長崎五島の旅6 親切なおじさん登場

10/9(月) 民宿魚津ケ崎荘

5時40に起きて今日のコースを綿密に立てる。民宿→魚津ケ崎キャンプ場→水ノ浦教会→民宿魚津ケ崎荘でバックパック回収→牢屋跡→楠原教会→打折教会→ふるさと館→民宿西光荘とまぁ、ざっと計算すると15kmくらいかな。maps.meだと27kmなんだけど、そんなにある訳ない。

6時50に朝食が食べられますよと声を掛けられる。朝食に付きものの干物が美味しい。魚は得意じゃないので干物の方が好き。骨も食べられるので安心して食べられる。とろろもあったけど、群馬と違ってタレが酸っぱかった。やっぱり食べなれた方が口に合うね。


まず民宿にバックパックを置かせてもらって、魚津ケ崎キャンプ場を見物しよう。ここは宿がない場合の避難地として設定してた所だが運良く民宿に泊まれて良かったこと。昨日はずっと雨だったし、なおさら良かった。魚津ケ崎海岸はNHKの朝ドラ「舞い上がれ」の舞台になったところなので是非とも見たかった場所だ。ドラマの中で凧揚げしたところをウロウロと探しまわる。タブレットにドラマの場面を入れてきたので写真を見ながらぐるぐる。あ、たこ揚げが出来るような広い場所はここしかないので間違いなくここだろう。当然のことながら同じ景色をパチリ。


キャンプ場には大きな舞台があって、前面は大きく開放されていたが舞台はまるごと屋根に覆われていた。ここなら雨でも寝られたかなとニンマリする。来る前からこのキャンプ場の写真は何枚も見ていたが、こんなに野宿に適した建物があるとは知らなかった。と言うことで、もしここで野宿したい人の為に写真で紹介しておきます。


民宿に戻る道筋から、このあと訪問する水ノ浦教会の白い建物がくっきり見えている。民宿の前を通り越して、その水ノ浦教会をまず訪問してスタンプをペタン。歩きだとそこそこの距離があるので、もう汗が滴り落ちてくる。民宿には9時20に戻り、バックパックを回収して本格的な歩きの始まりだ。親切にしてもらったご夫妻を撮らせてもらい記念にサインも頂きました。帰ったらお礼の絵はがきを送りましょう。


9時55、楠原の牢屋跡。現代的な建物の中に古い時代の柱などが残っていて、捕らわれていたキリシタンの写真や犠牲になった名前・年齢などが掲載されていた。高齢者から小さな女の子まで見える。拷問によって体力のないお年寄りや幼児から殺されてしまったそうだ。こういうのを見ると、何も悪いことをしてないのに捕まえて拷問し殺しやがった当時の奴らにふつふつと怒りが込み上げる。良くこんな真似が出来たもんだな。


牢屋跡にはスタンプがなかった、おまけに近くの楠原教会は全ての扉が閉ざされていて、スタンプが貰えなかった。スタンプを集める旅でもあるので非常に残念。教会の回りをぐるぐる廻り、隣の平屋も訪ねるが同じだった。仕方ないので諦める。


11時半、通りにあったお好み焼き屋「れんげ」と言う店が定休日で、運良く店の前にベンチがあったので靴下まで脱いで大休止。民宿で持たせてくれたおむすび2個のうち1個を頂く。塩が強めで梅干しも入っていてとても旨い。おかみさんに感謝だ。見ると靴下が既に擦りきれていたので傷ばんそうこうを穴が空いた部分に2枚貼って置く。経験から開いた穴で靴づれや肉刺に発展するのが分かってるので。


道を挟んだ家からおじさんがやって来て話しかけられる。話の中で、携帯電話を持っていないので予約ができないとこぼしたら何を思ったのか店の横から入って、こいこいと手招きされる。どうやら店の関係者らしい。お好み焼き屋は息子が経営してるそうだ。電話帳で探して西光荘に電話してくれる。喋るのはあんたが喋ってね。はいモチのロンです。今晩の宿をお願いすると、一呼吸置いてオッケーをもらえる。一呼吸には何かありそうだが、泊まれることが決まったので気持ちが軽くなった。夕食もお願いしておける。これで今晩の宿は安心だ。

おじさんはまた道路を渡って家に戻ったので、日記を書いているとまたやって来て、手にはラップに包んだおむすびを持っている。だが、さっきひとつ食べたばかりでもうひとつ持っているのでザックを重くしたくないから丁重にお断りさせてもらう。重いザックは命取りになると言うと納得してくれました。電話は誠にありがたかったのでお礼を言って出発。


1時間歩いて打折教会到着。県道から坂を降りた戸数10戸ほどしかない小さな漁村にポツンと小さな教会があった。これしかない戸数で教会を建てて維持するのは大変だろなーと思った。入り口の扉は開け放たれていてスタンプも目立つところにあったので無事にゲットできる。教会の窓はすべて開け放たれていて、網戸から爽やかな風が通り抜けている。毎日こうして教会の世話をしている信者さんがいるってことですよ。教会を大事にしているのが良く分かる。

