長崎五島の旅7 初の野宿

10月10日(火) 民宿西光荘
5時起床。今日は三井楽教会とキリシタン墓地を訪問して貝津港から嵯峨島行きのフェリー13:35 に乗らないとならないので忙しい。そのフェリーに乗って嵯峨島に渡れば16時のフェリーで戻れるが、それを逃すと次に嵯峨島へ渡るフェリーは夕方のみになって、こっちに戻るフェリーは翌日の9時10になってしまい今日中には帰ってこれないのだ。宿も店もない嵯峨島で夜を過ごすのは勘弁だよ。

西光荘→三井楽教会が7キロ1時間半くらいで忙しいから、時間が押すようなら牢屋跡はパスしようかな?キリシタン墓地を巡って貝津港が9キロ2時間半くらい。計4時間だが道が複雑ぽいので分岐ごとにGPSで確認しながらになるだろう。迷わないことを前提にして休憩を挟んで5時間くらいかな?合計で7時間半だが、そんなに掛からない気もするが?


パッキングを済ませて6:50 宿の朝食。夕飯には苦手な煮魚が出るが朝はどこでも食べやすい干物なので嬉しい。今回の干物はミリン干しだった。ミリン干しは干物の中でも特に好きな部類。スタミナが途切れないようにご飯は軽く2杯食べておく。宿代はビール中瓶入れて8,470円だった。ビールが700円ってことか。日本の旅は宿代が掛かる。

7時半出発。ルートを大雑把に頭に入れて、更に毎日ノートの切れ端に大雑把な地図を書いてポケットに入れている。複雑と思われた道も歩き出したら予想より分かりやすい道のようだ。町中で話しかけてきたおばちゃんが、私が福江市内を歩いている所をみたそうだ。福江からずっと歩いてるの?とびっくりしている。うちの2階が空いているので泊めて上げてもいいんだけどと言ってくれるが、さっき出発したばかりだよ。

町を抜けてもぐねぐね道が続いているが、意外と分かりやすく手書き地図に入れて置いたポイントがそのまま出てくる。民宿久保とかスーパー三井楽、つばき屋に三井楽タクシーなど確認しながら歩いてられる。お陰で迷うことはなかった。


9時過ぎ、三井楽教会到着~。予想よりずっと早く着いた。壁にモザイクが施されて一種独特の教会だ。中に入りスタンプをゲット。同じ敷地内には司祭館の他に平屋の何とか記念館みたいのがあって、ここなら泊まらせてくれるかなと、そんなことばかり考えてる。


時間が押してたらスルーしようと思ってた牢屋跡も訪問できる。行ってみたらネットで紹介していた狭くて暗くて薄ら寂しい所だった。碑文に犠牲になった人たちの名前が記してあり、その中には子供が何人もいた。拷問を耐え生き抜いた人はこの何倍もいたんだろう、まったく酷いことをしやがる。知らない人は意外と思うだろうが、キリシタン迫害は明治になってから何年も続いていた。明治に入ってから長崎大浦天主堂で200年ぶりにキリシタンが発見されて東洋の奇跡と言われたが、その後大勢のキリシタンが信仰を表明し一網打尽に捉えられ拷問され殺された事実がある。文明開化が聞いて呆れる。

牢屋跡を後に歩きだしたらキリシタン墓地のスタンプもあったことを思い出す。あれ?たしかスタンプ帳には教会で押せるとあったような覚えが!?ザックを下ろして確認したらその通りだった。残念ながら後戻り~。まぁ500メートルほど戻るだけなので傷が浅くて良かった。やっぱりさっき押したスタンプ置き場にはキリシタン墓地のも置いてあった。スタンプ帳にはナンバーが振ってあって、三井楽教会の前に牢屋跡のスタンプ場所を置いとかないと私みたいなのが出るよね。


渕ノ元カトリック墓地10:45 到着。マリア像や十字架がいっぱい立っている。廻りに人家はなくて海の隣で良い雰囲気だ。ここで靴下まで脱いで乾かしながら大休止。右足の指にマメを見つけたのでカットバンを貼って置く。久しぶりの歩き旅なので足が軟弱になっていて、こんなにマメが出来るのは2015年の初カミーノ以来だ。


