19 オウテイロからサンティアゴ到着 メノール初めての個室 6/1(金) オウテイロからサンティアゴへ16.7kmの行程。 オウテイロのアルベルゲを出発してしばらくは山の中を歩くが、徐々に里が近くなってきて人家も増えだしてくる。否応なくサンチャゴが近づいたのが感じられる。 平地になっていよいよだと思うとまた道は山の中に入っていき、ちょっとガッカリすること多し。団体巡礼が近づいて来たので先に行かせる。団体はピーチクパーチクやかましいので苦手だ。 突然、木々の間から3本の尖塔が現れる。やったとうとうサンチャゴ到着だ。3月23日にアルメリアを出発して71日掛かった。でも、毎度のことながらサンチャゴに到着したと言っても特別に感激することってないんだよね。天の邪鬼だし。それよりも到着することよりカミーノの途中にこそ価値があると思うようになっているので尚更。サンチャゴは目的地には違いないが、それが目的ではないってことにシフトしています。 サンチャゴ駅の近くを通り、ここからはカテドラルを目指さないで横に逸れてメノールのアルベルゲに行きます。いまのサンチャゴは暫く前からお祭り騒ぎになっているらしく、百数十人も泊まれるメノールがずっと予約が出来ない状態になってますが、当日枠はあるのでそれを狙ってます。さて、行ってみるとドミトリーはフルだが個室はまだ空いているとのこと。私は一度スペイン・ポルトガルに入ると2本から4本のカミーノを歩くので、メノールは5年間の巡礼で20泊くらいは泊まってますが、初の個室で28ユーロ。この繁忙期、私営アルベルゲやオスタルはもっと高いと思うのでメノールの個室ならどんと来いです。 部屋がゲット出来たので安心して予定した計画を順にこなします。まず巡礼証明書を貰うために巡礼事務所へ。天の邪鬼巡礼ですが、巡礼証明書は自分が努力したのが目に見える形になるのでやっぱり欲しいのです。5年振りに訪れた巡礼事務所は様変わりしていて、今ではコンピュータで申請することになってました。スマホの人たちは様式をダウンロードできるらしいけど、私はスマホじゃないことを係に伝えるとパソコンが何台も置かれている部屋に案内されました。ここで申請するようです。意味が分からない言葉が幾つもあるので考えていると、ちゃんと係の人が巡回していて教えてくれました。番号札が出てきて自分の番になったのでカウンターへ。ご婦人が私のクレデンシャル2冊を表裏をひっくり返して良く見てくれてます。ロングウェイと労ってくれたらガラにもなく急に感激してしまい、声が詰まってしまった。サンチャゴには何度到達しても感激なんかしなかったのに、ここで初めて感激しました。遠くから歩いてきたので珍しく距離証明書も貰いました3ユーロ。書かれたキロ数を見ると1,400kmと書かれているので、アルメリアからは1,400kmなのが分かった。以前は私の名前もキロ数もみんな手書きで貰えたが、いまはパソコンの文字になってました。あんまり有り難みはないな。 お腹が減っているので計画順は無視して到達祝いのレストランMANOLOへ。やっぱり今日も行列が続いているが、テーブル席が沢山あるのは知っているので待ち時間は差ほどではありません。以前は水かワインを選べたのに水だけになってました。物価高騰の折、仕方いないんか。 ポテトサラダが好物なので、名前は違ってもスペインではルシアン・サラダという名前でメジャーになってます。前菜にそれをお願いしたけど、出てきたのを見たら想像と違ってオシャレだけど量が少ないよ。色も白じゃなくて不味そうな色になってます。まぁルシアン・サラダも色々あるってことなんでしょう。中央にある白いのは何かと思ったらマヨネーズでした。最初はそうとは知らずにサラダを食べ出してしまった。 ロシアと言えば、巡礼中に二人のロシア人巡礼と会いました。どこから来たの?が定番の挨拶なのですが、女の子は小さな声でルシアと明かすのに躊躇していたので、やっぱりウクライナを侵略しているロシアを世界の人たちがどう思っているのか知っているようです。悪いのはプーチンなのに、ロシア国民がこうして肩身の狭い思いをしていて気の毒だなと思った。ウクライナ巡礼とも二人会っていたので、両人がどこかでかち合ったらどうなるんだろうと余計な心配をしてました。 主菜は安定のチキンにしました。お皿がでかいので料理の大きさが良く伝わらないと思いますが、料理が大きいのがこの店の特徴です。ワインじゃなくて残念だったなー。 熊野古道とカミーノの両方を歩いて貰えるデュアルペレグリノのバッチはスタンプが不備とかで貰えなかった。まぁ既に日本とスペインで2回貰っているので差ほど惜しくはないです。実際、前にスペインで貰ったバッチは2日後にスペイン人に上げちゃったし。 さて次の使命はアルサの出張所でマドリッドへ戻るためのバスチケットをゲットすることです。んが、巡礼事務所にあったアルサのカウンターには誰もいないし機材も消えてます。どうやらここの出張所は撤退したようです。別のバス会社モンブスがあるので尋ねたところ、アルサは新しく出来たバスセンターに行かなくてはならないようです。面倒臭いなーと思うけど、行かざるを得ません。ぺたぺた歩いてサンチャゴ駅の裏に出来たというバスセンターへ。初めて行くので道順が分からずに大回りしてバスセンターに到着。 あいにくアルサの窓口はシエスタでした。夕方まで待つのは嫌なので隣りにある券売機で買うか。窓口なら日時と行き先を書いた紙を見せれば問題なく買えるチケットでも、券売機は機械相手なので苦手です。するとそこにあの謹厳実直おじさんと顔見知りの小父さんの二人がいました。もう一人の小父さんは年齢の割にぶっ飛んだ見てくれなので少し警戒してたけど、話してみると良い男だった。 おっやった!二人はスペイン人なので券売機なんかお手の物だろうと、マドリッドへ行くチケットが欲しいので操作をお願いすると、二人は券売機をまったく知らなかった。えーっ、スペイン人なのに券売機を操作できないの!?仕方ないから自分がやるところをせめて見ててねとお願いしました。何となく操作して、クレカをえいやっと入れると乗車券らしいのがペッと吐き出されました。これで買えたのかな?イマイチ自信がないけど券にはマドリッドの文字と日付があるので大丈夫なんだろう。二人はもうバスで出発するので、マリアカードを進呈してハグしてお別れ。どこに帰って行くのか聞き忘れたけど最後に知り合いに会えて良かった。 帰りにスーパーで1リットルビールとトマトにパンを買って、メノールのシングルルームに荷物をほどいてシャワー後にキッチンで細々と一人宴会。初めて個室に入ったが、やっぱりメノールでは懐かしいキッチンで飲み食いしたいです。お昼にメニューを食べたので夕飯は軽めです。 明日からフィステラの道を歩くかイギリス人の道にするか思案中です。ネットが使えるうちに検討します。 今日の歩数 40,169歩 サンチャゴ市内を縦横無尽に歩いたので距離の割に多め モサラベの道 フィステラ・ムシアと帰国 へつづく |