼命の私は外から覗いて見ましたが、特にスペインのサンチャゴ巡礼とは関係ないようでディスプレイも何もありませんでした。関係あるようならこのあと二泊してもいいかなと思いましたが素通りになりました。

清水寺は紅葉真っ盛りでした。狙って来た訳じゃないけどグッドタイミングでした。そう言えば有名な「そうだ京都行こう」は今の時期の殺し文句だと思い出しました。紅葉の時期に京都を訪れるなんて贅沢だなー。私の場合、贅沢なのは時期だけですが。


清水寺はこれで4回目ですが、お金出して入ったのは最初の1回だけです。今回も有料ゾーンの直前まで入ってきました。有料ゾーンは例の舞台の直前からでした。扉の隙間から清水の舞台が見えてます。右に石の柵が見えてますが、坊さんが暮れにその年の出来事を一文字で表す場所のようです。


清水寺をあとに正面の清水道の坂を下りていくと、とんでもない人混みになりました。まだ時間帯としては朝なのにこの人数はスゴイですね。さすが京都です。コロナの制限が緩くなったために、外国の人も沢山来ていました。生八つ橋の専門店が観光客でごった返していて、盛大に試食をさせているので私も紛れ込み、買う気もないのにあれこれ試食させてもらいました。これでもう生八つ橋は満足しました(悪い客じゃな)。これだけ店が並んでいても自由に試食させているのはこの店だけだったので試食の楽しみも一軒だけで終わりになりました。

三年坂の表示があったので、折角だから三年坂も歩いてみるかと右に折れました。この坂って有名な割に人混みは差ほどではありませんでした。これを行けば次の目的地、知恩院方面に出られる筈です。


ここは五重塔がバックにあるからなのか、何組ものカップルが専属カメラマンを引き連れてツーショットの写真を撮らせていました。こういうのは大体お隣とその隣りの国の人ですよね。見ているこちらが恥ずかしくなるような、二人が見つめ合うポーズで撮っています。カメラマンを連れてなくても京都の観光地にはモデルのようなポーズをビシッと決めて写真を撮らせているカップルが沢山います。みんな余所の国の人たち。


高台寺の中に迷い込んでから知恩院に到達しました。バックパックからタブレットを引き抜いて写真を撮っていると、そこに写っているご婦人からシャッターを頼まれました。はいはいおやすいご用ですよ。私のシャッターも押してくれると言いますが、まぁ私はいつも自撮りなので大丈夫です。

バックパックにタブレットを戻そうとすると、ベンチに眼鏡が置いてありました。かけてみると近眼鏡で私のより少し度が低いですが、なくした人は困ってるだろなーと思っても届けようがありません。仕方ないので同じ所にそっと戻しました。誰か知らないけど、気が付いて取りに戻ってくればいいのにな。遠視用眼鏡は無くしても手軽に買えますが、近眼用はそういう訳には行かないのでなくすと大変です。なので私は長旅にはいつもスペアの眼鏡を持参しています。さいわい、スペアの出番は今のところありません。


知恩院のあとは数年前に歩いた道を逆に辿って南禅寺にやって来ました。南禅寺も紅葉真っ盛りで沢山の観光客が押し寄せていました。南禅寺手前には廃線になったのか、鉄道線路がありましたが、たくさんの人が線路の中で記念写真を撮っていました。これそんなに貴重なものなのかな?ただの廃線じゃ?


45年前に自転車でやって来たときは京都観光に燃えていたので南禅寺のあの山門の上にも有料で上がってみました。石川五右衛門よろしく、小さな声で「あ、絶景かな」とつぶやいたものです。今回はもちろんそんな事はしません。

南禅寺の紅葉もさっきの清水寺と同様、それは見事に色づいていました。この紅葉を見るだけに京都を訪れる人もいるでしょうが、私はついでに見られたので運が良かった。ここでも紅葉と寺を背景に、モデルのようなポーズを取ってシモベに写真を撮らせているカップルが何組もいました。国民性の違いなのか、見ているこちらが恥ずかしくなります。


