長崎五島の旅11 親切なおまりさん

10月14日 富江さんさんキャンプ場

早朝5時起床。さんさんキャンプ場だからじゃないけど、昨夜さんざん検討した結果、当初の予定では繁敷教会往復してキャンプ場へ戻る計画だったが、ここは巡礼路から2キロ外れるしうらぶれてるし、不便なのに素泊まりで5,000円以上と高いし、連泊は考えモンだった。決定的だったのが近くの温泉ランドが休業だったこと。繁敷教会から帰っての楽しみが消えました。

色んなパターンを考えたが、繁敷教会からの復路はバス利用は本数がなく絶望的です(往復の場合は復路はバスOKルール)。繁敷教会往復して福江に向かうプランを検討。途中に宿は二つあるけどみんな高くて無理。そうだ、もう巡礼として教会へ向かわないのでバス利用して良いことに気づきました。福江に行っちゃおう!そうと決まれば話が早い、朝飯には昨日仕入れといたロールカステラとバナナ1本にコーヒーで軽く済ます。室内干ししといた洗濯物は乾くのは無理かと思われたが、厚手の靴下以外は全て乾いたので安心する。湿っぽい靴下はガスコンロの炎で乾かそうとしたらゴムが焼けてしまったことあるよ。五本指靴下の上に履くのはこれひとつしかないので捨てる訳には行きません。まぁ人に見せる訳ではないので暫くこれで我慢しようかい。


またマメを二つ発見する、こんなにマメを作ったのは久しぶりだろう。どうもチリチリすると思った。右足指のは大きいので針で穴を開けて水を絞りだしてから絆創膏を貼っておく。左足指のは小さいが、これも同様にしておく。こう手当てしておけば悪くなることはないだろう。今日もワセリンをたんまり塗った上に五本指靴下履いて更にゴムが焦げた普通のを重ねばき。

7時出発。部屋の鍵は管理棟の郵便受けに放り込めば良いそうだ。分別したごみ二袋も管理棟前の大きなゴミ箱に投入する。部屋の注意書にそう書いてあったので。今日も唯一の客である私を期待して待ってるだろうが、もう来ねえよ。

昨日、自転車で下見に来た分岐点までやってくるとそこからは登りが始まった。まぁ予想通り。1時間歩いて地蔵坂展望所と言う地点までやってきたが、木々が生い茂っていて展望なんかないんだが。珍しく中間地点で歩数を確認してみると6,868歩だった。キャンプ場には戻らないって決めたのに、途中で歩数を計るって意味あるのかな?万歩計には時計機能もあるので時間を見たついでだ。私は歩き旅には腕時計をせずに、毎回この万歩計で兼用しています。理由はもちろん、軽くするためであります。歩き旅に軽さは正義。


展望のない展望台から2時間歩いて9時16分、繁敷教会への分岐に到達。こっから脇道を3キロだそうだ。近くに臨時のバス停があったので時間を確認すると、やっぱり利用できる時間のバスはなかった。復路も歩き決定だ。でもキャンプ場に戻らずに本通りに戻ったら福江にバスで行くことに決めたのでかなり気楽。


10時5分、繁敷教会到着。やっぱりここ迄の道中には猪用の箱罠があって気持ちの良い物ではなかった、ちょっとびくついて歩いたし遠かったなぁ。ここまでの歩数18,432歩。3時間で18,000歩と言うことは1時間6,000歩てことか、平地で調子が良いと1時間7,000歩ほどなので、やっぱり上りの歩幅を押さえてるのが影響してる。


こんな人里離れた山の中の教会なのに、ここもやっぱり良く手入れされていた。玄関スリッパはふかふかの上にアニメキャラクターが描かれていてほのぼのとした物だったから尚更。近くに民家はないので、そこそこ遠くから教会の面倒をみる人が来るんだろう、ホントに感心させられる。教会扉の開放ありがとう。スタンプを頂いて10時20、帰り道出発。


途中にはカトリックの墓地があって、墓地の中央に巨大な十字架がたっていた。根元に置いた私のバックパックと比べて見て下さい、その大きさが分かる筈。きっとキリスト教が許されて、誰に遠慮することなく信仰できる喜びで大きな十字架を立てたんだろなーと想像した。禁教時代は十字架でも見つかりゃ命の危険があったんだもんな。

ここも寂しい山の中なので、いったい何処に信者さんの住まいがあるんだろうと思ってしまうほどの所です。今では細いながらも道路が通じてるけど、かつての潜伏キリシタン達は人目を避けて山の奥深くまで道なき道を逃げて来たんだろなーと想像するに難くない所です。だから尚更、巨大な十字架にかける思いが伝わって来ました。