ここでついでにお昼を食べることにする。昨日の民宿魚津ケ崎荘の奥さまが持たせてくれた2個の内の残り一個。丸1日半経っているので大丈夫かな?小さく一口食べてみると問題ないようなので全て平らげる。このおむすびがあって良かった。実はこのあと明日の昼まで食事にありつけない運命が有るとはこの時知らない。

11時出発で残りが8キロくらいかな。疲れが出ているので休みながら歩くと2時間半必要だろう。店はないけど自販機はたまにあるのでカロリーを補給する。このままだとフェリーの時間までちょっとギりかも。その貝津港には13:05 到着。良かった出港の30分前だった。チケットは船の中で買うようだ、嵯峨島往復880円。「島外ですか?」と聞かれた。島内の人だと割引になるようだ。港には何か店があるかと期待していたが、フェリー待合室以外なんもなかった。相変わらず食べ物が手に入らない。


13:35 定時出港。すっごい飛ばして大迫力だった。小さな船だから海面が近いので蹴散らした波が船内にも飛び込んでくる。降りるときに帰りのフェリーは14時なのを確認しておく。船長の家は嵯峨島にあるのか、一緒に歩きながら少しの間お喋りができる。自販機が2台あるけど手前のは壊れていて向こうのが使えると教えてもらった。この島には店はゼロだが、みんな宅配便を使うので買い物はそれで賄っているようだ。なのであった店はみんな潰れたとのこと。教会はあっちと教えてくれてバイバイ。

稼働している自販機でコーラを飲んでまったり。どうせ4時にならないとフェリーは出ないので時間が有り余っている。貝津のフェリー乗り場に来るまでは時間との戦いだったのに、旨くいかんもんじゃのう。


14:15 嵯峨島教会到着。良かったここも開いていた。お陰でスタンプゲットだぜ。ボトルに水を補給しようとしたが、水道は止まっていた。小さな島だから水はどうしているんかな?

さっき飲んだ自販機で今度はQuuを飲む。五島に来てから良くこのQuuを飲むようになった。140円なので決して安くはないが、自販機ではこれが一番安くて旨い。フェリー待合室の外に水道があったが、ここはカランが外してあって水が補給できなかったが、中に入ったらトイレの水道は生きていたのでボトルに満タンにできた。良かったこれで安心。今晩の宿は当てがないのでせめて水は持っていないとだ。ついでに顔や腕など洗ってさっぱりしておく。こうしておけば野宿になっても少しは増しに寝られるってもんだ。


フェリー待合所に驚く物が貼りだしてあった。船長から嵯峨島では宅配便で買い物してるとは聞いていたが、宅配便って黒猫何とかじゃなくてドローンで配達してるようだ。もうビックリ。電話で注文して、ドローン到着の5分前に投下地点にお越し下さいと写真の地図付きで別の紙に記してあった。なんか離島感覚半端ないな。

貝津港に戻って歩いていくと3匹の犬に吠えられる。みんな野放しだが飼い犬らしい。結構でかいので危険を感じる。スペイン・ポルトガルでは犬の放し飼いは珍しくないが日本でもいまどき放し飼いしてる家があるんだなぁ。「おすわり!」と言っても聞く耳持たずに吠えまくっていると、離れた家から飼い主がやってきてなだめてくれる。来るときにはなかった光景なので道を尋ねるとフェリーから降りてすぐ道を間違えたのが分かった。目標がない分岐だったのでイメージだけで歩いたのが失敗だったようだ。単純な道だと甘く見ていた。

道端に民宿があったので、泊まれるようならここでいいやと玄関から呼び掛けるが反応がない。人の気配がないし、どうも廃業したらしいので諦める。じゃぁ本当に当てがなくなった。仕方ないので今晩は初の野宿か。ゆえ合って野宿場所は秘密です。でも屋根の下で寝ることができました。睡眠導入剤1粒飲んでとっとと寝てしまう。


本日の歩数 32,874歩

長崎五島の旅8につづく