45年前と同じように、南禅寺隣りの奥丹で高い湯豆腐を食べる予定です。決死の覚悟があるので、どんなに待たされても高くても食べる気まんまんです。奥丹前に行くと差ほどでない行列がありました。お、これなら少し待てば食べられるなとニンマリしたところ、最後尾には豆腐が終わったと張り紙がありました。それで列が少なかったのか、がちょんです。まだ12時を少し廻っただけなのにもう材料が無くなったとは、店主は欲のない人じゃな。


それじゃぁと、地図アプリにあった日の出うどんにむかいましたが、こっちは凄い大行列が続いています。一本の行列どころか折り返して二本になっています。えーっ、うどん屋だよ~!?どうやら有名なうどん家らしいですが、本当の所は分かりません。どうしようか考えたけど、有名な南禅寺の近くなのにこの辺りは住宅街になっているので、他に食べられそうな店はありません。これだけ並んでいると言うことはそれなりの事があるに違いないと並ぼうと腹を決めました。


さすがこれだけの人が待っているとお店の人も麺の品切れを予測するようで、人数を勘定して最後の人に「これ持って移動してください」と品切れの看板を持たされました。私は最後から10人目ほどなのでセーフでした。平日なのにこんなに客が押し寄せるんじゃウハウハだろうな。マルサが来るよ。

食べるまで2時間以上待ったのは生涯で初めてです。やっと店に入れてカレーうどん食べたけど地元前橋で食べるのと変わらなかった。元々群馬はうどんが旨いしね(二度目)。カレーうどん千円なのでクーポン券が使えるかと思ったけど未対応でしたとさ。


知らない人が写っても皆さんマスクをしているので、いちいち編集で顔を隠さなくても良い気がしますが、念のために編集しておきます。


お腹が満たされたので予定した観光の続きです。哲学の道を歩いていると桜の季節に来たときも目にした、結婚式の前撮りらしいカップルが写真を撮っていました。こちらは隣の国の人みたいに行き過ぎた演出をしないので日本人と分かります。このような日本人の奥ゆかしさは美徳と感じます。「おめでとうございます、写真撮っていいですか?」と断って近くから1枚撮らせて貰いました。


哲学の道からちょっと入った所に銀閣寺があるので、入れる所まで行ってみようと進んでいくと、チケット売り場から先が拝観料がいるようなので、そこでUターンしました。銀閣寺もお金出して入ったのは最初の一回だけで、今回含めて二回は外から見ただけにしました。一回見れば十分なので近くまで来るのは雰囲気を楽しむだけです。

その後も哲学の道を終点まで歩いてからバスで京都駅に戻ることにしました。京都市内を走っている多くのバスは京都駅に向かうでしょうから、これ以上の目印はありません。宿が駅の近くと言うのは値段以上のメリットがあります。


駅に行く途中のバス停は、どこも超満員状態が続きました。バス停に長蛇の列って珍しい光景だな。乗降口に立っている人は扉が閉まらない為にブザーが鳴りぱなしでバツが悪そうですが、ここで遠慮して降りてしまう訳には行かないでしょう。ニュースで、京都にあまりに観光客が押し寄せるので地元の人がバスを利用できないと迷惑がっていました。あーあれのことなんかと思い出しました。

ところで、この京都のニュースですが、観光地の混雑状況を長い時間流しているのに観光客の顔は全員そのまま見せてるんですよ。これだけの人たちにいちいちテレビに流して良いか承諾を得ている筈ないのに、その辺りはどうなってるんでしょうね?全国放送ですよ(顔の編集は私がやってます)。

宿に戻ってひとっ風呂浴びたら怪我した方の足の脛がぷっくら膨らんでました。今日は京都市内をやたらと歩いたので、サンチャゴ巡礼で経験した疲労骨折の再来かとビビりましたが、熱も痛みもないので差ほどではないようです。でも無理すると本物になる可能性があるので明日は大人しくしてようと思います。