さて、今晩の宿は相変わらず決まってません。この後はバス路線が走っている道まで戻ったらバスで福江に向かうので、今のうちに予約したいところだが、携帯を持ってない身としては手段がありません。数日前みたいに散歩の人でもいれば頼めるけど、こんな寂しい山の中で散歩してる人なんかいる訳ありませんがな。て言うより3キロ往復する間、人っこ一人見てません。


なんて考えながら歩いていると、正面にダムが見えてきた地点まで戻ってきました。そこへ1台のパトカーが目の前に止まりました。私への職質でなく、普段の巡回のようです。すぐ良いアイデアが浮かびました。
「あのー、携帯持ってないので宿を予約できないのですが、お巡りさん電話してくれませんか?」
優しいお巡りさんで、私用携帯を使わせてくれました。最初は「民宿みずほ」に繋がるも、みずほじゃ無いそうです。番号は合ってるので良く間違い電話が来るとのこと。みずほはフェリーターミナルのすぐ側だし、M先輩も連泊した宿なので泊まりたかったが既に廃業したのかな?じゃぁ次は福江島で最初に泊まった「民宿旅の宿」に電話。こちらは予約できました。ヤッター!!wi-fiなし、テレビ、エアコンが有料ですが一度泊まった気安さがあります。連泊で6000円はキャンプ場の一泊5030円よりよっぽど価値があります。


おまわりさんが、富江に戻るバスならダムの反対側の方が本数が多いだろうと言ってくれたが、確実ではないのでやっぱり来た道を戻ることにします。親切なおまりさんと記念写真を撮りたかったけど、商売柄やっぱり遠慮しました。代わりに後ろ姿をパチリ。おまわりさん有り難う。


来るときに休んだ地蔵坂手前に福江方面の標識があったので左折。こちらも寂しい道で、ちゃんとした道路なのに一度も車も人にも出会わずに49号に到達。暫く歩くと下調べどおりベーカリー前にバス停があったが、時刻表を見ると1時間待ちなので先へ進む。900mの長いトンネルを過ぎた増田のバス停なら待ち時間も30分なので、ここで待機しましょう。これ以上先へ進むとバスが通過してしまう可能性が出てくるので。近くに自販機があるといいなと思ったけどないわ。

時間どおりにバスはやって来て福江市内へまっしぐら。福江ターミナルが終点だったので降りるバス停を考えることなく簡単だった。630円なり。すぐ五島観光協会に行って明日のレンタル自転車を申し込むが、予約はできないそうだ。でも開店時間の8時半にやって来れば間違いなく借りられるとのこと。そうしましょう。ただし、久賀島には自転車屋がないので、もしパンクした場合は自力で担いででもフェリー乗り場まで運ばなくてはならないって何!?パンク恐ろしいな。

いきなり何故レンタル自転車が出てきたかですが、久賀島には訪問する教会が3つありまして、最初のフェリーで久賀島に渡って3つの教会を歩いて往復すると、足の鈍い私は福江に戻る最終フェリーの時間に戻れない可能性大なのです。久賀島には宿がないのでそれは困ります。と言うことで考えを巡らせているとレンタサイクルで久賀島を廻った人のブログが目に留まりました。これですよこれ。これなら最終フェリーに余裕で戻ることができます。と言うわけで今回初のレンタサイクルとなりました。自転車も自分の足で漕ぐんだからいいだろ。


明日のレンタサイクルの手はずも整ったし、近くのマツキヨでお買い物です。繁敷教会から戻る途中でボールペンを紛失したので3色ボールペンを1本お買い上げ。それと焦がした靴下の替わりと5本指靴下も2本購入。持参のはみんな擦りきれ出してます。今回はマメの手当てが多かったのでカットバンも一箱購入して缶ビールを買って店先に座り込んでぐびぐび。こう言うのが平気になってて困ったもんだな。

民宿前にやってくると男性が玄関前にいて、おかえりと言ってくれる。どうやら宿のご主人のようだ。私のことを聞いていたんだろう。シャワーしながら洗濯したらお次は食料の買い出し。今回はほっともっとじゃなくてローソンが近くにあるのを見つけていたのでそっち。最近オープンしたそうで、これがあるのが分かっていれば前回はあんな苦労しなくて済んだんだがな。


飲み食いしながら明日の作戦タイム。ノートの切れ端に簡単な地図を描きながらで毎晩恒例です。重いものは旅の宿さんに置いて、持っていく物はカッパ、弁当、水、貴重品一式、ノートとボールペンとこんなもんか。

本日の歩数 41,067歩
今回最大歩数の4万歩を越えました。登坂は小股で歩くしね。

長崎五島の旅12へつづく