長崎五島の旅5 宿もないまま1日雨の中歩き


10月8日(日) コンタツ堂さん
早朝5時半に起きる。外はまだ真っ暗。おまけに朝から雨!!!やっぱりかーっ、天気予報どおりだよ。こんな日のパッキングでは全ての荷物をビニール袋に入れてザックに収納する。ザックには当然、雨カバーを掛けるがそんなもので雨の侵入を防げるはずもないので、ザック内での雨防御はとても大切です。

そこそこの雨が降っている中を隣のコンタツ堂さんへ移動。朝食は既にお馴染みになった美味しい五島うどん。お陰で五島うどん満喫できました。息子さんの神父叙階25周年記念の御絵をいただく。えっ、逆算すると息子さん良いお年ってことだよね。お母さんは何歳なんだろう?とても若く見えるのは生き生きと生活してるからだろう。それと仕事を続けるって大事だな(私はだらだら無職)。

娘さんもやって来てサンチャゴ話に花が咲く。次はポルトガルの道を歩きたいそうだが勤めがあるので長期休暇は難しいそうだ。サンチャゴまで100kmのTui出発を考えているらしい。そこからならスペイン往復の日数を入れても8日間あれば達成できそう。実現すると良いね。


可愛いらしい黒の軽自動車で昨日歩いた地点まで送ってもらえる。「あそこに見えてる赤い橋を渡って行くんですよ」と教わって、7:19 雨の中歩行開始。30分歩き続けて本日最初の教会、宮原教会に到着~。家が数件の集落の中にポツンとあった。心配していたが、入り口はちゃんと開いていたので訪問してスタンプもゲットできる。人も車も誰も通らない寂しい道だったけど、教会への道しるべだけは2箇所もあったので迷うことがなかった。トイレを借りて8時過ぎに再出発。


宮原教会から半泊教会へは、ほぼ同じ道を往復しなくちゃなりません。全行程の中でこの日の行程が一番しんどかったかも。道幅は狭く登り下りが激しい。おまけに猪の箱罠を6個も見ました。猪が増えているとは聞いてたけど、こんなに出るのかよ。中間地点辺りではウォォーン・ウォォーンと言う獣の鳴き声を聞きました。きっと相方の猪が罠にかかって居なくなったんだろなと想像しました。そのくらいの山の中ってことです。いつそこの藪から猪が出てもおかしくないので、ずっとドキドキしながら歩くことになりました。雨のため薄暗いし。


1時間半歩いて半泊の集落が眼下に見えました。ふぅやっと着いた、って言うかもう一頑張りだ。。


鉄扉を開けて教会庭に入り、ここもおみ堂への入り口は開いていました。開いててありがとう半泊教会。スタンプも無事にゲットして、訪問者のノートに書いていると同じ前橋市の人の名前を発見!4日前にこの教会を訪問していた。私の知らない名前なので、前橋カトリック教会の人ではないらしい。それとも私の知らない人かな?以後、この人の名前をあちこちの教会で目にすることになる。だが、私とは日付がどんどん離れていくので車で廻っているようだ。そりゃ歩きの私とは離れる筈だよ。


雨の日の歩行で困ることは座って休めないこと。サンチャゴ巡礼でもいっぱい経験してきました。それは今日も同じで、やっと半泊教会で腰を下ろすことができました。失礼だがこの玄関先に腰掛けさせてもらって、コンタツ堂の娘さんYさんが持たせてくれたおむすびを頂きます(YさんとNさんは同じ人です。Nは名字でYは名前ね)。おむすびの包みにはテープが貼ってあって、そこにはBuen Camino! の文字が!!いやー、嬉しいサプライズありがとうYさん。テープは慎重に剥がして日記帳に張り付けました。何よりの思い出になります。

ゆっくり休ませてもらって、10時に再スタート。戻りの坂を考えるとげっそりする。戻る道で同じ方向に向かう車が2台あった。往復の場合、復路は乗っても良いルールだが、乗せる気もないようなので複雑な気持ちで見送る。帰りでも同じ地点で獣が鳴いていたので、ずっとこの辺りで相方を捜しているようだ。獣と言えど家族を思う気持ちは同じなのでちょっと可哀想かな。