風呂の後は旅割りクーポン券握りしめて、こっちに来ると毎回飲み会している駅近くの居酒屋「酔心」に行ってきました。一人客は嫌がるかと思ったけど、ちゃんとカウンター席がありました。これなら一人客も歓迎してもらえます。


幾つか飲み食いした最後にクーポン券の3000円にするために焼きおむすびを追加しました。備え付けのタブレットで注文するスタイルなので、現在の合計料金も表示されるから失敗なしです。

帰りにファミマで男梅と言う缶酎ハイ500ミリとツマミにポテチとジャイアントコーン、それに好物のミカン一袋買って宿で一杯やってます。明日は天気が崩れるそうだし、足の療養兼ねて大人しくしてようと思います。

あ、話は前後しますが飲みに出る前に同じ宿に二泊追加しました。既に二泊して館内の様子は承知しているので、必ず泊まれると確信しています。部屋はがらがらなのは分かっているのに、女性は奥の事務室に入ってから空きがあるかチェックするポーズを取ってるようです。まぁ二つ返事で「はい空いてます」とはプライドが許さないのでしょう。分かります。

京都で二泊追加するか、東京に行って都内見物するか考えました。浅草辺りには外国人がこぞって泊まる格安ドミトリーがあると昔のニュースで見ていたからです。でもやっぱり地理的に東京と京都じゃ群馬県からの距離が大違いなので結局、京都で二泊追加したと言うわけです。

前橋に帰るのは26日(土)の予定ですが、まだ高速バスを取ってません。もしかしたらもっと長居するかも知れないので。


11月23日(水) 旅に出てから39日目 京都3日目

睡眠導入剤飲んで寝たら4時まですっきり寝られました。目が覚めるとぐっすり寝たのがすぐ分かります。頭がすっきり冴えてると言うか、普段はどれだけボーッとしているんでしょう。


昨日は7時20に朝食の連絡が来たので、今朝は電話が来る前に1階の食堂に行きました。朝食のおかずは昨日とちょっとだけ変えてくれました。私の他に食べるのは二人だけですが、その人たちの食卓には昨日私が食べたのと同じ、湯豆腐が載っていたので変えてくれたのが分かりました。肉団子に紅葉の葉っぱが添えられていたのがいかにも京都ぽくて良かったです。自分はあと二泊するので、次はどうしてくれるのかな?


今日は雨なので部屋でゆっくりしたり、雨の当たらない駅などで過ごしますと伝え、部屋の掃除はいらないし歯ブラシだけ交換して貰えれば良いですよと伝えました。手間の掛からない客だね。部屋でゆっくりするなら、他の部屋の掃除でうるさいかも知れませんがと言われました。はいはい平気ですよ。


食後のコーヒーを頂いてから、宿の傘を借りて十時頃ゆっくりと出発。まず西本願寺を目指しました。東西本願寺はこの宿から近いです。本願寺の周辺は仏具屋さんのオンパレードでした。仏具屋ってこんなに沢山の店がやってても競合していけるもんだったの!?正面奥に見えるのは西本願寺の門です。


たまには人に撮ってもらおうかと近くの人にタブレットを渡してお願いしました。あれー?あれー?と言いながら何枚も撮るので、後で見たら同じのを7枚も撮っていました。デジタルなので何枚撮っても無料だから構いませんが、まったく同じのが7枚てのもなぁ。


西本願寺も東と同様に、大きなイベントが行われていました。こちらも登壇しても無料なので、折角だから上がらせてもらいました。京都の寺はどこも拝観料が高いのでちゃんとは見る気になりませんが、こうして無料で見せてくれるお寺は有りがたいです。他の寺も無料にしないまでも、もっと安い拝観料にしてくれれば私みたいな節約旅行者も入るのにな(また言ってる)。

次は新撰組ゆかりの壬生寺を目指したけど、地図アプリに間違った場所を登録してたので迷いました。地元のおば様に尋ねたら丁寧に教えてくれたので、改めてその地点をタブレットで確認したら、ちゃんと壬生寺の文字がありました。何をやってたんだとこの時気づきました。