来るときが下り坂なら戻るのは登りだ。そこそこの急坂だが下を向いて歩幅を2/3にすればボーッとしてる間に天辺に到達できる。いままで何度も故障を経験していて、その原因を考えるといつも歩幅を考えないで力任せに登り降りしたのが原因と推察できる。疲労骨折したときは前を歩くサンチャゴのバス巡礼のグループを意地でごぼう抜きにしたときがあって、それが運悪くフォンセバドンへの山登りだった。翌日の下りで疲労骨折を発症。これは懲りた。もう一度は昨年の四国遍路で、屋島への長い急坂を前に進みたい一心で大股で上ったとき。屋島神社で肉離れを発症しました。で、無理したらいかんとやっとこさ気づいたって訳です。坂道でちょっとでもスネに負担を感じたら、ささっと小股にせにゃならんと。忘れてしまってても、スネが少し痛いと感じたら即座に思い出して小股歩きにシフトダウンしました。お陰で今回は足の故障は無しで通すことができました。故障は年齢的なこともあるだろけど、皆さんも真似しましょう。

道端の公園に手頃なベンチがあったので大休止。ザックを下ろすときに指を引っ掻けてしまい、ささくれが破れて血がドバドバ出てしまう。いてててて。取り合えず傷バンで押さえるしか手だてがありません。歩き旅に出ると必ずこの指のささくれに悩まされます。ポールを握ってるからかな?

ちょっとだけ楽しみにしていた「ふるさと館」が現れる。何も食べるつもりはないけどここは寄らないとだ。自販機でコーラを買ってソファでぐびぐび。コーラを飲むと短時間ではあるが元気が出ます。ここなら五島wi-fiがあるなと踏んでタブレットを出すと案の定だった。二日ぶりにFacebookとメールを更新できる。電話できなくてもwi-fiがあれば宿の予約は可能だけど、それは都市部の話のことで、ここ五島ではネットで検索できるような宿はないし予約もできない。かな~り不便。五島巡礼を始めて携帯電話がない不便さをすぐ感じました。プリペイド携帯ってのがあったらしいが、もし入手できるなら五島にいる間だけでも利用したいもんだと何度も思いました。


3時半、西光荘到着~。理想的な時間だ。通された部屋は客室には不向きな1階で二部屋分の広さがあった。これって普通の客室じゃないよね、宴会部屋?電話したときの一呼吸はこれだったのか。高そうだなと思ったのが第一の感想だが、まぁ部屋が広くても宿泊料に違いはないらしいので問題ないだろう。残念ながら風呂は5時からだったので暫く待つことになった。歩き旅なんだから一刻も早く汗を流したいんだよね。

5時になったので速攻で風呂まで一直線。シャワーの温度が上がらないようなので、湯船のお湯をかい出しながら洗濯する。ザックを軽くするために着替えも最小限しか持ち歩かないから自転車操業なのです。洗濯物はいつものように、バスタオルに包んでからギュウギュウと絞って部屋干し。これだと朝までに完璧に乾きます。

やることやったけど、楽しみの夕食は一番早くても6時なのでまた待ちぼうけです。でもwi-fiがあるのが分かったのでお上さんにパスワードを教えて貰うとsaikousouとまんまだった。お世話になったコンタツ堂さんからメッセンジャーが入りFacebook繋がりにもなれました。wi-fiさえあれば遊んでられるので1時間2時間待つのは気になりません。


6時になったので食堂となっている隣の広間に突撃。やっぱり私が一番でした。「腹ペコだったんだね~」と思われたことだろう。隣のテーブルにはすぐ一人旅の女性がやって来てビールを注文したので、自分にも同じのを頼む。一人旅同士なのですぐお喋りが始まり、東京住まいとのことだが言葉に関西訛りがあるので聞いたらやっぱりだった。レンタカーで福江島だけ廻っていて、昨日はポール突いて歩いている人を見たと言うので、間違いなく私のことだろう。そんなことしてるの福江島できっと私だけだよ。私も他に歩いている人見たことない。コンタツ堂さんに歩き巡礼っていますか?と聞いたら「一年に一人くらいですね」とのこと。

料理の方は海の幸オンパレードだけど、魚が苦手の私はちっとも嬉しくない。特に煮魚はどうやって食べるのが正しいのかさっぱり分からない。ぐちゃぐちゃにして食べるしか方法がありませんがな。でも欲と体力回復を願って一応は完食。

食後に伸びた髭を部分的に剃ったら唇から出血。唇はとても弱いので注意が必要だけど、相変わらずやってしまう。明日の朝食は7時と聞いたので、食べたらすぐ出発できるように事前にパッキングしとかなくては。それと明日のシミュレーション。民宿→三井楽教会まで7キロだが、この辺りの道は複雑なので迷う可能性大だ。その代わり、起伏は大したことないらしい。三井楽教会の近くにはキリシタンの牢屋跡があるのでそこも訪問→キリシタン墓地から貝津教会まで凡そ9キロなので、迷う時間と休憩時間を考慮すると三井楽から2時間半くらいかな。貝津港のフェリーが13:35 なので、それに乗って嵯峨島に渡れないとまずい。貝津教会はその後にした方が安全かもね。とまぁこんな作戦でいかがでしょう?って誰に言ってんの?

本日の歩数 25,344 歩

長崎五島の旅7へつづく