分岐が現れた。地図のとおりの分岐で、どちらを行っても162号に繋がると思われるが、右を行けばショートコースで平坦と見て取れる。左は来た道だ。もし変な方へ行ってしまうのを恐れて遠回りになるが来た道を選択する。山の中だしね、平地で迷うより怖いよ。結局、再び交わる地点まで来ると右の道でも正解だったのが分かる。そっちは高低差のない道だったので、ちょっと惜しかったかな。

半泊往復で体力をかなり消耗してしまい、辛くなって来たが歩くしかない。せめて雨でなかったら休めるので幾らか違うと思うんだが。数年前から腰の調子が悪いので、重たいバックパックを腰の上に乗せて歩いている気になってくる。前かがみで歩くようになり、腰も曲がり傾向。爺さんか。


11時半、雨が小降りになってきたのでカーブミラーに映った自分をパチリ。オレンジのカッパの下に怪しいビニールが見えてますが、腰回りが濡れるのを防ぐために底を抜いたビニール袋を装着しています。これしとかないとカッパを伝った雨粒が腰を濡らすので気持ち悪いんですよ。

小雨なので橋の根本に座って休むことができる。バナナを食べてエネルギー充填。バナナは最高の行動食なので、見つけたらいつも買っている。でも五島でバナナを見つけるのは困難なのが徐々に分かってくる。一日歩いても店がないのは珍しくありませぬ。


また降りだしてしまった。今日の宿はコンタツ堂さんが教えてくれた信者の方が経営している民宿があるそうだ。でも名前は知らないとのこと。望みの民宿の場所もはっきりしないので、通りに大きな民宿「あびる」と言うのが現れたので、目指している民宿だって泊まれるかどうか分からないことだし、ここで泊まれるならそれでいいやと訪ねるもフルとのこと。だが、パンツ一丁で応対してくれたご主人が、この先にある魚津ケ崎荘が目指す民宿だと教えてくれる。そこがフルだったら、もうキャンプ場しか当てがない。雨の中でキャンプは嫌だな。取り合えず民宿を目指そう。


遠くに白い建物の水ノ浦教会が見えてきた。その手前には民宿魚津ケ崎荘の看板発見。看板に従い右折して坂を下っていくと洋風建築のしゃれた建物だった。さて、勝負だ!玄関から入ってお願いすると、年配の男性が現れて部屋はあるとのこと。やった!しかし急なことなので夕食は出せないって。来る途中にローソンがあったので、それは戻れば良いだけなので楽勝だ。朝食はオッケー。

無事に民宿まで辿り着けたのをコンタツ堂さんに報告したいが、ここんちはwi-fiがなかったので報告のしようがなかった。まぁ次にあったところで報告させてもらおうかい。

来る途中でコーラを飲んだコンビニは思ったより遠かったが、バックパックを背負ってないので大違い。麻婆丼と野菜サラダ、飲み物は発泡酒500mlとレモンサワーで千円ちょっとだった。

風呂はいらないからとシャワーを使わせてもらって洗濯もさせてもらう。群馬県前橋のカトリックですと言ったのが効いたのか、奥さんも愛想良くて、頼みもしないのにずぶ濡れになった靴を乾かすための新聞紙を入れてくれていた。中敷きも新聞紙で包んでくれている。予約なしの飛び込みだし、悪いのでそこまでは頼めなかったが気を利かせてくれてありがとうございます。


洗濯はしたけど手で絞っただけなので部屋干しで雫が垂れるのを警戒してレジ袋を3枚敷いてみた。後で見たらレジ袋には滴が垂れていたので正解だったかな。今日のルーチンが終わったのでお待ちかねの一人宴会の始まり。と言っても用意したのは前述しただけの物なので高が知れてますが。

明日の廻り順は右廻りと左回りがあって面倒そうなので一階まで教えを請いに降りていく。二人して相談に乗ってくれ、右廻りルートに決定。翌日の三井楽方面のおすすめ民宿も教えてもらえる。そっちには幾つも民宿があるが、西光荘なら間違いないそうだ。二食で7700円とな。だが先の読みづらい歩き旅なので予約はしないでおく。どう転ぶか分からないので。フェリーで渡る嵯峨島にも民宿はあるそうだが、日帰りで帰れるので泊まることはないだろう。

本日の歩数 37,241歩

長崎五島の旅6へつづく