間違ったついでに、この付近にあると言う壬生の屯所跡を探したけど見つからなかった。一般の家屋になってしまったのだろうか?
やっぱり気になるので、これを書いてる時にググってみました。そしたらちゃんと壬生の屯所は残っていて、新撰組隊士だった八木さんと言う人の子孫が管理していました。家の中には刀傷まで残っている本物です。これは頑張って行けば良かった。やっぱり事前の情報収集は大切です。


昼になったので、クーポン券で2023年2月に話題になっているスシローに入りました。回り寿司食べたけど、千円分は食べでがありました。キツネうどんまで食べてやっと千円をオーバーしました。若い頃は10皿食べても食べ足りなかったのに、今では6皿がちょうど良いです。食が細くなったのか、そのわりに体重が減らないのは何でだろう。テーブルに置いてあるのが有りがたい千円クーポン券です。クーポン券は各地域が独自の名前を付けていて、ここは「京都応援クーポン」と言う名前でした。色々考えるね。

壬生寺は若い頃にサイクリングでやって来たので思い入れがありました。とっても分かりづらい場所にあるので、GPSがない時代に探すのは至難の技だったです。雨に降られて濡れ鼠状態でやっと探したしんどい思い出があります。


境内に入っていくと、当時はなかった新撰組ゆかりの歴史資料室なるものが新設されていました。隊士の墓もあるそうなので、これは入らなくては。


入場料300円払って新撰組隊士の墓を詣でましたが、一人旅の婦人も同時に入りました。土方歳三とか沖田総司とか、はかなく散っていった新撰組は女性に人気があるのが感じられます。その二人の墓はなくて、悪役、芹沢鴨のはありました(写真左の小さい方)。芹沢鴨じゃなー、あっても嬉しくないよ。右の大きい方には七人の隊士の名前が連盟で刻んでありました。私が知っているような名前はありませんでした。


近藤勇の像だけがありました。新撰組で誰が筆頭かと言えばやっぱり近藤勇でしょうね。人気があるのは土方歳三かも知れませんが。チケット売り場のおば様に、45年前は近藤勇の像は寺に入った入り口にあったと言ったら知りませんでした。まぁ45年前ですからね、おば様はせいぜい幼稚園だったのでしょう。さもありなん。


あとから入ってきた欧米のご婦人二人が掲示物を妙に真剣に調べていたので、外国でも新撰組のことを知っている人がいるのかなと思いました。

この後は特に予定もないので、歩いて宿まで帰ります。どうせ暇人なので歩くのは一向に構いませんが、少々左足のふくらはぎが突っ張るのが気になります。


明後日乗る高速バス乗り場の確認と(いつ高速バスのチケット予約したのか記憶にありません)、京都を案内してくれる定期観光バスの下調べをしました。チケット売り場の外に立って案内してくれてるお姉さんが、乗る予定なら早めに予約しておいた方が良いですよと言いますが、来たときに乗れたら乗るので構わないと伝えました。どうせ暇人なので風の向くまま気の向くままの旅です。

三時を過ぎると空が真っ暗になって雷雨になりましたが、宿の近くまで移動してたので平気です。何度も利用しているコンビニで、飲み物には発泡酒500ミリに酎ハイとジュース類を仕入れ、食べ物には冷凍ピザとスナック菓子を買って旅館で夕飯としました。なんとなくピザが食べたくなったのです。もちろん、旅館には自由に使える電子レンジがあるのを確認済みです。明日はどうしようか、一杯やりながら作戦を練ります。


日本館これで3泊目なので、様子が分かってるので気楽になってます。宿の人も3連泊の私には気軽に話しかけてくれてます。取り合えず5時過ぎたのでひとっ風呂浴びてからピザをチンして一人宴会の始まりです。ピザは温めすぎてくたくたになってしまいました。

明日はどうしようかとネットで探していたら、京都御所が無料で誰でも入れることを発見しました。申し込みにも不要だそうです。これは行かないとはです。明日の予定決定です。


何ちゃって遍路旅20 京都4に続く